2020-10-08

特別編 1939年 欧亜大陸鉄道の旅(ラトビア編 Day 11, 12/モスクワ - リガ)

 1939年前後の時刻表をたどる仮想旅行。今回は、前回に引き続きバルト三国の旅をお送りする。
 バルト三国の真ん中にあり、面積も人口も中くらいの国ラトビアの首都・リガを目指す。
 この当時モスクワとベルリンを結ぶルートは主に二つあり、一つが東京-ロンドンの旅で紹介したポーランドのワルシャワ経由のルート、もう一つがラトビアのリガ経由のルートである。
 パリからモスクワ方面を結んだ豪華列車・北急行も時代によってそのどちらかのルートを通っている。
 そんなヨーロッパ横断の主要ルートの一部でもあるモスクワからリガの旅をお伝えする。

ラトビア国鉄路線図 乗車ルートを赤色で着色
1936年の時刻表より

ソ連第2の都市・レニングラード

#7 モスクワ ベラルースキー - リガ
dep: arr: 急行 13/5列車 リガ 行き


モスクワからビゴソボの時刻表(1938年 日本語版は1939年)

 今回もシベリア鉄道の終点、モスクワ・ヤロスラフスキーで列車を降り立ったところ(#9 Day 9, 10, 11/ノヴォシビルスク - モスクワ ヤロスラフスキー)から旅を始める。
 と言っても、モスクワから1本の列車でリガまで直通しているので、あと1回乗り換えれば目的地リガにたどり着く。
 鉄道の時刻を見てみよう。時刻表も前回と同じく1938年のソ連の時刻表と後年なぜか満州調査部が作成した1939年時点の時刻表を並べている。(時刻は1939年時点の時刻を採用)
 満州里からソ連を横断した列車がモスクワにたどり着くのは午後1時過ぎ、リガ行きの列車が出発する20時50分までは少々時間がある。
 リガ行きの列車出発する駅は、ミンスクやワルシャワ方面と同じベラルースキー駅。途中のスモレンスクまでは同じルートを辿る。

 リガ行きの13列車は20時50分にベラルースキー駅を出発して、夜中の3時52分にスモレンスク駅に到着。そこからミンスク方面の線路と分離して、リガ方面を目指す。
 翌朝10時45分、ぼちぼち太陽も上り切ったところでソ連最後の駅ビゴソボに到着する。ビゴソボでたっぷり1時間程停車した後、列車はラトビアに入国する。
 ここからはラトビア国鉄の"5列車"となって、バルト海に面した首都リガを目指すことになる。

 急行 13列車の通過時刻表は、欧亜大陸鉄道の時刻表のページでも確認可能です。

バルト三国 エストニアへ

1936年ラトビアの時刻表
LETAS 1936./7. VASARAS SARAKSTS
本文の時刻表は1939年のものを参照しているが、こちら時刻表は表紙が欠落してしまっている
インドラからリガの時刻表
下から上へ進む

 続いてラトビアの時刻表を見てみることにしよう。
 ラトビアの時刻表は文庫サイズでとても小さい。ページ数は100ページ余りで、後半がバスの時刻であるのはエストニアの時刻表とよく似ている。
 巻頭に織り込んである路線図を見てみる。ラトビアの北部、リガ湾の一番奥に首都・リガがある。ここから東西に線路が伸びているのだが、東側はソ連と直通するため広軌、西側はリトアニアやポーランドと直通するために標準機の線路となっていたようだ。
 モスクワ方面からやってきた列車は南東方向からリガへ向けて乗り入れてくる。

 さて、ビゴソボから30分、列車はラトビア最初の駅インドラに到着する。ここで時刻は1時間繰り下がり、ラトビア時間の11時20分となる。
 20分ほど停車した後、列車はリガに向けて出発する。
 リガに到着するのは午後17時59分。緯度の高いリガの街ならまだまだ空が明るい時間であろう。

 リガ湾に注ぐダウガヴァ川の手前にリガの中央駅がある。御多分に漏れず頭端式のホームとその向こうの大きな駅舎というヨーロッパらしい駅となっている。
 駅の開業は1861年で、駅舎は20世紀初頭に両翼が拡張された。1939年当時はこの駅舎の姿を見ることができたはずである。
 しかしながら、タリンと同じく1960年に社会主義スタイルの無機質な巨大駅舎に建て替えられており、当時の駅舎は現在は残っていない。ラトビアがソ連の支配下にはいるのは1940年。1939年当時は既にソ連共産党の足音が聞こえていたのかもしれない。
 ところでリガの街だが、バルト海の真珠とうたわれ、旧市街の美しい街並みは世界遺産にも指定されているそうだ。一度はバルト海とそれを望む美しい町並みをこの目で見てみたいものである。

時刻表はこの時代には珍しい光沢のある紙で美しい写真がところどころに掲載されている
その中の一枚、リガのリゾート ユルマラ海岸の様子
1939年 欧亜大陸鉄道の旅 ラトビア編 まとめ
#乗車下車列車記事
18/3 15:00(GMT+9) 東京8/4 9:25(GMT+9)下関特別急行ふじ 下関行き#2
28/4 10:30(GMT+9)下関8/4 18:00(GMT+9)釜山関釜連絡船#3
38/4 19:00(GMT+9)釜山8/5 21:45(GMT+9)新京急行 ひかり 新京 行き#4 #5
48/5 22:35(GMT+9)新京8/6 6:20(GMT+9)ハルビン603列車 三果樹 行き#6
58/6 10:30(GMT+9)ハルビン8/7 10:55(GMT+9)満州里701列車 満州里 行き#6
68/7 14:34 (GMT+9)満州里8/13 13:30(GMT+3)モスクワ ヤロスラフスキー1列車 ストルブツィ 行き#7 #8 #9
78/13 20:50(GMT+3)モスクワ ベラルースキー8/14 6:55(GMT+2)リガ急行 13/5列車 リガ 行き
総乗車距離:11,772km
総乗車本数:7本
所要時間:11日9時間59分
参考文献
  • РАСПИСАНИЕ ПАССАЖИРСКИХ ПОЕЗДОВ ЖЕЛЕЗНОДОРОЖНОЙ СЕТИ СССР НА ЛЕТНИИ И 3ИМНИИ ПЕРИОДЫ 1938/39 г. (1938年) ТРАНСЖЕЛДОРИЗДАТ
  • ソ連研究資料第57号 ソ連邦鉄道旅客列車時間表 (1941年) 南満州鉄道 調査部
  • LETAS 1936./7. VASARAS SARAKSTS (1936年) LETA
  • LETAS 1939. VASARAS SARAKSTS (1939年) LETA
  • COOKS CONTINENTAL TIMETABLE AUGUST 1939 (1939年) Thomas Cook / 復刻版 (1987年) J H Price
  • ラトビア国鉄(LDz)サイト
  • RĪGAS CENTRĀLĀ STACIJA: VAIRĀK NEKĀ 150 GADI FOTOGRĀFIJĀS

0 件のコメント: