長年にわたって日本中の現存天守を巡ってきたが、残すところ彦根城のみ。ここらで彦根城に向かい現存十二天守制覇のフィナーレを迎えたい。
ついでに、関西私鉄の未踏破路線も乗っておく。関西の私鉄のほとんどは、10年以上前、スルッとKANSAI 3day 1192.5km 完全制覇の時に乗りつぶしたのだが、その後開通した、北大阪急行の箕面萱野まで延伸区間、万博の足として延伸した大阪メトロ中央線の延伸区間が未踏破なので、この2路線に乗車する。
彦根城
彦根駅 駅前から彦根城が見えている
(上) 堀を渡って彦根城へ(下) 階段を登って頭上に架かる橋を渡り、本丸へ
橋を渡った先にある天秤櫓 中に入ることもできる
天守閣の前にもう一つ門があり、櫓が続いている この中にも入れる
彦根・彦根駅
名古屋から新幹線で米原へ、在来線で一駅で彦根駅である。
橋上駅の彦根駅から出ると真正面に彦根城が見えている。距離にして1キロほど、歩いていける距離である。
彦根・彦根城
彦根城は現存十二天守にして、国宝五城の一つである。一時はひこにゃんのおまけポジションまで落ちぶれたが、とても貴重な史跡である。
琵琶湖にほど近い小高い山の山頂に天守を置いた平山城で、小さな山の周りをぐるりと堀が囲っている。堀を渡り、城に入っていく。
本丸へと階段を上っていくが、見上げると橋が架かっているがこの橋が本丸への通路となっている。さらに階段を上り、先ほど見上げた橋を渡ると天秤櫓という櫓がありその中をくり抜いた門をくぐって、本丸に到達する。
この天秤櫓も重要文化財に指定されており、中を見学することもできる。
天秤櫓からまだ階段が続き、次に現れる太鼓門をくぐり、少し歩くとようやく天守が見えてくる。なお、この太鼓門とそれに繋がる続櫓も重要文化財であるにもかかわらず、中を見学できるようになっている。いろいろなところを見せてくれる彦根城さん、太っ腹である。
天守閣
彦根・彦根城本丸
ようやく目の前に現れた天守は三重三階建てのお城。前回訪れた犬山城よりはかなり大きく、中に入ると外観よりもさらに広く見えた。
いくら広い城でも、他の城と同じように階段は急。上からバランスを崩した人が降ってくるのではないかと心配になるような梯子に近い階段を上り、最上層に向かった。
最上層から見えるのは広い琵琶湖、湖というよりほぼ海である。京都、大阪方面に睨みを利かすには、彦根城は確かに絶好の場所に建てられている。
一通り、四方の景色を眺めた後は、急な階段を下りて地上に生還するという最後の使命が残されている。
足を踏み外したら怪我するなと思うと、脳内にスペランカーのBGMが響き始めた。いやスペランカーって「弱い」と言われるが、まあ、人の背より高いところから落ちたら、まあ死ぬわな...。
彦根・彦根城西の丸
天守閣の見学を終え、山を下りようかと思ったら、本丸の向こうに西の丸があることに気が付いた。言われてみれば、確かに、城からもう一つ櫓らしきものが見える場所があった。
本丸から少し階段を降りると西の丸があり、その縁に三重櫓という櫓が建てられている。これもまた重文で、ご丁寧に中の見学も可能になっている。
三重櫓はその名の通り三階建ての櫓で、最上階からは天守閣よりもより近い位置で琵琶湖を見渡すことができる。実際、琵琶湖の監視に使われていた櫓らしく、琵琶湖の眺めの美しさなら天守閣よりも三重櫓と思った。
それにしても、彦根城さん重文の櫓を太っ腹に常時開放してくれているのはとてもありがたい。入場料のコスパ最高の城と認定したい。
玄宮園
彦根・彦根城博物館
本丸から降りて、二の丸に戻る。二の丸の表御殿のあった跡に彦根城博物館が建てられている。
