2桁国道の中に、大都市とその近郊都市を結ぶ数十キロの距離しかない短い国道がいくつかある。
具体的には、国道14号(東京-千葉)、国道15号(東京ー横浜)、国道22号(名古屋-岐阜)、国道43号(大阪-神戸)の4本だ。
これらの国道は、通勤や通学、物流を支える大変意義深い国道ではあるのだが、”旅”という観点からすると、かなり微妙。というか、気乗りがしない。
そんな微妙な国道たちを僕は、勝手に”日本四大泡沫国道”と呼んでいる。
美味しいものはあとに残す主義のおいらとしては、こんな泡沫国道をいつまでも残しておくわけにはいかないので、ここらで一気に片付けることを決意した。
四大泡沫国道のうち、22号と43号は既に完走を果たしているので、残りは関東の14号、15号。距離は合わせて80キロ程なので、自転車で走行するには程よい距離。
っつーわけで、8月の真夏の盛り、自転車を担いで、横浜駅へ向かった。
横浜・青木通交差点
横浜駅・きた東口近くでロードバイクを組み立て、すぐ近くの青木通交差点へ向かう。
東京・日本橋から伸びる国道15号線は、この交差点で国道1号線とぶつかって終点する。
今回の旅は、まずは、ここから、15号線と14号線の起点、日本橋に向かう。
近くにあったキロポストは28キロなので、昼過ぎにまで、泡沫国道1本目を、片付けたいところ。
横浜・JR鶴見線国道駅
15号線を走り始めてしばらくすると、JR鶴見線の高架下をくぐる。この場所にある駅が、その名も”国道駅”。
多分、国道と交差するからということで、そんなどうしようもない普通名詞の駅名が命名されたと思われ。
なんかわからんけど、多分、国道を旅するものの聖地に一つであると思うので、とりあえず、お写真をいただきました。
ちなみに、この辺りの地名は、”生麦”という。
幕末に、あるイギリス人が
「”生麦、生米、生卵”って、早口言葉っていうけど、別に噛まないよね」
という、絶対に言ってはいけない一言を発したために、辻斬りにあった生麦事件は、この地で起こった事件なのだそうな。
神奈川・東京 県都境
走行開始から1時間で、あっさり神奈川県を終えて、東京都へ突入。
境目は多摩川。名前はよく聞くので、噂はかねがねなんだけど、かなり大きな川ですな。
ちなみに、国道15号線は関東では、第一京浜と呼ばれているそうな。ちなみに、第2京浜は国道1号線のことなんだって。
15号線が1号線を差し置いて、第一を名乗るのは、おそらく国道15号線のルートが旧東海道に近いからなのかな?
東京・大門交差点
いよいよ都心が近付いてくると、アナログ終了を終えたばかりの東京タワーが目に入った。
震災で曲がった先端の間もすっかり元に戻っていて、スカイツリーができるまでのもうしばらくの間、地デジ電波を関東平野に向けて、発射しているはず。
東京・銀座
銀座通り、あるいは、銀座中央通りと呼ばれる、銀座の目抜き通りも、国道15号線の一部。
路線価日本一として、いつも新聞やニュースに出てくる「鳩居堂」も国道15号線に面している。
はじめて知ったんだけど、鳩居堂(きゅうきょどう)って、文鎮とかお香を売ってる店なのね。なんとなく、勝手にロレックスとかを売っている店かと思っていました。(おそらく、名古屋の民は、XX堂と聞くと、反射的に美宝堂を思い浮かべる悲しい性があると思われ...)
(下)お馴染み、お江戸の日本橋 (上)日本橋の先で、国道17号線とお別れ
(下)続いて、日本最長国道の4号線が離脱 浅草橋交差点で国道6号線が分離
ここが事実上の国道14号線起点
東京・日本橋交差点
銀座中央通りを抜けると、終点日本橋が待っているのだが、その直前、ほんの100メートル手前で、1号、20号合流する。どっちかというと、道なりになるのが国道15号線なのだが、地図や道路標識上は、国道1号線に吸収される感じとなる。
東京・日本橋
4年ぶり、3度目(国道1号線、国道4号線以来)の登場、お江戸の日本橋。ここで、国道15号線の旅は終了。
日本の道路の中心であり、国道界のトップアイドル日本橋だが、もう3回目なので、軽く素通りして、そのまま、直進して国道14号線に突入。
東京・室町三丁目交差点
日本橋からしばらくは、国道4、6、17号との重複区間が続く。
まず、最初に分離するのが、日本海・新潟まで続く国道17号線。日本橋から続く道を直進するのが17号で、残りの3国道は、そろって右折。
東京・本町三丁目交差点
信号2つ先の交差点で、青森まで続く日本最長の国道4号線が、左折して離脱。6号、14号は、道なりに直進。
東京・浅草橋交差点
国道4号線と別れて1キロ余り、浅草橋交差点で、国道6号線と、国道14号線が分離する。直進方向が6号線で、14号線はこの交差点を右折する。
ここが事実上の国道14号線の始まりで、ここからようやく国道14号線の標識やキロポストが道路にお目見えすることとなる。
一方、直進する国道6号線の先には、来年春に完成する東京スカイツリーが見えている。
国道6号線は、仙台まで続く国道であるが、福島第一原発事故の立ち入り禁止区域を通るため、現在、一般車両はこの道を通って仙台に行くことはできない。
東京・千葉 都県境
浅草橋交差点から数キロ進み荒川を超えると、国道14号線は二つに分かれる。真っ直ぐ行くと有料道路の京葉道路で、自転車は走行不可。左に曲がる道が旧道となる。どうでもいいんだけど、旧道には、キロポストがないんだよねぇ。なんか、寂しいなぁ。
旧道を進んで、江戸川を超えたら、千葉県に突入。
なんか、地図を見ていて気がついたんだけど、千葉県って、東京と埼玉の県境が江戸川になっていて、茨木との県境が利根川になっている。しかも、江戸川ってのは、千葉と茨木と埼玉の県境が合わさる場所で利根川から別れた川らしい...。
っつーことはさぁ、千葉県って、江戸川と利根川の中州っていうか、あるいは、離島ってこと?? 千葉って、島かい???
千葉・千葉駅
JRの千葉駅の交差点を超えると、国道14号線は一方通行の細い道になる。
終点方向に向かっての一方通行なので、東京方面からは細いなりに一応通行できるはずなのだが、手前の道路標識を見る限り、一方通行区間には入ってくれるなと言わんばかり。
まぁ、確かに、半分歩行者天国みたいな道で、車で通過するような道ではない。
そのせいか、一方通行区間から先には、国道14号線の標識がなく、キロポストも消えてしまう。この一方通行の入り口が、国道14号の事実上の終点ってことですかね。
千葉・広小路交差点
一方通行区間を抜けて、片側2車線の道路に戻ると、あっという間に国道14号線の終点に到着。一方通行のあたりから、国道14号であって、14号にあらずといった雰囲気なので、終点を示す標識も、何一つない。
本当に、なんの変哲もない交差点で、つまんないので、さっさと退散。千葉駅に戻って、自転車を畳んで、お家に帰りましょうかね。
ちなみに、終点の交差点を直進すると、水戸まで続く国道51号線に突入。これも、そのうち制覇しないといかんね。
なんだか、あっさりしたレポートになってしまったけど、国道15号、14号の旅は、これで終了。
どうも自転車の旅は、なかなかルートを外れた寄り道がしにくいから、記事にするとパッとしないんだよなぁ。
今度、自転車で旅をする時は、寄り道をする余力が残るような日程のコースでプランを組まねばと、反省した次第でございます。
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