関西私鉄共通ストアードフェア・カード”スルッとKANSAI”の3日間乗り放題きっぷを使って、エリアの鉄道全線(ただし、ケーブルカーを覗く)を制覇する旅の初日。
日が暮れて間もなく、兵庫県西宮市の今津駅に到着。阪急・今津線から阪神本線に乗り換えて、再び神戸へ。
西宮・今津駅
今津駅で阪急から阪神へ乗り換え。これで阪急は大阪以西をほぼ乗りつぶしたことになる。続きは、明日の早朝、梅田から京都に向かって進撃する予定。
ところで、この今津駅では18時31分発の急行に乗って神戸三宮に向かう予定だったのだが、電車が遅れている模様。しかしながら、遅れていたことが幸いして、21分発の快速急行に乗ることができた。結果として10分ぐらい早く三宮に到着することになった。
遅れていた原因だが、昼間に甲子園球場で阪神戦のデーゲームがあって、その乗客を運んだからだとアナウンスがあった。あとで調べてみたら、この日は5対17というとんでもない点差で広島に阪神が破れていた。
おそらく、甲子園では反政府運動デモのような暴動があったことだろう。本来なら、阪神電車が絨毯爆撃にあっても文句が言えない状況。電車が動いているだけでもありがたいと思わねばなるまい。
神戸・神戸三宮駅
実に12時間ぶりに阪神の神戸三宮駅に戻ってきた。閑散としていた早朝とは違い、今はホームに人が溢れている。
今回はスルッとKANSAIを利用した旅なので、出来る限り私鉄だけで移動したいのだが、時間の都合でやむなくJRを利用してショートカットするところが4ヶ所ある。その最初の一つが三ノ宮から住吉のJR東海道本線。
さっき阪急から乗り換えた魚津から神戸三宮の間には、神戸新交通の六甲ライナーが交差していて、この六甲ライナーもスルッとKANSAIの対象路線。で、面倒なことにその視点が阪神の駅ではなく、JRの住吉駅となっている。故に、JRで住吉に移動することになる。
(神戸新交通 六甲アイランド線 4.5km) 40. マリンパーク 19:15発 住吉行 → 魚崎 19:23着
(神戸新交通 六甲アイランド線 3.3km)
神戸・住吉駅
住吉駅で六甲ライナーに乗り換え。六甲ライナーは、ポートライナーと同じく、タイヤで走る無人の交通システム。これまた、ポートライナーと同じく、人工島・六甲アイランドへの足となっている。六甲アイランドができたのはポートアイランドにアイランドに遅れること7年の1988年。
7年の時を経て作られた街の景色はどんなものだろうと見比べたかったのだが、辺りはもう既に闇。高架を走る眺めの良い鉄道のはずだが、周りは何も見えなかった。
そんな闇夜に浮かぶ終点のマリンパークに到着。乗客はわずかに数人。19社局中7社局目の神戸新交通を乗りつぶしに成功。
折り返しの電車の乗客もまた数人で、静かにマリンパークを後にする。
(阪神 本線 9.7km) 42. 甲子園 19:43発 急行 梅田行 → 武庫川 19:45着
(阪神 本線 2.1km) 43. 武庫川 20:01発 武庫川団地前行 → 武庫川団地前 20:06着
(阪神 武庫川線 1.7km)
44. 武庫川団地前 20:09発 武庫川行 → 武庫川 20:14着
(阪神 武庫川線 1.7km) 45. 武庫川 20:21発 急行 梅田行 → 野田 20:31着
(阪神 本線 9.7km)
神戸・魚住駅
魚住駅から阪神本線の制覇を再開。梅田の手前野田駅までを踏破する。
魚住から特急に乗り、おそらくさきほど民衆の暴動があったであろう甲子園駅で普通に乗り換えて、武庫川駅に到着。武庫川から武庫川線という支線が伸びているので、ちょっと寄り道しなくてはならない。
西宮・武庫川駅
武庫川線はわずか1.7キロの路線だが起終点を合わせて4駅も駅がある。つまり平均の駅間は僅か600メートル。とはいえ、乗車時間わずか5分、あっという間に終点・武庫川団地前駅に到着する。
ちなみに、武庫川団地前駅は、西宮の産んだスーパースター、号泣県議こと野々村竜太郎氏の自宅の最寄駅なのだそうな。野々村議員はここ武庫川団地前駅から毎日のように城之崎温泉に通い、政治の勉強をされていたそうな。まあ、なんにしろあんな面白い芸人を世に送り出してくれた西宮の有権者の方々にはなんとお礼を言ったらよいか分からない。ありがとう!
