2020-10-29

太平洋フェリーと仙台観光

太平洋フェリーと 仙台観光 2020/10/23-25

 このブログで、日本各地のフェリーの乗船記を度々紹介してきたのだが、なぜか地元名古屋を発着している唯一のフェリー・太平洋フェリーに乗船したことがなかった。
 北海道まで丸二日かかるのため、会社勤めの休みの制約から「だったら飛行機で」とフェリーをチョイスしてこなかった。
 しかし、GO TO トラベルキャンペーンがやってきた。太平洋フェリーは、乗船するだけで1泊旅行扱いになり、料金が35%引きになるだけでなく、15%引きの地域共通クーポンまでもらえてしまう。
 であれば、丸二日は無理でも、1泊で仙台までなら土日で旅行可能! と、牛タンを食べにフェリーで仙台まで行ってきた。

太平洋フェリー乗船

(上)太平洋フェリー いしかり
(左下)名古屋港旅客ターミナル
(右下)乗船までの長いブリッジ エントランスロビーの吹き抜け
名古屋・名古屋港旅客ターミナル

 レゴランドやリニア鉄道館などがある名古屋港の金城ふ頭の北隣、空見埠頭の一角に名古屋港のフェリーターミナルがある。周りにはガス会社の所有する広大な空き地しかないため、知る人ぞ知るという場所にひっそりとたたずんでいる。
 当然、公共交通機関としてはバスがあるのみ。名古屋駅からの直行バスで40分ほどの道のりである。
 このご時世ということで、入り口で検温があり、なんか「おら元気だ」という誓約書を書かされ、ようやく乗船券の発見。今年ほど世知辛いと思うことの多い年は人生でなかったね...。

 長いブリッジを抜けて船内に入ると、純白に輝く吹き抜けのロビーが表れた。大きさといい、ゴージャスさといい他の国内フェリーとは一線を画している。
 船内には大きなレストランやシアターも完備している。本来はシアターでショーがあるらしいのだが、現在はコロナ対策で中止となっているらしい。だが、しかし、そんなに密にならないという判断なのか、同じ会場で映画の上映は行っている。(あえて密にならない作品をチョイスしたのか、作品はアリータ バトルエンジェル。日本の漫画表現に近づけるため、わざわざ主人公の目をCGで大きく加工するというちょっと遠くに行ってしまった演出が魅力の作品。俺は、好きだよ)
 乗船すると、さっそくレストランはオープンしており、というか、出航後1時間で閉店なので、とりあえず夕食を食べることにする。
 夕食はビュッフェで、肉に魚に野菜にさまざまな料理が用意されている。料金は2000円で、内容的にもお値打ち。食べないという選択肢は無い。

伊勢湾

 さて、晩ご飯を食べるとこの後、特にやることはない。
 デッキに出て海を見ることもできるのだが、前方は見ることができず側面だけなので、なんとなくすぐに飽きてしまう。大浴場も快適なのだが、そうそう長居もできない...。
 と思っていた矢先見つけたのが、ゲームセンターの前にあったマッサージチェア。1回300円なのだが、肩や背中だけではなく、手足まで念入りにマッサージを行ってくれてかなり気持ちええ。コースがいろいろあって、おすすめが「無重力コース」らしいのだが、それをチョイスすると、なんと椅子がリクライニングしだして、気持ちよい角度に傾いてくれる。
 でもさ、これ、むしろ重力を感じないか?? いや、気持ちいいんだけどさ、無重力って....。
 むかし、Gravityという映画があって、なぜか邦題が「ゼロ・グラビティ」だったことがあるのだが、あれかね、日本語の重力と無重力っていつの間にか意味が入れ替わったのか???
 まあ、そんなつまらないことがどうでもよくなるぐらい心地いいマッサージチェアで、翌日もつかっちゃったね。

福島第一原子力発電所沖

 そして、翌日。
 仙台到着は翌日の16時過ぎで結構遅め。ランチを食べるぐらいしかやることはない。
 そういえば、昨晩寝ているとき、一度だけ、まあまあの揺れで目が覚めた。これは船酔いの危険があると、ゲロ袋を片手に耐えていたのだが、後で確認したら千葉を過ぎたぐらいの時刻だった。小学校の地理で暖流と寒流がぶつかるよい漁場となっていたのがあの辺ではなかっただろうか?
 魚さんも難儀なところに住んでいらっしゃるものである。
 13時頃、福島第一原発跡の前を通過し、さらに14時半頃、仙台を出港した反対方面の太平洋フェリー「きそ」とすれ違う。
 そして、ようやく16時に仙台に到着。


