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2019/04/29

出雲・松江積み残し回収ツアー

出雲・松江 積み残し回収ツアー 2019/4/13-14

 今を去ること11年前、国道9号線の旅で出雲大社を訪れたのだが、その時本殿が改修工事中で仮神殿で参拝することができなかった。それがずーっと心残りだった。
 さらに出雲から宍道湖を挟んで反対側には全制覇を目指している現存十二天守の一つ松江城がある。ついでに、出雲から松江の間には全線制覇を目指している私鉄の一つ、一畑電車もある。
 これらを一気に片づけるため、軽く一飛び出雲へ行ってきました。

一畑電車に乗車

(左)一畑電車 電鉄出雲市駅
(右)島根のゆるキャラ しまねっこが扉を閉鎖して安置されている 電鉄出雲市 9:56発 普通 川跡行 → 川跡 10:05着
(北松江線 4.9km) 川跡 10:07発 普通 出雲大社前行 → 出雲大社前 10:18着
(大社線 8.3km)
出雲・電鉄出雲市駅

 名古屋空港から1時間で出雲空港に到着。山陰というと遠いイメージがあるが、飛行機に乗ってしまえば思いのほか近い。
 空港からはバスで30分で出雲市駅に到着。ここから一畑電車に乗り換える。
 一畑電車は2路線、40キロほどの小さな鉄道会社。いかにもなローカル線の駅を想像したのだが、電鉄出雲市駅は高架化されていて意外と立派。
 しかしながら、切符は未だに磁気化すらされていない紙の切符。
「Suicaって使えますか?」という、風情のわからぬ若者を尻目に、切符にパンチを入れてもらって改札を上る。
 駅はきれいだが電車は年季が入っているだろうと期待したのだが、こちらも結構新しい。まあローカル線だから電車が古いなんてのは勝手な思い込みでしかない。
 そのきれいな2両編成の電車に乗って出雲大社へ出発する。

出雲・川跡駅

 出雲市駅から出雲大社の最寄り駅の出雲大社前駅まで、一部を除いて直通しないので、北松江線と大社線の分岐駅の川跡駅で乗り換えることになる。川跡駅まで10分間、そこから出雲大社前駅も10分間である。
 乗り換えの川跡駅では向かいの電車に乗り換える親切ダイヤなので一瞬しか滞在しなかったのだが、川跡駅はなんか風情のある駅でした。

出雲大社に到着

紅白餅が入った出雲ぜんざい
出雲・出雲大社前駅

 駅から出ると目の前が出雲大社の参道。出雲そば屋さん、お土産屋さんが軒を連ね賑わっている。
 まずは参拝と思ったのだが「出雲ぜんざい」という言葉につられ、駅前のいづも寒天工房に入ってしまった。
 出雲ぜんざいとは紅白のお餅が入っているのが特徴のぜんざい。このお店の場合、白いお餅は普通のお餅だが、赤いお餅はサクサクとしたアラレが入っている。色だけでなく食感が違う二つのお餅が入っているのはなかなかお得。

出雲大社へ参拝

(左上)出雲大社の鳥居
(右)鳥居を潜ると下り坂の参道があり、その向こうに松並木が続く
(左下)大しめ縄で有名な拝殿 出雲大社 本殿 三段のお椀につゆを注いで食べる出雲そば
出雲・出雲大社

 お腹も落ち着いたところで、いよいよ出雲大社に参拝に向かう。
 出雲大社は鳥居のある入り口部分が小さな丘になっていて、鳥居を抜けると境内の景色が広がるという粋な演出がされている。
 鳥居をくぐった後しばらく続く境内の松並木を抜けると、いよいよ神殿が見えてくる。
 大きなしめ縄がシンボルの拝殿でお祈りを行うのだが、みなさんなんだか変わったリズムで拍手を行っている。調べてみると、出雲大社は二礼二拍手一礼ではなく、二礼四拍手一礼がしきたりらしい。しかしながら聞きなれぬせいか四拍手というのは、どうもリズムが悪い。気のせいかみなさんえらいぎこちなく四回拍手をしているように聞こえる。
 しきたりなので仕方なく、おいらもリズムを探りながら四拍手する。
 拝殿の後ろには本殿がある。本殿は柵で囲まれ近づくことができないのだが、建物が高床式になっているため外からも様子を伺うことができる。あまり詳しくないのだが、出雲大社の神殿は他の神社とは違うかなり異質な造りをしているように見える。
 高い足組の上に建てられた豪華な神殿は、太古の日本の王の城はこんなんだったのだろうか?