で、3分後、やはり乗ってきた電車で折り返して武庫川駅へ戻る。
武庫川線と本線の間は中間改札があり、なおかつ結構な距離がある。本線のホームはその名の通り武庫川の川の上、つまり橋の上にある。線路の隙間から真っ暗な水面が見え、夜にホームで電車を待っていると結構恐ろしい。
待ちわびた明るい電車がやってきたので、そそくさと乗り込んで大阪を目指す。
(大阪市営 千日前線 12.6km) 47. 南巽 21:07発 野田阪神行 → 今里 21:15着
(大阪市営 千日前線 3.9km) 48. 今里 21:20発 井高野行 → 井高野 21:43着
(大阪市営 今里筋線 11.9km) 49. 井高野 21:50発 今里行 → 太子橋今市 21:57着
(大阪市営 今里筋線 3.7km) 50. 太子橋今市 21:59発 大日行 → 大日 22:04着
(大阪市営 谷町線 3.0km) 51. 大日 22:12発 八尾南行 → 八尾南 23:03着
(大阪市営 谷町線 28.1km)
大阪・野田駅
阪神のターミナル・梅田駅の二駅前の野田駅で下車する。
野田から大阪地下鉄・千日前線に乗り換えて、大阪地下鉄の制覇に取り掛かる。全部で9路線ある地下鉄路線のうち、本日乗り潰すのは、千日前線、今里筋線、谷町線の3つ。始発から終電まで比較的コンスタントに電車があり、優等列車がない地下鉄は、なるべく朝早くか夜遅くに乗っておきたいので、この時間に持ってきた。
なお、阪神の残りの野田-梅田間は本日の終電で、阪神なんば線と合わせて制覇する予定。
大阪・南巽駅
まずは、野田阪神駅から南巽駅に繋がる千日前線。僕がこの旅行の計画を立てた夏前は余裕の乗り換えプランだったのだが、この秋にダイヤ改正があり、列車の運行速度が遅くなったため、やや窮屈なスケジュールになってしまった。なんでも、ホームドア設置に伴い、駅での停車時間を延ばしたためだとか。まあ、安全のためなら仕方がない。
南巽で折り返して、今里駅に戻り、5分で乗り換えて、今里筋線へ。
地下鉄は駅の構造が立体的で乗り換えの際、単に隣のホームに移動すれば良いというわけでないので、知らない土地ではなかなか難易度の高い作業となる。電車から降りると、乗り換えの案内の看板を見つけ、それに沿って階段の昇り降りをする。
今里筋線は乗車時間20分の短い路線なので、すぐに終点・井高野に到着する。そこで、また折り返して、今度は太子橋今市で谷町線に乗り換え。7分間での乗換えの予定だったのだが、1本早い電車に乗れて少し早く、二駅先の終点・大日に到着した。
この電車でいよいよ50本目(JRを含めたら51本目)の大台に到達。1日50本以上の電車に乗るのは、当然、おいら史上初。
守口・大日駅
8分休憩して、折り返しの電車で反対側の終点・八尾南を目指す。
谷町線は大阪市営地下鉄の中で最長の路線で、片道で50分を要する。基本的に10分そこそこのペースで電車を乗り換えていくスケジュールが続くので、降りそこなう心配のない「終点までの乗車」というのは心理的にかなり楽。まして、長時間の乗車なら言うことはない。
(大阪市営 谷町線 10.5km) 53. 天王寺 23:35発 江坂行 → なんば 23:41着
(大阪市営 御堂筋線 3.4km) 54. 大阪難波 23:52発 尼崎行 → 尼崎 0:11着
(阪神 なんば線 10.1km)
八尾・八尾南駅
一眠りして終点・八尾南駅に到着。これで本日の大阪地下鉄制覇計画は完了。
が、まだ終電までは時間がある。この数時間を利用して、阪神の残りのなんば線(大阪難波ー尼崎)と本線の野田-梅田間を乗り潰す。スルッとKANSAIエリアを3日で乗り潰すには、そのくらいの目一杯のスケジュールじゃないと無理なんだよね。
