2024-07-08

休日パス 東日本10私鉄制覇の旅 (#2 信越前編)

 JR東日本の乗り放題きっぷ「週末パス」を使って東日本の10の私鉄・第三セクター鉄道を乗り潰す旅。
 下田から始まり、伊豆急、富士急を制覇して、信州・松本に到着。
 ここから明日の昼にかけて信越地方の6鉄道を乗り潰す。

アルピコ交通(松本電鉄)

#8 松本 16:05発 新島々行 → 新島々 16:36着
(アルピコ交通(松本電鉄)上高地線 14.4km)
#9 新島々 16:43発 松本行 → 松本 17:13着
(アルピコ交通(松本電鉄)上高地線 14.4km) (上) 松本盆地をひた走る
(下) 上空から見ると松本盆地はとてもデカい(2021年4月4日撮影) (上) 新島々バスターミナルとその横の新島々駅
(下) かつては新島々駅の向こうに島々駅があった
松本・松本市

 河口湖から3時間半、列車が到着する旅に「まつもと~まつもと~」と独特のアナウンスが流れる松本駅に到着した。
 松本からは、松本電鉄ことアルピコ交通の上高地線に乗車する。
 アルピコ交通はJRと同じ構内で乗り換え可能。中央線、篠ノ井線とは離れたやや向きが異なるホームから発着する。
 上高地線と銘打ってはいるものの上高地まで行くわけではなく、その麓と呼ぶにもおこがましいほどのかなり手前の新島々駅が終点となっている。ただ、駅に併設されたバスターミナルから上高地へのバスが発着しているので、上高地へのアクセス路線であることは間違いない。

 2両編成の電車が定刻通り、松本駅を出発する。午後3時という中途半端な時間のせいか、上高地に向かうといった観光客よりは地域の住人の方が多そうに見る。
松本からしばらくは住宅街を縫うように路線が伸び、川を超えると今度は田園地帯を走るようになる。田園地帯に出ると、山に囲まれた広大な松本盆地の存在を実感できる。以前、FDA 夢の乗り放題プラン 12空港周遊ツアーで松本空港に降り立ったのだが、日本アルプスの山岳地帯の中に突如現れた松本盆地の大きさにとても驚いたことを思い出す。
 田園地帯を進むうちに、徐々に北アルプスの山が迫ってくる。そしていつしか山の中に入り込み、いよいよ山岳鉄道となるかと思いきや、電車は終点・新島々に到着し、30分あまりのアルピコ交通の旅は終了する。

松本・新島々駅

 新島々は、バスターミナルが併設された鉄道駅というよりは、バスターミナルの片隅に申し訳程度に設置された駅となっている。
 かつてはこの先に島々という駅があったそうなのだが、廃線となり「新」島々だけが残ったそうである。
 到着7分後に列車が折り返すので、それに乗って松本に帰ることにする。
 新島々からはおそらく上高地からのバスから乗り換えたであろう登山客がたくさん乗ってきた。それにしても、登山客のシルバー率って高いよね。なぜ、人は年を取ると山に登るりたがるのだろう??

しなの鉄道 しなの鉄道線

なにやらダイヤが乱れているっぽい #10 松本 17:05発 特急しなの17号 長野行き → 篠ノ井 17:51着
(JR東日本 篠ノ井線 53.4km) 45分遅れ #11 篠ノ井 18:53発 小諸行 → 上田 19:23着
(しなの鉄道 しなの鉄道線 25.1km)
松本・松本駅

 松本に帰ってきたら大事件が発生していた。
 松本駅から新宿に向かうあずさ号が松本駅から出発した直後に車両故障が発生し、緊急停車したらしい。あずさ号はホームから数十メートル動いた状態で停止しており、乗客は車内で缶詰になっているようである。
 次のターゲットはしなの鉄道線に乗車するため、松本から篠ノ井線で篠ノ井に向かいたいのだが、この事故の影響で長野方面も列車が遅れているようである。
 本来乗りたかった普通長野行きは1時間近く遅れが見込まれ、その前を走る特急しなのも松本駅に入ることができず一駅手前で停車しているとのこと。
 ここから先の旅をどう立て直すか思案していると、緊急停車したあずさ号を少し後退させるとのアナウンスが入った。これで、長野方面の線路は通過できるようになるらしい。足止めを食らっていたしなの号は、結局約45分遅れて松本駅に到着した。
 遅れの影響でしなのの自由席に特急券無しで乗車できるとアナウンスがあったので、長い列に並んでしなの号に乗り込むことにした。ぎりぎり自由席の座席を確保して、結果的には優雅なリクライニングシートで篠ノ井駅に向かうことができた。さらに、特急を捕まえたことで、結果的には当初の予定より速く篠ノ井駅に到着する見込みとなった。怪我の功名とはこういうことやろね。
 ただ、特急に乗ったことで、楽しみにしていた姥捨駅のスイッチバックを通過することになってしまった...。差し引きプラスマイナスゼロですかね??
 なお、松本駅に停車していたあずさ号も、その後無事東京に向かって出発できたらしい。

