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2018/04/03

香港MTR全線1日制覇(#1 新界東部編)

香港MTR全線1日制覇 2018/3/18

 すっかり毎年恒例の全線制覇シリーズだが、ぼちぼちネタ切れになってきている。
 が、しかし、よく考えてみたら、何も鉄道は日本にしかないわけではない。世界とは言わずとも、日本の近郊でも、「がんばれば1日で制覇できる」という適当な大きさの都市鉄道はいくつかある。
 そんなわけで、海外に活路を見出そうと思った次第。
 とはいえ、勝手の違う海外で、見ず知らずの鉄道路線を乗り回すのは少々恐ろしいので、今回は、比較的土地勘、もとい鉄道勘のある香港の地下鉄、「香港MTR」にターゲットを絞り、1日全線制覇を試みることにした。

 香港MTRが運営する路線は、都市鉄道が11路線と、路面電車に近い軽鉄(ライトレール)がある。その距離は合計258.8km。
 しかも、日本の地下鉄以上の頻発運転を早朝から深夜まで行っている。
 東京フリーきっぷ 444.3km 完全制覇のときは、東京のメトロ、都営、JR都区内など合わせて400kmオーバーの路線を一日で乗車しているので、それに比べたら楽勝かとも思えるのだが、一つ大きな問題がある。
 香港の中心を南北に縦断する最重要幹線である東鉄線の北の端の駅は、中国への入境専用の駅で、駅に着いたらそのままイミグレーションに直結している。つまり、強制的に中国へ入境しなくてはならないのである。
 中国に入ってしまった以上は、また戻ってこなくてはならないので、往復で2回出入境検査を受けなくてはならない。この時間が読めない。
 とは言え、どれだけ出入境に時間がかかったとしても、1日で回れない距離ではないと思うので、とりあえず現地に行ってみることにした。

まずは将軍澳線

早朝、始発前の北角駅 おしりに厳しい金属製ベンチシート 宝琳駅前の高層マンション
香港島 東区・北角駅

 例によって始発電車に乗るために、早朝6時に北角駅の到着。
 香港島の中心街から東へ数キロ、下町の雰囲気が残る街が今回のスタート地点。
 北角には港島線と将軍澳線の2線が通っている。11ある香港MTRの路線の内、まず手始めに乗車するのは、北角を起点に海底トンネルを通って九龍に渡り、九龍東側の将軍澳ニュータウンまで伸びる将軍澳線である。
 始発の時間は6時13分。
 香港のMTRは始発と終電の時刻は公表されているものの、その間の時刻表は大体の運行間隔しか公表されていない。(というか、分単位で運行する地下鉄で細かく列車の時刻を公開しているのは、日本と台湾ぐらいではないのか?)
 その代り、始発から終電まで全路線、全力で頻発運行している。基本3分から5分程度の間隔で列車がやってくるので、日常使用する分には、時刻表を意識する必要はない。

 ICカードをタッチしてバーをぐるっと回して通る自動改札を抜けホームへ向かうと、全面ガラスに覆われたホームドアが鎮座している。
 日本でも最近の路線には多いタイプだが、この手のホームだと、列車の写真を撮ってもホームドアしか写らない。いつものようにマメに乗った列車の写真を撮ったのだが、ご覧の通り、どれも同じ写真である...。
 まあ、このブログの様式美ということで、とりあえず乗った全列車の写真を載せてゆく。

香港島 東区・北角駅

 始発ということで、乗客は数人。車内は閑散としている。
 写真の通り、MTRの座席は金属のベンチシートである。全線制覇をやっていると、いつも終盤にケツがやられてくるのだが、これはかなり早い段階で臀部にダメージが蓄積されることが予想される。とはいえ、クッションを抱えて乗車するわけにもいかないので、覚悟を決めて硬いシートに腰を下ろす。
 最初に乗車する将軍澳線は、末端部分で宝琳駅と康城駅の二股に別れている。康城の方は車両基地の横に作られた駅で、東京で言うと、丸ノ内線の端っこの方南町駅のような駅である。
 宝琳駅行きと康城駅行きはだいたい交互に走っているのだが、康城駅行きは北角の一駅先の調景嶺駅から出ているので、まずは宝琳駅に向かうことになる。

将軍澳駅で康城駅を待つ 朝から電車は頻発運行
気温は19度ということで、日本より5度以上暖かい
新界 西貢区・宝琳駅

 海底トンネルを抜け、九龍の地下を走っていた電車が地上に出たところで、宝琳駅に到着。とりあえず改札から出てみる。
 世界屈指の人口密度を誇る過密都市香港だけに、どこへ行ってもビルがでかい。街の中心部からそこそこ離れた場所である宝琳駅でも、最上部が霞むぐらいの高層マンションが立ち並んでいる。
 さて、外の空気を吸ったところで、二股の分岐駅である将軍澳駅に戻ることにする。

新界 西貢区・将軍澳駅

 一駅手前の将軍澳駅に戻ってきた。しばらく待って、将軍澳線のもう片方の終点、康城駅に向かう列車を捕まえる。
 康城駅まではわずか数分、こちらも地上駅のようだ。これにて、香港MTR1本目の将軍澳線が終了。

