富山県立山から北アルプスを貫いて、長野県大町に抜ける観光ルート”立山黒部アルペンルート”。
ケーブルカーやトローリーバス、ロープウェイを乗り継いで黒部峡谷の景観を楽しめる人気の観光ルートだが、このルートの内黒部ダムより長野側のルートは、元々は黒部ダム建設時の資材運搬ルートとして整備されたルートである。(”黒部の太陽”で描かれたトンネル)
実は、このルートには、一般には公開されていない続きのトンネルがあり、黒部ダムの水を使用する水力発電所・黒部第4発電所までトンネルが繋がっている。
さらに、黒部第4発電所から、黒部峡谷鉄道の終点欅平駅まで地下に資材運搬用のトロッコ電車が運行されており、黒部峡谷鉄道を経由して、宇奈月温泉まで繋がっている。
このルートは、関西電力黒部ルートと呼ばれ、現在でもダムや発電所の保守のため関西電力関係者のみが利用できるルートとして活用されている。
普通は通ることのできない関西電力黒部ルートだが、毎年、数十回見学会が開催されていて、抽選で参加することができる。
以前から、ぜひこの見学会に参加したいと思っていたのだが、日程が平日のみでなおかつ抽選に当たらないと参加できないということでなかなか機会がなかった。
が、先日、キャンセル発生による繰り上げ当選という運がいいんだか、悪いんだかよくわからない通知が突然きたので、平日に1日会社を休んで、強行日程で見学会に参加してきました!
今回は、その様子の前編ですわ。
長野・大町駅
黒部ルート見学会は朝10時45分に黒部ダムに集合。
ということで、まずは立山黒部アルペンルートの長野側の玄関・信濃大町駅から路線バスで扇沢に向かう。
平日の朝ということもあり、バスの人数は10人少々。まぁ、平日の朝からこれだけの数が黒部ダムに行くと思うと、すごいといえばすごいよね。
長野・扇沢駅
およそ1時間で、扇沢駅に到着。
いや、ものすごい快晴で、周りの山々の美しいこと。
扇沢から先は、一般乗用車はもちろん、バスも立ち入り禁止の国立公園となっている。
では、どうやって黒部ダムに向かうかというとトロリーバス。トロリーバスというのは、電線から電気を受け取って走る電気自動車のこと。
昔は、街中でも走っていたらしいのだが、今では日本ではここ立山黒部アルペンルートでしか走っていない乗り物。国立公園の自然を守るための排ガスを出さないための措置なのだそうだ。
このトロリーバスは、見た目はバスだけど、法律上は鉄道扱いということもあって、乗り場は”駅”と呼らしい。よって、扇沢バス停ではなくて、扇沢駅なのだそうな。
トロリーバスは扇沢駅から黒部ダム駅までずーっとトンネルの中を通っていく。
このトンネルは黒部ダムを建設するときに資材を運ぶために掘ったトンネルで、なんだかえらい苦労して掘ったらしく、その様子は「黒部の太陽」として、映画にもなった。(ま、映画もドラマも見てないから、詳しいことはようわからんのだ)
富山・黒部ダム
扇沢から15分で、黒部ダム駅に到着。
駅からダムは、すぐそこなのだが、ダムに直行せず、220段もある地中階段を登ると、ダムを見下ろす展望台にいくことができる。
それならばと220段の階段に挑戦したのだが、その高さはビル13階分に相当っつーことで、まぁ、ハンパないってばありゃしない。
でも、息を切らせながらがんばって登りきると、そこは、確かに、黒部ダムを見下ろす絶景ポジション。
アーチを描く巨大なコンクリートダムから音を立てて放流される水に綺麗に虹が掛かかっている。
が、まぁ、登った分は降りないといけないので、ここからダムに戻るまでの、下り階段も結構しんどいんですわ...。
富山・黒部ダム駅
一通りダム見学を終えたら、いよいよ関電黒部ルートの見学へ。
集合場所では、まずヘルメットを渡され、見学者全員白いヘルメット姿に変身。
黒部ダム駅のいかにも”従業員専用”という雰囲気の目立たない扉からトンネルに向かう。
細い通路をしばらく歩くと、車が通れるトンネルに出る。大きさは1車線分で、小さめのトンネルといった感じなのだが、天井部分が普通の自動車用トンネルとは違って、コンクリートで綺麗に塗り固められておらず、削ったままという感じでデコボコしている。確かに、工事用の非公開トンネルといった感じが伝わってくる。
トンネルには(若干興ざめだが)ごく普通の観光バスが止まっていた。ダムから地下発電所までは、このバスに乗って関電トンネル行くらしい。
で、見学者全員がバスに乗り込むのだが、白いヘルメットを被った集団がバスの座席に座っている様はかなり異様、というかはっきり行って、後姿がかなり無様。
富山・タル沢
トンネルの途中、横坑の見物のためバスを降りた。
で、この横坑、タル沢というところに繋がっているらしいのだが、外はまさに秘境といった景色。
遠くに見える山は、その姿を目にすることも難しいといわれるほど立山連峰の奥地にある剣岳らしい。(いや、でも、どれが剣岳かわからんかった...)
このタル沢には、登山道以外の道はなく、本来、景色を見るためには、険しい山道を登ってこなくてはいけないのだそうな。
そんなところへバスで行けるとは、この見学会なかなかお得かも。
黒部第四発電所・インクライン上部
バスがトンネルの終点にたどり着くと、今度はインクラインに乗り換える。
インクラインというのは、工事用の巨大なケーブルカーのことで、黒部ダムからほぼ水平に進んだトンネルの終点から456m下の地下発電所へ資材を下ろすために作られたものだそうな。 ダムの水で発電所のタービンを回すためには、それ相当の落差が必要で、このインクラインの落差がほぼそれに等しいということになる。(ただし、水はもっと急角度で流れているらしい) インクラインの所要時間は20分。34度という急角度でひたすら下り続ける。
インクラインを降りると、そこは、黒部第4発電所の入口の目の前。いよいよ、地下巨大発電所に足を踏み入れる。
これ凄いよ、ヒロさん!
返信削除こんなの当選するなんて(正確に言うと当選じゃないのか?)凄い、羨ましいです。
いいなぁ~。
今年2回アルペンルート行きました。
見たことある景色もあって嬉しい感じです。
後編も楽しみにしてます。
今回の旅は萌えました。
返信削除地下施設ってのは、溜まりませんなぁ!
後編では、タービンとかの写真をUPします!