出雲・手打ちそば いとう

 参拝を終わらせたところで、ちょうどお昼時。
 出雲と言えば出雲そばということで、出雲大社前駅近くのいかにも老舗といった蕎麦屋、いとうさんに入ってみる。
 出雲大社からちょっと離れているいるせいか客足は少なかったのだが、観光バスの運転手や添乗員が次々と入って来るので、穴場的なスポットと見た。
 出雲そばは、三段の丸い器に小分けされたそばに濃い目のつゆをかけて食べるそば。おいらは、おろし、とろろ、ノーマルの3種盛りを注文した。
 濃い目のつゆというのは、醤油が濃いというよりは、塩味が濃い目といった感じ。塩でそばを食べる感じで、なんだか蕎麦通といった気分になれる。

一畑電車で松江へ

出雲大社前 12:58発 普通 松江しんじ湖温泉行 → 松江しんじ湖温泉 14:02着
(大社線・北松江線 37.3km) 一畑電車の車窓 宍道湖沿いを走っていく
出雲・電鉄出雲市駅

 蕎麦屋の隣の一畑電車の駅から電車に乗り、松江方面に向かう。
 電車に乗ってから気が付いたのだが、出雲大社前駅には戦前の車両が展示されていた。が、のんびりそばを食べていたせいで、撮影する間もなく出発。
 松江しんじ湖温泉行きの電車に乗り込んだので、このまま終点にたどり着いたら一畑電車全線制覇となる。
 出雲から松江の間の線路は概ね宍道湖の北側に沿って走っていく。
 宍道湖を小一時間ほど眺めながら松江に向かう。

松江・松江しんじ湖温泉駅

 松江市内の宍道湖湖畔ほど近い場所が一畑電車の松江側の終点。
 ここから1キロほどでの場所に松江城があるはずなので歩いて向かってみることにする。 

現存十二天守、国宝松江城へ

(左)松江城天守閣
(右上)うっかり裏側の勝手口みたいなところから入場
(右下)天守閣最上部からの眺め 皆美館の鯛めし 宍道湖に沈む夕日
松江・松江城

 松江城は国宝に指定されている5つの現存天守の中で最も最近の2015年に指定を受けている。築城されたのは江戸時代初期の1611年とのこと。
 歩いていけば天守閣が見えるだろうと適当に歩いて行ったのだが、なかなか天守閣が見つけられず、城の裏側に当たる公園から天守閣に向かうことになってしまった。
 人目を忍んで城に潜入する気分を味わいながら本丸を目指す。石垣を眺めながら、何度か階段を上るとようやく天守閣が目の前に現れてきた。
 天守閣、意外と大きい。
 5階建ての天守の中を階段で上がり、ようやく最上階へ。松江の街と宍道湖が一望できる。周りに何も建物がなかったころ、ここから街を眺めた城主はさぞかし気分がよかっただろうね。

松江・皆美館

 松江城見物を終え、松江市内を少し散策したところで夕飯時となった。
 ネットを検索していると松江に変わった鯛めしがあるとの情報をゲット。さっそく松江の鯛めし有名店・皆美館へやってきた。
 鯛めしを注文すると、お櫃と薬味が乗ったお盆が運ばれてきた。お櫃の中には鯛と白飯が入っているのだろうと蓋を開けてみたのだが、中身は白飯。
 どういうことだ!
 と動揺したのだが、説明を聞いてみると、薬味ととして載せられたアイスクリーム状の半球の物体の一つが鯛のすり身らしい。
 半球は3つあり、一つが鯛のすり身で、残り二つは卵の白身と黄身を裏ごししたもの。この3つをご飯に混ぜて、出汁をかけて食べる食べ物らしい。
 なんだそりゃ?? と、恐る恐る三種をご飯に混ぜ、出汁をかけて食べてみる。
 上手い。今まで食べたことのない不思議な味がする。簡単に言えば、とても上品なだし茶漬けである。
 しかし、何口か食べ冷静になって思ったのだが。卵の味はするのだが、鯛の味は今一つ分からない。
 そして、さらに一つ、大いなる問題に気が付いてしまった。間違いなく鯛めしはおいしいのだが、どう考えても、鯛も卵も混ぜずに、出汁とご飯だけで食べたほうがおいしい。実に策士策に溺れる感満載。
 いや出汁が、すごくおいしいんですわ。