続いて観塘線

新界 西貢区・調景嶺駅

 康城駅から2駅戻った調景嶺駅が、次に乗る観塘線の始発駅。観塘線は九龍半島の都心部の外縁をくるりと回るように走行していて、MTR各線への乗り換えにも便利な路線なため、MTRの中でもかなり乗客数の多い路線である。
 香港MTRでは、乗り換え可能な路線がなるべく同一ホームで乗り換えられるように設置されていて、将軍澳線と観塘線もこの駅と手前の油塘駅で、双方向で同一ホームができるようになっている。
 で、観塘線に乗り換えてみたものの、駅の雰囲気も車内の雰囲気も全く変わらない。
 唯一の違いと言えば、しばらくしたら地下から高架に路盤が移ったこと。どうやら本日は曇り空のようである。
 時刻は7時を回り、乗客が増え、座席が埋まるようになってきた。

 かたい金属シートがMTR最大の敵だと思っていたのだが、どうやらもう一つ、静かな外敵がいることに気が付いた。
 車内がむちゃくちゃ寒いのである。まだ、冬の寒さが残る日本から、春の陽気の香港にやってきたので、意気揚々とTシャツで出かけたのだが、明らかに間違い。外はTシャツで問題ないが、地下鉄の中は木枯らしが吹いている...。
 そういえば、昔は日本でも電車の中ってやたら寒かったよね...。

九龍 九龍城区・黄埔駅

 40分ほどで終点・黄埔駅に到着。2本目も終了。
 続いては...、と言いたいところだが、ここでとんでもないミスに気がついた。
 パスポートを携帯していないのだ。冒頭で書いた通り、この後中国との国境を超えて深圳に向かう予定になっているが、パスポートがなければ、当然イミグレーションを突破できない。パスポートを取りに帰る以外に選択肢はない。
 そんなわけで、一旦、北角に戻り、パスポートを取ってくる羽目になった。この往復でロスした時間は、ちょうど1時間。
 当初、この旅の予定を立てたときは、時間的な余裕は1時間余りだと思っていた。つまり、朝っぱらから予備時間を使い切ってしまってしまったことになる...。
 しかし、なんでパスポートを置いてきてしまったのか、我ながら解せない。全くもって情けない...。
 ただ、怪我の功名というには小さすぎるが、ホテルに置いてきたマイクロダウンを着てきたので、この後は車内の寒さはしのげそう。

気を取り直して馬鞍山線


新界 沙田区・大囲駅

 黄埔駅はビクトリア・ハーバーも近いので、ちらっと散歩しようかとも思っていたがそんな時間はなくなり、慌てて観塘線の九龍塘まで戻り、そこで東鉄線に乗り換える。その1駅先の大囲駅が次の馬鞍山線の始発駅である。
 馬鞍山線もまた、新界東部のニュータウンと都心を繋ぐ路線となっている。2004年開通ということで、比較的新しい路線らしい。
 全線に渡って、高架上に線路が敷かれていて、右手にはずっと山が見えている。多分、馬鞍山なのかな?

新界 沙田区・烏渓沙駅

 わずか10キロの路線なので、20分程で終点・烏渓沙駅に到着。終点の駅前には当然のごとく高層ビルが立ち並んでいる。香港って、よほど土地がないんだろうね。
 3本目が終了したということで、さっさと大囲駅に戻る。

いよいよ深圳へ

烏渓沙駅の駅前も当然高層マンション 機場快線旅遊票(Airport Express Travel Pass)
新界 沙田区・大囲駅

 大囲駅で再び東鉄線に乗り換え、新界を北上する。いよいよ次は、国境を超えて中国・深圳へ突入となる。
 東鉄線の北の終点部分は羅湖駅と落馬洲駅の二股に別れているのだが、どちらの駅も中国国境に直結していて、ホームを出たらコンコース代わりにイミグレーションが待ち構えている。
 次に大囲駅にやってきた列車は羅湖駅だったので、羅湖駅から出国し、落馬洲駅から香港に戻ってくることにする。

 ところで、今回の旅では、空港用の路線である機場快線とMTRが3日間乗り放題がセットになった機場快線旅遊票(Airport Express Travel Pass)というきっぷを使用している。
 (各種説明には"Any 3 consecutive days of unlimited travel - 3日間乗り放題"と書かれているが、厳密には「最初に改札を通してから72時間以降、その日の終電まで有効」なので、実質4日間乗り放題のきっぷである。ちょっと割高のきっぷだが、チャージした全額とデポジットが無条件で返還されるので、旅行客にはかなり便利。おすすめ)
 このきっぷ、基本的にはMTRの鉄道全線、軽鉄(ライトレール)、バスが乗り放題なのだが、例外が2ヶ所ある。
 一つが空港へ向かう機場快線(エアポートエクスプレス)。そして、もう一つが、今から向かう中国国境手前の1駅区間である。よって、このきっぷだけで羅湖駅で改札を突破しようとすると、エラーとなり弾かれることになる(らしい)。
 で、どうすればいいかというと、この機場快線旅遊票は、香港の交通用ICカードである八達通(オクトパス。中身は日本と同じfelicaなのだが、日本のSuicaよりも早く導入されている)としても使用できるので、事前に料金をチャージしておけばよい。そうしておけば、羅湖駅を出るときに必要な料金が引き落とされる。
 そうでなくても、香港のお店はかなりの割合でオクトパスに対応しているので、チャージしておけば、小銭いらずでなにかと便利です。

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