日本全国の非JR鉄道路線の制覇を目指しているが(全国私鉄・公営鉄道全線制覇マップ)、ここいらで関東を一気に片づけることにした。
関東の大手私鉄は東武全線464.6km 1日制覇、東京フリーきっぷ 444.3km 完全制覇、東急・西武全線274.1km 1日制覇、京成三兄弟211.1km 一日制覇で、中小私鉄は関東非鉄輪鉄道十二番勝負、関東ケーブルカー探訪、関東ローカル線の旅などで片づけてきた。
残りは、京急、小田急、京王、相鉄の大手4社と、横浜市営地下鉄、江ノ電、宇都宮ライトレール、伊豆箱根鉄道・大雄山線、小田急箱根の小田急乗り入れ区間のみとなっている。この400キロ余りを3日間で一気に乗り潰してきた。
まずは京急のターミナル品川からスタート。
空港線
(京急 京急本線 1.2km) #2 泉岳寺 8:20発 羽田空港第1・第2ターミナル行 → 羽田空港第1・第2ターミナル 8:46着
(京急 京急本線/空港線 快特 15.7km)
港区・品川駅
品川を起点に逗子葉山、久里浜方面に線路を延ばす京急こと京浜急行電鉄。羽田空港のアクセスも担う関東の大手私鉄だが、営業距離は87キロと意外と短い。半日で乗り潰せる距離である。
品川駅で一日乗車券を買って乗車開始と思ったのだが、京急の一日乗車券はPASMO専用。名古屋の民のおいらにそんなしゃれたICカードは持ち合わせていないので、PASMOごと購入する。最近はICカード専用の改札機も多いので、ICカードで発行というのは理にかなってはいると思った。なお、料金は2000円。泉岳寺-三崎口間の1往復半よりは安いぐらいとなかなか絶妙な値段設定である。
切符を入手したので、いざ三浦半島へと思ったが、京急は浅草線との相互乗り入れのため、品川から一駅のみ、泉岳寺まで北に線路が伸びている。仕方ないので、一度泉岳寺に向かい、そこから南下を開始することにする。
だったら、泉岳寺からスタートしろよと思ったかもしれないが、泉岳寺は都営地下鉄の管理駅で、一日乗車券を購入できないのである。
港区・泉岳寺駅
わずか2分で泉岳寺駅に到着し、気を取り直して今度こそ、本格的に京急の制覇に着手する。まずは、羽田空港第1・第2ターミナル行の快速特急を捕まえて、空港線を制覇する。
港区・泉岳寺駅
本線と空港線が分離する蒲田駅は上下線が上下二層に分かれ、なおかつ2編成の列車が直列に停車できるという長さも高さも桁外れな巨大駅。羽田空港に向かう下り線は三層部分にホームがあるのだが、そこから下界までの標高差が半端ない。駅を出ると一気に勾配を駆け下りて、二駅先は地下駅となる。ちょっとしたジェットコースター気分を味わう。
泉岳寺から30分弱で、終点の羽田空港第1・第2ターミナル駅に到着する。空港線を制覇完了。
大師線
(京急 空港線/京急本線 急行 10.3km) #4 京急川崎 9:13発 小島新田行 → 小島新田 9:23着
(京急 大師線 4.5km)
#5 小島新田 9:36発 京急川崎行 → 京急川崎 9:46着
(京急 大師線 4.5km)
大田区・羽田空港第1・第2ターミナル駅
羽田空港で、ホームの反対側に止まっていた折り返しの逗子・葉山行急行に乗り換える。
行きとは逆に急こう配を登って蒲田駅に着いた後は、スイッチバックして横浜方面に出発する。
このまま三浦半島方面に向かいたいところだが、京急盲腸線・大師線も制覇しなくてはならない。
川崎・京急川崎駅
大師線は川崎から小島新田を結ぶ4.5キロの路線。始発の川崎駅では、本線が高架化したにもかかわらず地上にホームが取り残され、本線に乗り入れることは無い。
いまでこそ、絵にかいたような盲腸線であるが、もともとは1899年に改行した京急の創業路線である。この時代の私鉄の多くは、都市から社寺仏閣への参詣路線として敷設された線路が多いが、その元祖が川崎大師への参詣路線として建設された現在の大師線である。
一説には、この路線を使って正月に参拝することを売り込んだことが、初詣が広く行われるようになったきっかけになったとも言われる。同時期に関西方面でも鉄道会社が正月の社寺仏閣参拝キャンペーンを行っているので、元祖争いは諸説あるが、今日当たり前に行われている「初詣」は、鉄道会社のキャンペーンに端を発して国民的にイベントになったことは間違いなく、バレンタインや恵方巻の先を言った元祖「イベントビジネス」の成功例と言える。
京急川崎駅の高架の下、地上改札の横の頭端式のホームが大師線のホームである。
ホームの有効長の関係で4両編成の列車が往復している大師線だが、沿線には住宅地も多く、ホームは乗客で溢れていた。
到着した列車が乗客を降ろすと、入れ替わってホームの乗客が乗り込み、列車は出発する。走行時間はわずか13分。ほぼ地上を走行して、終点・小田新田駅に到着し、大師線を制覇。小田新田駅は、最近改築されたばかりで、真新しいホームと駅舎であった。
ここからどこに向かうのかわからないが、登山にでも行くのかというリュックを背負った年配の乗客が一斉に改札を出て行った。見るからに干拓地で、見渡す限り山などなさそうなのだが、海沿いのハイキングコースでもあるのだろうか?