彦根城や城主井伊家にまつわる品々が展示されている博物館だが、見どころは江戸時代から現存する能舞台である。明治に入り岩手に移築されていた能舞台をもとの場所に再移築したものらしい。
能舞台自体は何度か目にしたことがあるが、いずれも近年に建てられたものばかりで、いまひとつピンとこなかったのだが、数百年の長きに渡って残された建造物は物が違う。能のことは何もわからないが、かつてこの舞台の能を歴史的価値ではなく、純粋なエンタテイメントとして楽しんだ人の姿を思い浮かべることができた気がする。
彦根・玄宮園
彦根城の堀の外側には大名庭園である玄宮園も残されている。
大きな池を中心とする回遊式の庭園で、歩きながら様々な景色を楽しむことができるのだが、この庭園のすばらしさは何といっても彦根城の天守そのもの。
玄宮園の庭園越しに見上げる彦根城は実に美しい。
彦根城を堪能したところで、本日のもう一つのタスク、関西私鉄の乗り残しを潰しに大阪に向かうとする。
北大阪急行
豊中・千里中央駅
彦根から琵琶湖線こと東海道線の新快速で新大阪に向かい、新大阪で大阪メトロ御堂筋線に乗り換え、そのまま北大阪急行に直通。長く終点であった千里中央駅に降り立つ。
私は幼少のころ1年だけ豊中に住んでいたことがあり、駅の横にあった大型商業施設セルシーのプールに訪れたことがある。正直、その外観などは全く覚えていないのだが楽しかった記憶だけは残されている。何年か前そのセルシーが閉鎖されたというニュースは聞いていたのだが、どうやら建物は未だ解体中のようである。
北大阪急行は半世紀以上、千里中央を終点としていたのだが、2024年北側に1.4キロ延伸し、二つの駅が新設された。
千里中央駅に来たのは12年ぶりだと思うのだが、なんだか改装されて明るくなっているような気がする。台湾の地下鉄の駅の作りが千里中央駅に似ていて、行くたびに「千里中央駅がたくさんある」と思っていたのだが、本家はちょっとモダンになっていた。
箕面・箕面萱野駅
千里中央駅から次の箕面船場阪大前駅までは地下駅で、そこから勾配を上って高架線となる。正面の箕面の山が近づいてきたと思ったら終点の箕面萱野駅に到着した。
この線路の東側2キロに大阪モノレール彩都線が並んでいて、高架上から同じような景色が見えるのだが、大阪モノレールはもっと山のすそ野まで突っ込んで終点となるので、「もうちょい、線路伸ばせるんちゃうか?」という気分になる。
駅前には映画館やショッピングセンターがあり、もう街が出来上がっているのかと驚いたが、どうやら駅よりもも古く20年ほど前からあるものらしい。
これで、約12年ぶり二度目の北大阪急行制覇となった。
大阪メトロ中央線
大阪・コスモスクエア駅
箕面萱野駅から電車に乗り30分、本町で中央線に乗り換えてコスモスクエアにやってきた。車内の表示によれば、中国語では「宇宙広場」と訳されていて、カタカナよりも「なんじゃそりゃ」感が強まる。
この駅は長く大阪メトロ中央線(古くはOTSテクノポート線)の終点にして、ニュートラムの乗り換え駅だったのだが、昨年開催された関西万博を機に海を越えて一駅延伸された。
大阪・夢洲駅
コスモスクエアから夢洲までは一駅間ながら3キロ以上あり、北大阪急行の延伸区間の倍以上の長さがある。といってもしょせん3キロなので、約5分で終点・夢洲駅に到着する。
関西万博は2度行ったのだが、いずれもバスで来場したため夢洲駅を使うことはなかった。地下鉄の駅とは思えない巨大なコンコース階、さらに万博会場に続く大階段があるのだが、万博が閉幕した今となってはもぬけの殻で閑散としている。人類がいなくなり、テクノロジーだけが残された地球といった趣である。
