
名古屋を中心に400キロを超す路線網を有する我らが名鉄こと名古屋鉄道。
ある日、名鉄電車に乗りながら路線図を眺めていてふと思ったことが、「名鉄って1日あれば、全線乗ることができるのだろうか?」という疑問。
早速、調べてみると、どうも微妙に時間が足りない。
だが、あれこれと乗る順番を入れ替えて試行錯誤すること1週間。どうやら、始発から終電までギリギリ一杯で、もれなく全路線に乗ることができそうだということが発覚。
そうと判れば、すぐにでもとうことで、ゴールデンウイークの土曜日に挑戦して見ることにした。
ちなみに全線制覇とは、
- 始発から終電の間に名鉄の路線図に書かれている路線を全て通過する
- 名鉄以外の鉄道、バスの利用もOK
まずは、ルートの確認。
名鉄全線一日制覇 ルート紹介動画
常滑・中部国際空港
早朝5時、空はぼちぼち明るくなってくる時間だが、空港に人の気配は殆ど無い。中部国際空港は、一応、24時間空港ということになっているが、深夜早朝の発着はなく、最初の飛行機が飛び立つのは、まだ数時間先。
名鉄を1日で全線制覇するためには、始発から電車に乗らねばならず、また、スタートできる駅も限られている(というか、オイラの調べる限りは、中部国際空港駅以外の選択肢は、存在しない)。
そんなわけで、飛行機乗るわけでもないのに、空港前のホテルに前泊し、朝4時に起きて、スタートの地中部国際空港駅前に到着。おいらの自宅から空港まで電車で40分弱。朝一の飛行機でも、最終便でもホテルに宿泊する必要はないので、ここに泊まることはないと思っていたのだが、名鉄に乗るためにまさかの宿泊。
人生、何が起こるかわからんね(!?)
(空港線・常滑線 21.2km)
(河和線 22.3km)
(知多新線 13.9km)
常滑・中部国際空港駅
しばらくして、改札が開くと僕の他にも、前の日遅くに到着した乗客らしき何人かが始発電車に乗り込んでいった。
最初の電車は、朝5時24分に中部国際空港を出発する、準急・名鉄岐阜行。こいつを皮切りに43本(JRと地下鉄3本を含む)の列車を乗り継いで、名鉄全線を制覇し、ゴールの尾張瀬戸駅を目指す。
終点尾張瀬戸に着くのは、約19時間後の日付が変わった午前0時23分。もちろん、最終列車。
知多・太田川駅
出発してすぐ、2駅間しかない空港線を制覇、さらに20分少々で、最初の乗換駅太田川駅に到着。太田川というと、行き先案内板が行灯形式になっていたイメージが有るのだが、今は、昔の話。いつのまにか、ホームが2層の立派な駅に生まれ変わってる。
ここから、折り返して河和方面に向かい、河和線と知多新線を制覇する。
ちなみに、今回名鉄全線制覇を目指すに当たり、一日乗車券を利用したのだが、ゴールデンウイーク期間中は特別に通常より500円安い「GW1DAYフリーきっぷ」(2,500円)を発売していたので、それを利用した。今日一日で名鉄だけで650キロほど乗車する予定なので、キロあたり4円弱。格安という意味ではこれ以上にないほど格安だが、有意義といえるかどうかは...。
美浜・河和駅
富貴で知多新線に乗り換え、終点内海に向かい、そこから折り返して富貴に戻る。さらに、河和行きに乗り換えて河和に到着。
これで、太田川より南の知多半島エリア終了。
河和駅は、タコやフグで有名な篠島、日間賀島に渡る高速船の乗換駅。当然、海のすぐ近くで、この付近では車窓から三河湾が綺麗に見えていた。幸先の良い、いい天気ですな。
(河和線 28.8km)
(常滑線 8.5km)
(築港線 1.5km)
9. 東名古屋港 8:22発 普通 大江行 → 大江 8:25着
(築港線 1.5km)
(右)今や昭和の遺物、スタフ閉塞式
(常滑線・名古屋本線 6.0km)
