このブログの看板企画だったはずの2桁国道制覇の旅。乗り鉄熱に浮かされている間に忘れ去され、なんと1年半以上ご無沙汰している。
これは、いかんと思い、関西圏に残された最後の2桁国道、26号線と24号線をガッツリ制覇してきました。
大阪・梅田新道交差点
大阪の道路元標が鎮座する梅田新道交差点。国道1号、25号線の終点にして、国道2号、24号、26号線の起点である大阪の国道の中心的交差点である。
ということは、このブログに登場するのなんと4回目。現時点での最多登場交差点なので紹介は割愛して、さっそく旅を開始する。
最初に取り掛かる国道26号線は梅田新道交差点から南下して和歌山に向かう国道。なお、起点から4キロほどは、日本一広い一方通行道路・御堂筋である。
さらに、御堂筋を含めた最初の5キロほどは、国道25号線との重複区間のため、国道25号線と分岐する大国交差点からが実質的な国道26号線がスタートになる。
大阪・大国交差点
出発して10分少々で大国交差点に到着。ここからがいよいよ本番。
なのだが、この交差点から数キロ東側に日本一高いビルあべのハルカスが完成したので少し寄り道。(本来は、25号のときに紹介すべきだったが、当時はまだ建設中だったんだよね)
大阪・あべのハルカス
ところが、展望台だけでも見ていこうと思って行ったのだが、ものすごい混雑でハルカスの見学は断念。開業から1年経ったが、まだまだ人気があるようですな。
で、代わりというわけではないのだが、周辺で気になったのがやまちゃんというたこ焼き屋さん。次々に客が現れて、飛ぶようにたこ焼きが売れている。
8個入りで400円という良心的な価格だが、外はカリッと中はトロリという優等生的なたこ焼き。ソースは濃厚なのだが控え目にかかっているせいか、なぜかあっさりとした後味。奇をてらわない王道を極めたような味。焼きたてを是非、一度、食べてみてほしい。
岬・みさき公園
ハルカスから25号線に戻り、和歌山への旅を再開。
いつの間にか政令指定都市になっていた堺市やら、度々お世話になっている関西国際空港を素通りして、和歌山県に接する岬町に到着。
なんかデジャヴ感があると思ったら、26号線って、去年駆けずり回った南海本線のルートとほぼ並走しているのね。
岬町といえば外せないのがみさき公園。みさき公園とは、南海が運営する動物園と遊園地の複合施設。名古屋界隈に住んでいる方なら「南知多ビーチランドみたいなもん」と言えば、イメージが伝わるかもしれない。
入場料は大人1,350円と、まあ、妥当な値段なのだが、この公園の目玉施設イルカショーを見ようとすると別途500円(厳密には園内通貨500 Mipo!)を徴収される。拝観料を払った上でそこかしこで賽銭を徴収される仏教系施設のようなボッタクリ感あり。
で、イルカショーなのだが、いたって普通のよくあるアレ。しいて違いを言うならばやたらと「一緒に踊ろう!」を強調して、イルカがピョンピョン飛んでる間、なんだか巨大な音量で「♪さぁ、右手! 左手! 下から上げて上げて!」という音声がエンドレスで流れ続けること。何かと差別化を目論んでいるらしいが、イルカそっちのけの演出にイルカが気を悪くしないか気が気でならない。
小さな動物園と小さな遊園地と小さな水族園がある公園で、まあ、それなりに1日楽しく過ごせるところだろうけど、わざわざ遠くから来るようなところでは無いかも、というのが感想。
(左下)国道26号線の終点・県庁前交差点を北から望む
(右)和歌山市道路元標 (上)Uターンして県庁前交差点を南から望む
(左下)すぐに国道24号線と26号線が分岐する
(右下)国道24号線最初のおにぎり看板
和歌山・県庁前交差点
国道26号線のゴールは、和歌山城の南西角・県庁前交差点である。だが、その数百メートル手前の西汀丁(にしみぎわちょう)交差点で、国道24号線と合流するので、実質的なゴールはこの交差点と言える。
で、西汀丁交差点を右折したらほんの数秒で、本当のゴール県庁前交差点に至る。ここは、国道42号線の終点でもあるので、以前も紹介したのだが和歌山市の道路元標が立てられている。
和歌山・加納
国道24号線はスタートしてすぐに東向きに進路を変える。ここから50キロほどは、紀の川そしてJR和歌山線に沿って奈良を目指す。
和歌山城を出発して30分。ぼちぼち日が暮れる頃、和歌山市内の道路脇の田んぼにオラフらしき物体を発見。「かかし」なのだろうか?
とりあえず、車をおいて近づきたくなるほどの出来だったのだが、近くでみてもなかなかのクオリティー。あと、オラフ専用の雪雲さえあればパーフェクトだったのだが!