松江・宍道湖

 鯛めしを堪能した後は、松江観光の締めの定番、宍道湖に沈む夕陽を見に行く。
 時期的に、夕陽は水面に直接沈まず、やや北側の山に沈むのだが、それでも赤い夕焼けが湖に映りなかなかに美しい。

足立美術館と出雲弥生の森博物館

足立美術館の日本庭園
左の写真の奥の滝はこの庭園のために造られた人口の滝 (上)西谷墳墓群2号墓(復元)
(下)あろうことか中に入れちゃう
安来・足立美術館

 翌日、せっかく島根に訪れたので、松江から20キロほど東にある安来市の足立美術館に足を延ばすことにする。
 ここは日本画の美術館なのだが、それよりも館内に造られた日本庭園が特に有名。世界中から観光客が来るらしく、アクセス環境としてはかなり不利な場所にあるにも関わらず、連日多数の観光客を集めている。
 日本庭園は噂にたがわぬ美しさ。遠くの山を借景とした雄大さはもちろん、常にきれいに整備されており、落ち葉一つ落ちていない。
 室内から額縁の向こうに庭園を見せたり、借景となる遠くの山に滝を作ったりと、演出が冴えている。
 日本庭園と日本画も美しかったのだが、おいら的に一番面白かったのが、北大路魯山人の作品が飾ってある魯山人コーナー。正直、彼の作品の良し悪しはよくわからないのだが、入り口に掲げられた年表に目を奪われた。
 正直魯山人とは何者なのか全く知識がなかった。かつての料理の鉄人の審査員・平野さんのキャッチコピー「かの魯山人の愛弟子」でその名は知っているが、それが全て、ザッツオールである。
 だが、この魯山人という男、とんでもない人物である。書家、美食家、陶芸家、さらには実業家の顔を持ち、六度の結婚、残された傲慢、不遜な言葉の数々。年表を見ているだけでエンターテインメントになるなんてなかなかない。生まれてすぐに里子に出されたため両親のことはあまり年表に出てこないのだが、時々出てくる母親に対して、父親は全く出てこない。気になってWikipediaを調べてみたら、魯山人出生後すぐに、割腹自殺をしたとのこと。波乱万丈にもほどがある。
 来年、足立美術館に魯山人をフィーチャーした魯山人館がオープンするらしい。これは、また来なくては。

出雲・出雲弥生の森博物館

 一旦、出雲に戻り少し時間があったので、出雲弥生の森博物館 にも寄り道した。
 出雲駅の東側、斐伊川を見下ろす「西谷の丘」には、弥生時代後期から古墳時代、そして奈良時代にかけて作られた古墳が密集している。中でも四角形で四角からアメーバのような足が飛び出ている「四隅突出型墳丘墓」が有名。
 その古墳の横に古墳の博物館が建てられており、この地域の古代の歴史が説明されている。入場料はなんと無料。
 で、まあ、その博物館も楽しいのだが、メインは古墳。博物館から道を挟んだ向こう側の丘に、いくつかの古墳が保存されている。形がきれいに残っているものや、言われてもそれが古墳なのか丘のコブなのかわからないものまで様々。
 その中で、博物館から見て奥の方にある2号墓がルール違反の規格外のシロモノ。何しろ部分的にしか古墳が現存していなかったため、その古墳を地中にしっかり保存し、その上に当時の古墳を実寸大で再現してしまったらしい。
 古墳と言えば、長い年月を経てその上に木々が生い茂っているイメージだが、ここは違う。最近作っちゃたんだから石でおおわれた在りし日の墳墓の姿を見ることができる。しかも、あろうことか中にも入ることができ、石棺の中に眠る王の姿をホログラフィで浮かび上がらせるなんていう演出まである。
 入場無料でかなり楽しめる良い穴場スポットである。


足立美術館の日本庭園

 飛行機で行くような場所に行って、たった1泊で帰ってくるというのはおいらの旅のスタイルにはなかったのだが、やってみるとなかなかよくて目からウロコだった。
 普通の土日で旅が完結するのでかなり気楽に旅行ができるし、長期連休の混雑に巻き込まれることがない。
 このスタイルなら遠距離のピンポイントの場所に旅行に行くことができるので、旅の幅が広がる予感。
 とりあえずは、残り3つ(宇和島、大野、弘前)となった現存十二天守を完結させたいですな。

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