名古屋・大江駅
河和から特急で折り返して太田川に戻り、さらに普通に乗り継いで名古屋市内に入り、大江に到着。
ここで、たった一駅区間の盲腸線・築港線に乗り換える。
この築港線が、名鉄全線1日制覇プランを組む時のネックになって、何度も頭を悩ませた。何しろこの築港線、名鉄全線の中でも極端に本数が少なく、休日は、朝5本、夕方3本の8本しか運転しない。(土曜日は12本、平日は20本、いずれも朝、夕のみ。ゴールデンウイーク期間中は休日ダイヤで運行)
つまり、数少ない築港線が動く時間に、ここ大江駅にいなくてはならず、プランが完成するまでは、何度「築港線さえなければ、全線制覇することができるのに」と思ったことか...。
そんな築港線だが、今時珍しいスタフ閉塞式で電車を走らせている路線でもある。
通常の鉄道では、急には止まれない列車の衝突を防ぐために、電気的に、列車を制御する仕組みが備えられている。しかし、この築港線には、そのような設備はなく、信号もない。では、どうやって、列車の誤進入を防ぐのかといえば、築港線に侵入する列車にスタフとよばれる通行書を渡し、スタフを持っているときのみ侵入を許すことで、衝突防いでいる。
現在では、このような原始的な閉塞形式はほぼ絶滅しているのだが、築港線では、未だにスタフを片手に電車に乗り込む運転手の姿を見ることができる。
一駅間わずか1.5キロしかない築港線なので、片道3分。大福でも10分かからずに終了。苦労はさせられたが、なぜか憎めない築港線に別れを告げて、名古屋の市街地へ向かう。
(名古屋本線 9.1km)
(津島線・尾西線 20.0km)

ちなみに、この看板の裏が名鉄の駅名看板。
(尾西線 8.2km)
名古屋・金山駅
自宅の最寄り駅の金山駅に到着。前の駅の神宮前で、常滑線が終了。
続いて、名古屋本線の急行に乗り換えて、西尾張地区の制覇を目指す。
弥富・弥富駅
須ヶ口で弥富行きに乗り換え。津島駅を通過した時点で、津島線終了。
終点弥富駅は、JR関西線との共同使用駅。愛知県と三重県の県境の木曽川に近くにある自称”地上で日本一低い駅”で、海抜はマイナス0.93メートルとのこと。ただ、近くにある近鉄弥富駅が坂を下った場所にあり、近鉄弥富駅の方が低そうに見えるんだよなぁ。
そんな弥富駅で10分ほど休憩して、乗ってきた電車で折り返し津島に向かう。
(尾西線 17.1km)
(尾西線 5.6km)
16. 玉ノ井 11:01発 普通 名鉄一宮行 → 名鉄一宮 11:09着
(尾西線 5.6km)
一宮・名鉄一宮駅
津島駅で乗り継ぎ、尾西線を北上。一宮駅でさらに乗り換える。一宮を境に尾西線の南北は必ず一宮駅で乗り換える必要がある。北側の玉ノ井行きと南側の津島行きはどちらも1番ホームに停車し、北寄りに玉ノ井行き、南寄りに津島行きが止まっている。
同じホームに行き先の違う列車が2本止まっているとは思わなかったので、玉ノ井行きの電車を、なかなか見つけられなかった。が、まあ、無事に乗り換え完了。
どうでもいいけど、名鉄って、”尾西線(びさいせん)”と”西尾線(にしおせん)”があって、なかなかややこしい。
一宮・玉ノ井駅
玉ノ井に到着して、尾西線終了。何もない玉ノ井駅で10分ほど時間を潰し、乗ってきた電車で一宮に戻る。
一宮・名鉄一宮駅
一宮に戻ってきて、1分で名古屋本線の岐阜行き特急に乗り換え。同一ホームの乗り換えなので、特に問題なく乗り換え成功。
10分ほどで、名古屋本線の終点名鉄岐阜駅に到着。ここで、90度向きの違うホームに到着する各務原線に乗り換える。この時点で西尾張地区がほぼ終了したので、次は、岐阜と犬山周辺のエリアの制覇を開始する。
0 件のコメント:
コメントを投稿