長野・篠ノ井駅

 1時間足らずで順調に篠ノ井駅に到着。旅の予定は変えずに先に進むことができそう。
 篠ノ井駅からはしなの鉄道のしなの鉄道線に乗車し、軽井沢に向かう。しなの鉄道線は、北陸新幹線開業時の並行在来線分離でJRから切り離された旧信越本線を引き継いだ路線である。
 旧信越本線は北陸新幹線開業後にバラバラに分断されていて、高崎から見て、横川まではJR東日本、軽井沢までは廃線、篠ノ井まではしなの鉄道、長野まではまたJR東日本、妙高高原まではまたしなの鉄道、直江津まではえちごトキめき鉄道、終点新潟まではまたまたJR東日本となっている。
 つまり、しなの鉄道の路線も分断されていて、軽井沢-篠ノ井間がしなの鉄道線、長野-妙高高原間が北しなの線と呼ばれている。なお、北しなの線の方は明日乗車する予定。
 篠ノ井から乗った列車は途中の小諸行きなのだが、その手前の上田駅で下車することにする。そこから伸びる上田鉄道に乗車するためである。

上田電鉄

上田駅新幹線側の蕎麦屋さん #12 上田 20:03発 別所温泉行 → 別所温泉 20:32着
(上田電鉄 別所線 11.6km)
#13 別所温泉 20:41発 上田行 → 上田 21:09着
(上田電鉄 別所線 11.6km) 終点の別所温泉駅
上田・上田駅

 北陸新幹線としなの鉄道、上田電鉄が乗り入れる上田駅に到着。夜8時となり、すっかり日も暮れている。ここから別所温泉まで伸びる上田鉄道の制覇に取り掛かる。
が、その前に夕食を食べることにする。新幹線側にあるそば屋に入ったのだが、そこのそばが思いの他おいしかった。おそらく、二八よりも小麦粉多めではないかと思うやたらとコシのある蕎麦なのだが、だからといって蕎麦の風味もそこそこある。かなり賛否が別れる蕎麦とは思うのだが、俺は好きですわ。

上田・上田駅

 上田駅は橋上駅になっていて、新幹線、しなの鉄道、上田電鉄と通路は繋がっているが改札は別となっている。
 上田電鉄は終電も近くなり、さすがにあまり乗客はいない。上田電鉄は東急の子会社ということで、車両も東急のおさがり。それっぽいアルミの2両編成で運行されている。
 時間が時間なので、沿線の様子は真っ暗で何もわからず、30分ほどで終点・別所温泉駅に到着した。

上田・別所温泉駅

 駅は別所温泉の入り口となる場所にあり、ホームの横に木造の小さな駅舎が建てられていた。
 駅から出て振り返ると、眼下に上田の街の明かりが見える。おそらく昼間に来ると、街が一望できる場所なのではないだろうか。
 この景色を見ながら湯船につかりたいと思ったものの、先を急ぐため、乗ってきた列車で折り返して、上田駅に戻る。
 いや、上田電鉄さんは、夜、訪れるにはもったいない路線だった気がする。ぜひ、また訪れたい。

ふたたびしなの鉄道線

#14 上田 21:22発 軽井沢行 → 軽井沢 22:09着
(しなの鉄道 しなの鉄道線 40km) さすがに肌寒い軽井沢駅 #15 軽井沢 22:41発 あさま631号 長野行 → 長野 23:11着
(JR東日本 北陸新幹線 75.6km) 長野駅で1日目終了
上田・上田駅

 上田から再び北しなの線に乗車し、今度こそ終点の軽井沢に向かう。

軽井沢・軽井沢駅

 50分ほどで軽井沢駅に到着。かつては東京まで伸びていた線路だが、現在はここで途切れてしまう。
 軽井沢と横川の間には急こう配でその名を鳴らした碓氷峠があり、北陸新幹線開業時に在来線として継続することが断念され、線路が分断された。
 かつての碓氷峠の線路跡の一部は、鉄道テーマパークの碓氷峠鉄道文化むらの施設として保存されている。かつて訪れているので、国道18号線 上越-高崎192kmを参照ください。

 ところで、軽井沢のホームに降り立った瞬間季節が逆戻りし、Tシャツ一枚では肌寒くなった。さすがは避暑地、地上とは別世界である。
 もちろん、そんなリゾートを堪能する気は無く、明日に備えて長野新幹線で、長野に向かう。

長野・長野駅

 長野駅に到着して、初日の全日程が無事終了。篠ノ井線のトラブルを無傷に乗り越えられたのがデカかった。
 明日は、始発から長野の私鉄、長野電鉄の制覇に取り掛かることにする。

#3 信越後編に続く

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