名鉄、東武と私鉄全長距離3位、2位それぞれの全線を1日で乗り潰すことに成功したので、残りは1位の近鉄のみ。
大阪から名古屋まで2府3県にまたがる路線網の全長は、なんと508キロ。
そんな距離を1日で乗れるのかというと、なんとも微妙。
名鉄と東武は、
- 始発から終電までに、それぞれの鉄道会社の路線図を全て塗りつぶす
- 名鉄、東武以外の鉄道も乗車可
ネックになるのが、つい最近乗りに行った2本のケーブルカー。どちらも40分周期なので、一度山に登ったら、40分間降りてくることができない。これだけで乗車時間を含めると1時間近いロスとなる。
となると、選択肢は「ケーブルカーを諦める」か「自動車を使ってショートカット」の2択となる。どちらもダイヤ上は一日制覇は可能。「ケーブルカーなんか鉄道じゃねぇ!」と思えれば前者なのだが、おいらから見るとレールの上を車輪で走るケーブルカーはどう見ても鉄道。じゃあ、後者で決まりかというと、後者にはもう一つ問題がある。
近鉄の路線図を見ると、伊勢中川付近で路線が三角形になっている。これは、名古屋・大阪間を走る名阪特急が伊勢中川駅を通らずにショートカットして短絡線を走るからである。「自動車によるショートカット」案では時間的にこの三角形の路線を全て乗り潰すことはできない。
つまり、「ケーブルカーを捨てる」か、「伊勢中川の三角形を捨てる」かの二択となったのだが、「ケーブルカーを捨てる」という選択肢は「ナシ」ということで、今回は以下のルールで全線制覇を敢行することにした。
- 始発から終電までに、近鉄の路線図を全て塗りつぶす
- 近鉄以外の鉄道、さらに乗用車も乗車可
- 伊勢中川付近は、短絡線を乗車することで、非短絡線も乗ったこととみなす
近鉄全線一日制覇 ルート
志摩・賢島駅
夜明け前、雨の降りしきる賢島駅に到着。志摩半島の先にある賢島駅は、沖縄本島を除くと日本で唯一離島にある駅である。離島とはいえ、電車でいけるぐらいなので当然本州のすぐ近くの島で、電車や自動車で訪れる分には、いつ海をわたったのかわからないほどの島である。
賢島は近鉄イチオシの観光地なのだが、リゾートということで素泊まりで安く済ませられるビジネスホテルが周辺になく、名古屋から友人に車で送ってもらってやってきた。
始発前、まだ駅員がやってきていない時間に到着したのだが、駅は施錠されておらず、自由に構内に入ることができた。驚いたことに、改札すらも施錠されておらず、ホームも開け放たれていた。21世紀も平和な日本であって本当によかったと思う瞬間ですな。
やがって5時を回った所で駅員が現れ、駅構内に明かりがともされる。しばらくして、駅員さんが改札に現れたので、きっぷを見せて改札を通過した。
今回利用するきっぷは、近鉄週末フリーパスという、土日を含む3日間、近鉄全線が乗り放題になるというきっぷ。1枚4,000円なのだが、今日一日だけで、というか、昼過ぎには十分元が取れてしまう予定。
志摩・賢島駅
いよいよ、賢島の始発列車・普通伊勢中川駅に乗り込む。
これから45本(JR1本を含む)の電車を乗り継ぎ、近鉄全線1日制覇を目指す。ゴールは、奈良県吉野駅。到着時刻は日付が変わって、翌0時16分の予定。
(山田線 28.3km) 幻の”鮮魚”電車を目撃 3. 伊勢中川 6:44発 急行 近鉄名古屋行 → 伊勢若松 7:12着
(名古屋線 30.5km) 4. 伊勢若松 7:14発 普通 平田町行 → 平田町 7:25着
(鈴鹿線 8.2km)
5. 平田町 7:30発 普通 伊勢若松行 → 伊勢若松 7:40着
(鈴鹿線 8.2km) 6. 伊勢若松 7:42発 急行 近鉄名古屋行 → 近鉄四日市 7:55着
(名古屋線 11.4km)
伊勢・宇治山田駅
1本目の電車は、本日1日の中で2番めに乗車時間の長い電車。さっそくウトウトしかけたのだが、宇治山田で快速急行に乗り換えないと行けないので寝過ごすわけにはいかない。宇治山田で、まずは志摩線と鳥羽線が終了。
宇治山田駅で降り、快速急行に乗り込もうとしたおいらのすぐ横を、鮮魚列車が通過していった。
鮮魚列車とは、志摩の海鮮行商専用に運行されている団体列車で、日曜日を除く毎日、宇治山田駅から大阪上本町まで1往復が運行されているのだそうだ。列車は専用の車両で、行き先表示幕には”鮮魚”と書かれている。定期列車とはいえ、なかなか目撃することが難しいレア車両に遭遇し、テンションが上った所で、山田線制覇に向けて出発。
松阪・伊勢中川駅