「いしかり」と「きそ」のすれ違い

仙台と言えば牛タン

仙台に到着 利久の牛たん定食
仙台・利久 名掛丁店

 GO TO トラベルには地域共通クーポンが付いてくる。クーポンは旅行中のみ有効なので、太平洋フェリーでもらったクーポンは下船したその日に使ってしまわなくてはならない。つまり、下船した時点で何と締め切りまで8時間を切っているのである。
 仙台と言えば牛タンで、僕のお気に入りは利久さん。最近名古屋にも店ができたのだが、それでもやはり利久が一番ということで牛タンをいただき、地域共通クーポンを使い切った。
 ご馳走様。

一応、仙台地下鉄全線制覇

(上)仙台地下鉄路線図
(下)日本一高い地下鉄駅・八木山動物公園 東西線、南北線の終点4駅
仙台・仙台駅

 翌朝、仙台には地下鉄があるので、一応、全線制覇はやっておかねばならない。
 といっても、仙台地下鉄の線路は東西線と南北線の2本のみ。十字に交わる線形なので、どうあがいてもそれぞれ2往復するしか方法がない。
 2路線が交わる仙台からスタートし、八木山動物公園、新井、泉中央、富沢とめぐって2時間ほどで終了。
 乗って分かった仙台地下鉄一番の見どころは、東西線の八木山動物公園の直前の区間。途中、地下から地上に出ると、そこはすでに渓谷の景色になっている。地下鉄に乗っていたはずなのに山岳鉄道になっていると言えば、京都の東西線も同じだが、山の険しさが段違い。東西線は鉄輪式リニアなので、坂道にめっぽう強い。ぐんぐん渓谷を登り、トンネルに入ったところがゴールの八木山動物公園駅である。
 八木山動物公園駅は、日本で一番高い地下鉄駅を自称しているのだが、まあ、地下鉄駅というよりは山岳鉄道のトンネル駅ですな。

せんだいメディアテーク


せんだいメディアテークのエレベーターのサイバーパンク感
せんだいメディアテーク
仙台・せんだいメディアテーク

 仙台に行ったらぜひ、一度見たかったのがせんだいメディアテーク。
 建築家・伊東豊雄氏の代表的建造物で、図書館などの仙台市の公共施設が入っている建物である。
 その構造がとてもユニークで、細い棒状のシャフトを複雑に組み合わせた床板を支えている。側面は全面ガラス張りになっていて、建物を構造的に支える壁が存在していない。構造計算の進化が生んだ唯一無二の先進的なビルであり、東日本大震災を乗り切ったことからもその設計思想の正しさが証明されている。
 昨夜も見に行ったのだが、夜にビルをみてみると、巨大なツリーハウスのような宙に浮いた空間にも見えてとても美しかった。
 世界に類を見ない独創的なこの建物は、国宝として保護してもよいのではないかと思うし、この建物を作った伊東豊雄氏をもっと重用すべきだと思う。ザハ氏設計の国立競技場の建設を断念した後、かれがそのレガシーを引き継いだ素晴らしい設計案を提示したのだが、なぜか選ばれなかった。本当に、この国は文化面では「古い」、「伝統」以外の価値観を持たないことに失望する。

瑞鳳殿

(左)瑞鳳殿と(右)4代目以降の墓
仙台・瑞鳳殿

 名古屋に帰る新幹線の時間までまだ少々あるので、伊達政宗の霊屋である瑞鳳殿を見学しに行った。
 極彩色の荘厳な建物に郷土の英雄が眠っている。
 近くには、伊達家二代目、三代目の立派な霊屋があるのだが、四代目以降はたんなる墓石に格下げされていた。
 世襲で殿になったという負い目なのか、謙虚さなのか、はたまた現実的な財政事情なのかは定かではないかが、庶民の出としてはざまぁみろという感情を抱かなくもない。

 日本最長距離を誇る太平洋フェリーの名古屋・北海道航路。途中仙台までだったが、その魅力を味わうことができた。
 きれいな船内、豪華なビュッフェ。他のフェリーでは味わえないちょっと贅沢な船旅ができる航路だった。
 ところで、名古屋では、太平洋フェリーのテレビCMが流れるのだが、そこで流れる「♪太平洋フェリ~~~」という曲、下船の時にフルバージョンのインストを船内でエンドレスに聞くことができます。万が一、あの曲の全容が知りたくてしょうがない方がいたら、その方も是非、太平洋フェリーの船旅へ。

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