2024-07-10

休日パス 東日本10私鉄制覇の旅 (#4 完結編)

 JR東日本と周辺の私鉄が載り放題となるの週末パスを使って、東日本の10の私鉄を乗り継ぐ旅。
 下田から始まり北上しながら8つの私鉄を乗り潰してきた。残りは東北地方の二つの私鉄、山形鉄道と阿武隈急行である。
 六日町から上越新幹線、山形新幹線を乗り継いで、山形鉄道の起点、赤湯駅に向かう。

東北へ

六日町駅から新幹線を乗り継いで赤湯へ向かう #23 六日町 12:36発 長岡行 → 浦佐 12:48着
(JR東日本 上越線 12.1km) やたら広大な宇佐駅新幹線改札構内 #24 浦佐 13:01発 とき320号 東京行 → 大宮 14:03着
(JR東日本 上越新幹線 198.6km) #25 大宮 14:25発 つばさ141号 新庄行 → 赤湯 16:26着
(JR東日本 山形新幹線 298.6km)
南魚沼・六日町駅

 松本電鉄から続いた信越地域の私鉄群の乗り潰しを終え、あとは東北の山形鉄道と阿武隈急行の2鉄道を残すのみ。
 まずは山形鉄道に乗車するのだが、新潟と山形は隣の県であり鉄道路線も繋がっているのだが在来線を乗り継ぐとまあまあの時間がかかる。だいぶ遠回りだが、上越新幹線と山形新幹線で大宮を回った方が移動時間はかなり短い。改めて、この国はすべてが東京を中心にできているんだな思い知る次第。
 ほくほく線を六日町で降りずに、終点の越後湯沢まで乗り続けて上越新幹線に乗り換えてもよかったのだが、犀潟を通過してしまったので、反対側の六日町ぐらいはホームを踏みしめようと下車したので、上越線の下り方面の列車を捕まえ、二駅先の浦佐で新幹線に乗り換えることにする。

南魚沼・浦佐駅

 六日町から10分少々で浦佐駅に到着。この辺りは駅間が長く、ザ・国鉄本線といった感じがする。
 在来線から上越新幹線のコンコースに向かうのだが、浦佐駅、むちゃくちゃデカい。多分、最近できた新幹線駅の倍以上の床面積がありそう。上越新幹線が開通する頃はすでに赤字を垂れ流している状態であったはずだが、そこは国鉄、駅設備はムダに金がかかっている。
 浦佐からはとき号で大宮に向かい、大宮でつばさ号に乗り換える。

山形鉄道

(上) 年季の入った山形鉄道の赤湯駅駅舎 (下) JR側の赤湯駅駅舎 #26 赤湯 17:05発 荒砥行 → 荒砥 18:03着
(山形鉄道フラワー長井線 30.5km) #27 荒砥 18:28発 赤湯行 → 赤湯 19:31着
(山形鉄道フラワー長井線 30.5km) (左) 荒砥駅で線路は終わる
(右上) 荒砥駅 (右下) フラワー長井線のシンボル最上川橋梁
南陽・赤湯駅

 浦佐から3時間、新幹線の快適なリクライニングシートに揺られて、山形新幹線の赤湯駅に到着した。
 新幹線と言っても福島から先の区間は奥羽本線と共用なので、わりとよくある旧国鉄の駅である。新幹線の乗り換え改札もなく、改札は出口に一つだけ。窓口の駅員が一人で乗車券を回収している。
 ここ赤湯から乗車する路線は山形鉄道のフラワー長井線。
 最近建てられたと思われるJR側の駅舎と反対側に、なにやら年季の入った無人の駅舎がぽつんと建てられており、どうやらそれが山形鉄道の駅舎らしい。年代物の跨線橋を通って、山形鉄道のホームで列車の到着を待つ。

 列車が到着し、折り返し荒砥行となる。東北のローカル線ということで、1両編成に俺一人ぐらいのイメージでいたのだが、意外と10名以上の乗客が乗車してきた。(しかも、最後まで通しで乗った学生の乗客も数名いた)。いや、思い込みはよくないですな。
 そして車両は2両編成の気動車で、なんと山形鉄道オリジナルの車両YR-880形らしい。
 全長30キロの路線の途中にある今泉駅は米坂線と接続していて、奥羽本線との短絡線の役割もあり、赤湯と今泉間はそれなりの乗車率のようである。
 赤湯からしばらくは田んぼの中にぽつぽつと住宅のある車窓である。そんな景色の向こうに暗い雨雲が見えたかと思うと、急に雨が降り始めた。今泉駅辺りでは、車であれば最高速でワイパーを動かすレベルの激しい雨になってきた。