先を急ぐ私は、当然、すぐに折り返して川崎駅へ戻ることにする。
川崎・京急川崎駅
本線に戻って、いよいよ横浜を経由して三浦半島方面に旅立つことにする。
京急の路線は横浜からさきは三又にわかれる。浦賀に向かう本線、三崎口に向かう久里浜線、逗子葉山に向かう逗子線である。運行系統上は、多くの優等列車は浦賀ではなく、三崎口に向かうため、名前とは裏腹に実質的には久里浜線が実質的な本線となっていて、浦賀方面と逗子葉山方面が支線という扱いである。
まずは川崎からは特急を捕まえて、一気に三崎口に向かうとする。
久里浜線
(京急 京急本線/久里浜線 特急 53.9km) (上)かつて、京急油壺マリンパークまで延伸をしようとしていた痕跡が見える
(下)「マグロ」を推している三崎(マグ)口駅 駅前の食堂でまぐろ漬け丼を食べる #7 三崎口 11:28発 泉岳寺行 → 堀ノ内 11:51着
(京急 久里浜線 快特 13.4km)
三浦・三崎口駅
本日、最長の1時間1分の乗車で、久里浜線の終点、京急最南端の駅・三崎口駅に到着。久里浜線を制覇。
ホームの先端の線路にの車止めがあるのだが、跨線橋となっている道路をくぐって、先の方にしばらく伸びている。かつて、京急はこの先の海の近くに京急油壺マリンパークという水族館を経営しており、そこまで線路を延ばす目論見があったらしい。
三崎口駅はマグロを押しているらしく、乗車券とまぐろ食事券をセットにした「まぐろまんぷく券」というきっぷを販売しているようである。ぼちぼち昼飯時なので、せっかくなので、駅近くの食堂でまぐろ丼をいただくことにした。
やってきたのは、呑食里(どんぐり)さん。看板料理の「まぐろ漬け丼とまぐろから揚げ」をいただく。プラス料金でまぐろが一部中トロになるというので、もちろん中トロに変更。
いや、もちろんマグロおいしいです。どんぶりはもちろん、から揚げもおいしかった。三崎のまぐろヤバいです。
というか、疑問が沸いてくるのが数か月前下田で食べたマグロ丼が、なぜあんなに不味かったのか...。どう考えても、マグロがまずいはずがないのだが、あそこのマグロは間違えなくおいしくなかった。もう、その謎を探るべくもう一度食べに行きたいぐらいまずかった。下田のマグロもかなりヤバい。
本線、逗子線
(京急 京急本線 3.2km) 浦賀駅を出ると、目の前は巨大な造船ドック跡 #9 浦賀 12:13発 品川行 → 金沢八景 12:40着
(京急 京急本線 14.6km) #10 金沢八景 13:13発 逗子・葉山行 → 逗子・葉山 13:21着
(京急 逗子線 急行 5.9km)
三浦・三崎口駅
腹ごしらえを終えたところで、三崎口駅に戻り、残りの路線を片づけていくことにする。
まずは三崎口から泉岳寺行の快速特急を捕まえて、堀之内に戻る。堀之内からわずか4分で京急本線の終点・浦賀に到着する。これにて、泉岳寺から56.7キロの京急本線も制覇完了。
横須賀・浦賀駅
浦賀駅を出ると目の前は造船ドックがあり、海をまじかにあることを感じる。と、思ったのだが、後で調べたらこの造船所はすでに閉鎖済みで、ドック跡地が横須賀市に寄贈された状態らしい。
今のところ、限られた開放日や予約者が見学できるようになっているらしいが、将来的に開かれた観光地になるものだと思われる。明治にできたレンガ造りのドライドックが残っているらしいので、一度見に行きたいものである。
ちらっとドックの外壁と屋根を見たところで、品川行の普通列車にのって堀之内方面に折り返す。
逗子・逗子葉山駅
浦賀から金沢八景まで戻り、金沢八景で逗子線直通の急行に乗り換える。
急行で11分で、終点逗子・葉山駅に到着。逗子線を制覇し、同時に京急全線を乗り潰しも完了。
長年、新逗子駅という名称であったが、2020年、葉山のブランドにあやかって逗子・葉山駅に改名した。といっても、葉山まではバスで10分ほどの距離がありかなり遠い。
もともと二つあった駅を統合し、その間にホームを設置したという経緯があって、末端駅にもかかわらず、ホームの南北両方に駅舎がある。
京急の次は横浜市営地下鉄の制覇に取り掛かるのだが、横浜市営地下鉄ブルーラインの終点・湘南台までは直線距離にして30キロ、いくつかの路線を乗り継ぐ必要がある。
今回は、逗子から横須賀線で鎌倉、鎌倉から江ノ電で藤沢、藤沢から小田急で湘南台というルートで移動することにする。間に江ノ電を挟むことで、江ノ電も制覇できるという算段である。
いざ、JRの逗子駅に向かうのだが、京急の逗子葉山駅からJRの逗子駅までは徒歩5分ほど。思いっきり逆方向に歩いてしまい、無駄に時間を掛けながらなんとか、JRの逗子駅にたどり着いた。
0 件のコメント:
コメントを投稿