ということで、八尾南で折り返して大阪難波を目指す。
大阪・天王寺駅
が、ここで緊急事態が発生。この旅最大のピンチに陥る。
事前の計画では、23時26分に谷町線で天王寺に到着し、23時30分発の御堂筋線に乗り換えて難波を目指すつもりだった。
が、地元の方はご存知だろうが、天王寺の谷町線と御堂筋線のホームは遠い。天文学的に遠い。
のんびり歩いて御堂筋線のホームに向かっていたら、なんか階段から人がわんさと上がってくるのが目に入った。明らかに電車が到着した直後の様子。
「おいおい、難波方面の電車じゃねーよな?? ダイヤが乱れているのか???」
と、慌ててホームに下りると、なんのことはなく、定刻通りにおいらが乗る予定の電車が発車した直後だった。要は、完全な計画ミス。
乗り換えの距離が離れている駅は事前に調べていたのだが、どうも駅構内図を見誤って(だって、この大阪市交通局の構内図だと近そうに見えないかい??)いて、すぐに乗り換えられると勘違いしていた。
しかも地下鉄というのは優等列車がないので、「来た電車に乗ればいい」と、あまりスケジュール表も見ないで乗り換えていたので、移動している間電車の出発時間が近づいていることすら気がつかなかった。(まあ、「ぼーっとしていた」ということやね。早歩きで歩いていれば、おそらくギリギリ間に合ったはず)
基本的には今回乗車スケジュールが目一杯で、リカバリープランが全く用意できなかった。よって、1本でも乗り遅れるとその後の計画が全く立たない状態に陥ってしまう。
今後、どうしたらよいのか呆然としつつ、立ち止まっていても仕方がないので、とりあえず次の電車でなんば駅に移動する。
大阪・なんば駅
予定より5分送れてなんば駅に到着。この時点で、本来乗る予定だった尼崎行きの阪神電車は出発してしまっている。
次の電車に乗ると11分遅れで尼崎駅に到着し、そこで終電により足止めとなってしまう。明日の朝は、阪急の梅田駅から京都線の始発(朝、5時ちょうど発)に乗車する予定なので、このままだとスケジュールが破綻してしまう。
時刻表を確認してみると尼崎駅の1駅梅田側の大物駅でなんば線から阪神本線に乗り換えると、なんとか今日中に梅田に行くことができる。ただし乗り換え時間は1分間で、一か八かのダッシュ勝負となり、結構厳しい。
はて、どうしたものかと悩んでいると、状況を連絡した友人から一報が...
「翌朝の尼崎発の阪神の始発電車に乗ると、4時51分に梅田に到着することができる」とのこと。
9分あれば、阪神から阪急の乗り換えも可能なので、当初のスケジュールに復帰することができる!
「それだ!」ってことで、大物駅の乗り換えをせず、阪神なんば線の終点尼崎まで行くことにする。
これで阪神なんば線の乗車が完了し、阪神の残りは本線の野田-梅田間のみとなる。
尼崎・尼崎駅
そんなわけで、尼崎駅に着いたのが翌9月14日の0時11分だったのだが、そのわずか4時間後に尼崎駅に戻ってきた。
当然、まだ暗いし、駅も開いていない。駅近くの松屋で朝食を食べ、駅の開門と同時に改札を潜る。
昨日の終電を逃した人たちなのか何人かの乗客が始発電車に乗り込んでくる。
大阪・梅田駅
静かな尼崎駅を定刻通り発車した電車は、15分で阪神の梅田駅に到着する。これで、8社局目の阪神が全線終了。
阪神の梅田駅から阪急の梅田駅まで早歩きで移動すると、4時55分に阪急の梅田駅の改札に到着。
無事、京都線の始発に間に合った。いざ、阪急、京都本線乗りつぶしへ!!
野々村先生の名前の漢字は竜では?
返信削除あら、本当だ!訂正いたしました。
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