橋本・高野口
橋本市内で、この旅唯一の3桁キリ番ポストの100キロポストを発見。
ここから10キロ弱で和歌山県とお別れし、奈良県に突入する。
奈良県に入ってしばらくして、進路が北向きに変わる。ここからは、概ねほぼまっすぐに京へ上っていくことになる。
この辺り、郊外と山の境界のようの景色が延々と続き、郊外型のテンポが微妙に疎らに続いていく。夜走ってしまったせいもあるのだが、なんとも単調な景色がいつまでも続いていく。
奈良・菰川橋東交差点
奈良県内を北上すること40キロ。途中、道をロストしたり飯を食べたりしながら、21時を回ってようやく和歌山市内に到達。
近鉄の新大宮駅近くの菰川(こもがわ)橋東交差点で、本日の行程を終える。
奈良・奈良国立博物館
翌朝、まずは奈良国立博物館に向かう。普段は月曜日は休みなのだが、本日は東大寺のお水取りとやらが開催されているため、特別に開館しているのだそうな。
お水取りというのは、なんだかよくわわからないのだが、東大寺の坊さんの合宿のようなもんらしい。
いろいろと「ご存知」の体で説明がしてあるのだが、そんなもの全く知らなかったので、なんだか取り残された気分で展示物を観覧。どうやらお水取りには、「青衣女人」と呼ばれる青い服を着た女性の話が有名らしく、そこかしこでその説明をされるので、これだけは抑えといたほうがいいっぽい。
なんでもお水取りの間、東大寺縁の人物の過去帳が読み上げられるのだが、その中に「青衣女人」の文字が記されているらしい。これは、鎌倉時代に過去帳を読み上げていた時、坊さんの目の前に青い服を着た女の幽霊が現れ「名前を呼べ」と要求されたのだっが、幽霊の名前がわからなかった坊さんがとっさに「青衣女人」と読み上げたためなのだそうな。以来ずっとその名が読み続けられているらしいのだが、う~ん、なんかよ~わからん。
奈良国立博物館には、当然、奈良時代の史料が数多く展示してある。その中で目を引いたのが、西暦714年に埋葬されたと思われる骨壷。骨壷と共に死者とその命日が記された墓誌と呼ばれる銀製の名札が発掘されたのだが、その文字は現在の普通に読める漢字で書かれていた。
当たり前といえばそれまでなのだが、今から1300年前の文字が読めるというのはすごいことだと驚かされた。
奈良・センター街
さて、国立博物館見学を終えたら、奈良の街の散策に出かける。
奈良公園で、鹿せんべいをねだる鹿に追い掛け回されたあと、その南西方向にあるセンター街という商店街に向かう。
その入口の中谷堂という店の前で人だかりができていたのだが、何かと思えば、おっさん二人が二本の杵で高速餅つきをしていた。
あっという間によもぎ餅がつき上がると、すぐさまつき立てのお餅が販売される。そりゃ、つき立ての餅がマズイはずはない!
びっくりするほど柔らかいお餅をいただきました。ありがとう!
中谷堂のすぐ近くに麺闘庵というなんとも勇ましい名前のうどん屋さんがあった。
入り口の看板に貼られていた写真には、見たことのない姿のうどん。その名も”巾着うどん”といううどんは、なんと巨大な上げの中にうどんが入っているらしい。いわば、”逆”きつねうどんである。
どうせ見た目の”出落ち”だろうと思っていたのだが、ここのうどん、結構美味しいです。なんだったら、普通にきつねうどんが食べたくなるぐらいいい味でした。
宇治・平等院
さて、のんびりしてもいられないので、終点の京都を目指して、本日も国道24号線を北上する。
京都に付く前に寄り道したのが10円玉の表柄で有名な鳳凰堂のある平等院。
京都でここ数年見学していない名所はどこだろうと考えた挙句、思いついたのが修学旅行以来訪れたことのなかった宇治の平等院だった。
京都の駅から離れていることもあって、メジャーな割になかなか足を伸ばさないお寺だと思うのだが、ここは本当にお勧めの寺院だ。
京都や奈良の寺院は、基本、「しょうがないから貴重な仏像を拝ませてやる」というスタンスで、税金も払わないくせに足元を見た拝観料をぼったくるのだが、平等院のスタンスはちょっと違っていた。
施設全体が、宗教施設というより、博物館になっている。言うならば、”拝観”ではなく、平安時代の貴重な文化施設の”見学”というスタンスになっているである。故に、建物や所蔵品を丁寧に説明しようとしてくれる。
平等院内を見学するときは、ガイドが説明をしてくれるし、敷地内には鳳凰感という文字通りの博物館が建設されている。中ではCGを駆使した説明動画なども上映されており、在りし日の鳳凰堂の姿を知ることもできる。
あと特筆すべきは、ミュージアムショップ(?)に並べられたグッズのセンスが抜群にいい。鳳凰堂内に安置された26体の菩薩像をモチーフにしたデザインのグッズが売られているのだが、普段使っていても違和感のないほど洗練されたデザインになっている。
ちょっと殿様商売が過ぎる他の社寺仏閣には、ぜひ平等院を見習ってもらいたいものだ。
京都・烏丸五条交差点
鳳凰堂を後にしたら、あとは京都市内に向かい、市内中心部を縦断してゴールの烏丸五条交差点に向かうのみ。
烏丸五条交差点は、国道1号線の交差点で、新潟から伸びる国道8号線(ただし、栗東から京都まで30キロ近く重複している)の終点でもあり、下関に向かう国道9号線の起点でもある京都の国道の中心的交差点だ。
ただ、道路元標らしきものはなく、あるのは地下鉄の五条駅の入り口のみ。国道マニアとしては、なんとも寂しい交差点だ。
ただで寂しい交差点なのだが、平等院を出る頃に降り始めた雨が本降りになってきてしまった。
そんなわけで、記念写真を撮ってすぐに退散。
なんともざっくりしてますが、関西東側をぐるりと駆け足で周遊した旅は終了。
これで、関西地域の2桁国道は全て完了。おいらのお膝元東海地域よりも早く完了するという快挙。
西日本は終わりが見えてきたのだけど、東側はまだまだだね。特に北海道は未だ1本も終わっていない有様。
今後は、「国道の旅、東へ!」がテーマですな。
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