電車の本数自体も1時間に4本と中央線の他の区間の半分の本数に絞り込まれている。
地上に上がってみると万博会場は解体の真っ最中。シンボルであった大屋根リングも解体されていた。乗客は5人ほどいたのだが、いずれも万博の夢の跡を見に来た人らしく、解体現場を覗いたあと、また駅に帰っていった。
当然私も特に用はないので、帰るとする。これで大阪メトロも12年ぶりの制覇である。ちなみに、大阪メトロは再来年中央線の森ノ宮から伸びる支線が開通することが予定されていて、私が「制覇」と言えるのも2年ほどに限られるらしい。
本日の目的は達成したが、名古屋に帰る前に一つ見ておきたい場所がある。3年ほど前にできた大阪駅の梅北地下ホームである。
中央線で弁天町まで戻り、大阪環状線で大阪へ向かう。
うめきた公園
大阪・大阪駅
大阪駅の高架ホームの西側にあらたな階段ができていた。この階段を下りたらおおさか東線や特急はるか、くろしおの発着する地下ホームへ繋がるのかと思ったが、階段は地上レベルに繋がっていて、改札口となっていた。そこからさらに階段を降り、一度上って、また降りるとようやく地下ホームのコンコースにつながる。もはや隣の駅レベルの距離である。
最新の駅ということで、大きなデジタルサイネージや縦横無尽に扉が開くスクリーンタイプのホームドアなど、鉄道最先端といった駅となっている。
既存のホームから離れた場所にあるものの今まで大阪駅に止まらなかった関空、和歌山方面行の特急が止まるようになり、梅田北側のオフィス街にもつながっているのですでにかなりの利用客で賑わっている。
今後は、さらにこのホームからなにわ筋線が繋がり、JRと南海の難波駅に直通するようになる。さらには十三を経由して新大阪へ向かう阪急の新線の計画もあり、今後高架上の従来の大阪駅と並ぶ存在になる可能性を秘めた地下ホームである。
大阪・梅北公園
大阪駅の地下ホームはかつて地上にあった梅田貨物駅の連絡線を地下化したものである。では、地上の貨物駅はどうなったかというと、今やオフィスビルが立ち並ぶ梅田の新たな街となっている。その街の中心は、うめきた公園という公園が建設されている。最後に、地下改札から地上に上がって、公園を見学することにする。
地下ホームから地上に上がると、うめきたグリーンプレイスという低層の商業施設があり、その向こう側が公園になっている。オフィスビルの谷間のかなり広大な空間が公園となっていて、芝生広場が広がっている。芝生の上では、たくさんの人たちがシートを広げて、思い思いの方法で休日を楽しんでいる。
大阪駅に隣接した一等地を商業施設ではなく公園としたのは大英断であったが、この姿を見ると、一目でそれが正解だったと思えた。都心に広々とした公園がある都市というのはちょっと羨ましい。
さて、今回の旅はこれにて終了。せっかくなので、地下ホームからおおさか東線に乗って、新大阪に行って新幹線で名古屋に帰ることにする。
今回の旅で、全国の現存十二天守をめぐる旅は完結。
全国私鉄制覇は、九州を除いて全て完結となった。残す九州だが、かなり前から3日間で全て制覇する計画を立てていた。
しかしながら、近年九州は自然災害が相次いで発生しており、2016年に南阿蘇鉄道、2020年にくま川鉄道が被災し、長期休業を余儀なくされた。この二つの鉄道の復旧をずっと待っていたのだが、ようやく今年の9月、くま川鉄道が復旧することが決定した。
ということで、いよいよ今年の秋、九州全私鉄制覇を敢行し、このブログの最大の目標、私鉄全制覇を達成させるつもりである。















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