大阪方面、名古屋方面、志摩方面の分岐駅伊勢中川駅に2分ほど遅れて到着。本来は、一つ離れたホームに止まっている名古屋行きの急行に乗り換えるため、間に止まっている普通電車の車内を通過し、10秒程度で乗り換えることができるはずなのだが、電車が2分遅れたおかげで、到着した瞬間に普通電車は出発進行。結果、猛ダッシュでホームの下階の連絡通路を移動するはめになった。無駄に体力を使ってしまったが、なんとか山田線を終了。次は名古屋線に入って、伊勢湾にそって北上を始める。
鈴鹿・平田町駅
伊勢中川から30分ほど急行に揺られ伊勢若松駅に到着。ここから、鈴鹿市街地に向かう鈴鹿線に乗り換える。鈴鹿線は8キロほどの路線なので、10分ほどで終点平田町に到着。鈴鹿線終了。
一応、鈴鹿サーキットの最寄り駅ではあるのだが、公式サイトによればここからさらにタクシーで15分ほど離れた場所にあるため、サーキットといった雰囲気は全くない。(一応、レースをやっている時はここらあたりまでかろうじてエンジン音が聞こえてくる)
4両編成の車両だが、行きはそこそこ座席が埋まる程度の乗客がいた。なんとなく、学生とか仕事といった雰囲気の方が多く、みなさま土曜日だというのにご苦労さまです。
(湯の山線 15.4km)
8. 湯の山温泉 8:28発 普通 近鉄四日市行 → 近鉄四日市 8:54着
(湯の山線 15.4km) 湯の山温泉、晴天なり
四日市・近鉄四日市駅
伊勢若松駅に戻り、同じホームの反対側に停車した名古屋行きの急行に乗り換え、近鉄四日市駅に到着。続いて四日市を起点する、湯の山線、内部・八王子線にとりかかる。
まずは、湯の山線。湯の山線は鈴鹿線よりやや長い15キロで、時間も山を登るせいなのか30分近くかかる。
賢島に着いた時は大雨だったのだが出発時には雨もやみ、いつの間にか快晴。私鉄全線制覇は、ホント天候に恵まれてます。
ここで、賢島で別れた友人たちとなぜか再会、温泉に行くのだそうな。(いいなぁ~~)
湯の山線終了。
(内部線・八王子線 3.1km) 内部線・八王子線は、線路だけでなく、電車もナロー 10. 西日野 9:23発 普通 近鉄四日市行 → 日永 9:26着
(八王子線 1.3km) 11. 日永 9:28発 普通 内部行 → 内部 9:39着
(内部線 3.9km) 12. 内部 9:43発 普通 近鉄四日市行 → 近鉄四日市 9:59着
(内部線 5.7km)
四日市・近鉄四日市駅
湯の山線を往復して、1時間ぶりの四日市駅。続いては、近鉄唯一、日本でも数少ないナローゲージ(線路の幅がJRより30センチ、新幹線・他の近鉄路線より70センチぐらい狭い)の内部線と八王子線。
線路が狭いだけに車両もかなり小ぶりで、3両編成の各車両はカラフルに色分けがされている。ともすれば、遊園地の乗り物か何かにも見える。
残念ながら、現在、廃線が取り沙汰されていて、近々バス専用路線に転換される可能性があるらしい。となると、おいらが乗車するのは、これが最後かもしれない。
四日市から伸びているのは内部線で、途中の日永駅で八王子線と分岐する。そんなわけで、四日市→西日野(八王子線終点)→日永(内部線、八王子線分岐)→内部(内部線終点)→四日市と1時間かけて4本の電車を乗り継ぐこととなる。
予定通り電車を乗り換えて、内部線、八王子線、無事終了。
四日市・近鉄四日市駅
1時間ぶりの近鉄四日市駅。本日3度目。
ここからは、特急に乗って名古屋線の残りを一気に塗りつぶす。
それにしても終点まで乗れるってのは乗り過ごしの心配もないし、さらに、指定席で座席も快適。近鉄特急バンザイ!
四日市・近鉄名古屋駅
20分でおいらのホームグラウンド近鉄名古屋駅に到着。名古屋線が終了したことで、近鉄の東海地区も終了。いよいよ、近鉄の本拠地関西に乗り込んでいく。
勝手知ったる名古屋駅なので、タイトな乗り換えも余裕! なのだが、なぜか本日最大級の18分の余裕の乗り換え。
物珍しいものは何もないので、ただ漫然と次の特急の乗車を待つ。
始発からここまで5時間の距離は、200キロちょいなのだが、次の近鉄自慢の大阪難波行きの名阪特急・アーバンライナーはほぼ同じ距離を2時間で一気に走破する。多くの名古屋人は、新幹線よりも安くあがり、大阪ミナミに直結するアーバンライナーを結構愛用している。
ここらで休憩を入れないと夜まで持たないのではないかと思い、次の特急はデラックスシートを予約してある。2時間の熟睡タイムっつーことで、おやすみなさいませ...zzz。
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