白鷹・荒砥駅

 いわゆる線状降水帯というやつだったのか、激しい雨はすぐに通り過ぎ、再び雲間から青空がのぞき始めた。
 終点の赤湯に到着する直前に最上川を渡る鉄橋があるのだが、この鉄橋は明治20年に東海道線の木曽川に架設された橋梁を大正12年に移設したものらしい。我が濃尾平野からわざわざやってきた鉄橋を通るとはなんとも感慨深い。

 赤湯から1時間、終点の荒砥駅に到着したときは、すっかり雨は上がっていた。
 荒砥駅の先に少し伸びている線路を見てみると、米沢盆地を北上した線路が山にぶつかって延伸をあきらめたといった感じで線路が終わっていて、なかなかの終着駅感である。ホームの横にはおそらく自治体が作った立派な駅舎があるのだが、無人で普段使われているのかどうかよくわからない漢字だった。
 駅前にも何もないのだが、ホームから米沢方面を見ると、盆地の向こうに夕暮れ時の美しい空が見えた。
 これにて、山形鉄道も制覇完了。乗ってきた列車で赤湯に戻ることにする。
 今回の旅も残すは阿武隈急行のみ。赤湯からは再び山形新幹線に乗り、阿武隈急行の起点・福島に向かう。

阿武隈急行

JRのホームの橋の裏側に阿武隈急行と福島交通のホームがある #28 赤湯 19:56発 つばさ158号 東京行 → 福島 20:47着
(JR東日本 山形新幹線 56.1km) #29 福島 21:28発 槻木行 → 槻木 22:49着
(阿武隈急行 阿武隈急行線 54.9km) 槻木到着時は乗客はほぼいなかった 槻木駅にて2日間の旅終了 33,221円分乗車した週末パス
福島・福島駅

 福島に到着したときにはすっかり夜。新幹線とは反対側、在来線ホームのさらに向こう、駅ビルの片隅の隠れた位置に阿武隈急行のホームがある。ホームと改札は福島交通と共用で、頭端式のホームの改札から向かって左側が阿武隈急行の乗り場となっている。なお、右側から発車する福島交通はフルムーン夫婦グリーンパス 9新幹線制覇の旅のときに乗車している。
 停車していた車両は、2両編成の真新しい電車。JR東日本仙台地区の主力車両E721系とほぼ同型のAB900系という車両らしい。AB900は多分「阿武急」のごろ合わせと思われる。好きだよ、そういうの。
 阿武隈急行は福島から仙台の少し手前の槻木を結ぶ50キロあまりの路線。起点も終点も東北本線の駅となっていて、歴史的には東北本線の東側を走るバイパス線の位置づけで建設されたようである。ただ、線形としてはバイパスであるものの全線単線で、実際にはバイパス的な存在とはなっておらず、福島の地域の足として活用されているようである。
 福島駅から途中の駅までは2両編成の座席が埋まるほどの乗客がいるのだが、終点に近づくにつれ乗客は減っていく。線形にこだわって線路を敷いたものの人里から離れてしまい、集客できないというのは、北越急行とよく似ている。

柴田・槻木駅

 福島を出て1時間あまり、終点・槻木に近づいてきた。福島と宮城の県境あたりからは乗客は数名となり、窓の向こうも暗闇しか見えなくなっていたが、よやく少しばかり街の明かりらしきものが見えるようになってきた。
 槻木駅手前で東北本線の複線の間に入り込み、間に挟まれるようにして槻木駅に到着する。いくつかの列車は仙台まで直通するようだが、大半の列車はここで折り返して、福島に戻っていくようだ。

 そんなわけで、2日間に渡って10の私鉄を乗り潰す旅も無事終了。乗った列車は29本、総乗車時間24時間45分。まあまあの時間電車に乗っていた割にはケツのダメージはあまりなかった。やっぱ、新幹線とか特急乗ってると疲れませんなぁ。
 なお、週末パスの料金は8880円なのだが、今回の乗った経路の正規の乗車券料金は合計33,221円也。むっちゃ、元を取りました。

 ところで、当ブログではJR以外の全鉄道の制覇を目指しているが、これでかなりの制覇が進んだ。残りは、北陸地区、東京西部と神奈川、秋田、九州全域といくつかの新設路線である。
 制覇状況→全国私鉄・公営鉄道全線制覇マップ
 なんとか、あと2年ぐらいで片づけたいですな。(でも、秋田遠いなぁ...)

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