JR東日本の週末パスを使用して、週末パスで乗ることのできる10の私鉄、3セク鉄道を制覇する旅の2日目。
伊豆半島の下田から富士山を経由して長野に入り、信州の鉄道を乗りまくり、長野で1泊した。本日は、長野から一度直江津に向かい、そこから一気に山形へ、さらに最後は福島経由でゴールの宮城県の槻木駅を目指す。
長野電鉄
(下) 頭端式地下ホーム どこか共産圏っぽい昭和のモダニズムを感じる #16 長野 6:15発 信州中野行 → 信州中野 7:00着
(長野電鉄 長野線 25.6km) #17 信州中野 7:14発 湯田中行 → 湯田中 7:32着
(長野電鉄 長野線 7.6km)
#18 湯田中 7:43発 信州中野行 → 信州中野 7:59着
(長野電鉄 長野線 7.6km) (左) 信州中野で湯田中行に乗り換える
(右) 信州中野からは山岳区間 (左) 湯田中温泉入り口
(右) 湯田中駅から見える信州の山々 #19 信州中野 8:09発 長野行 → 長野 8:55着
(長野電鉄 長野線 25.6km) 長野駅に戻ってきた
反対側から見てもやはり絵になる長野電鉄長野駅
長野・長野駅
早朝、改札が開くよりも早く、長野電鉄の長野駅に到着。
長野電鉄は長野駅から湯田中に向かう30キロ余りの私鉄。市内中心部は地下化されているため、起点の長野駅も地下駅となっている。
改札も地下にあり、そこからさらに1階分階段を降りると、頭端式の2面3線ホームがある。
この長野駅、俺的にとても佇まいが良い。地下化されたのが1981年と高度成長期後、バブル前のまだ落ち着きのあった昭和の時代で、改札もホームもそのころのまま残されている。ちょっと共産圏の建築物を彷彿とさせる、無駄を排したシンプルなモダニズム建築が、豊かさが当たり前になりつつあった時代の空気をよく表している。
どこか遠くに連れて行ってくれるのではないかと思わせてくれる、地下トンネルに続くホームもとても良い。日本の頭端式ホームランキングというものがあれば、ベスト5には入れておきたい駅である。
ホームに停車している始発の信州中野駅の電車に乗り込む。長野電鉄の運転系統は基本、途中の信州中野駅で分断されていて、信州中野から先の湯田中方面に向かうには、一度乗り換えが必要となる。
長野からしばらく続く地下区間は都市鉄道、そこから地上に出て鉄道道路併用橋で千曲川を超えるあたりは郊外鉄道、さらに、信州中野から先は勾配を登る山岳鉄道とさまざまに姿を変えていく。
中野・信州中野駅
乗換駅、信州中野駅に到着。
3面4線の予想外に大きな駅である。信州中野から湯田中までは日中1時間に1本ほどのダイヤとなり、長野側とも特に接続することなく独自のダイヤで運行される。そのため、通しで乗ろうとすると多少のの待ち時間ができる。
15分ほどの待ち時間で、湯田中行の電車が出発する。信州中野から湯田中までは15分ほどである。
山之内・湯田中駅
長野電鉄の終点・湯田中駅に到着する。線路は湯田中駅でぷっつり途切れ、その先に湯田中温泉街が始まる。
これにて長野電鉄の制覇完了。当然のごとく温泉街に足を踏み入れることなく、乗ってきた電車で折り返して、信州中野に戻る。
長野・長野駅
信州中野で乗り換え、湯田中から1時間余りで長野駅に戻ってきた。
長野電鉄の長野駅、頭端ホームの先にある改札に向かう上り階段あるというまた良しですな。
しなの鉄道線 北しなの線
長野・長野駅
長野電鉄の次は、しなの鉄道のもう一つの路線。北しなの線に乗車する。
長野から直江津までの旧信越本線区間は、県境を境に二つの鉄道会社に分割された。長野側はしなの鉄道、新潟側はえちごトキめき鉄道が運行している。基本的に両社間で直通運転は無く境界駅の妙高高原で運転打ち切りとなっている。
乗車した列車はおそらく国鉄時代からの生き残りの115系。背中が直角のボックスシート、取り外されてはいるものの灰皿の跡、今となっては、その存在だけで風格を感じる。
長野から出て長野盆地を抜けると、あとは山の中をひた走しり、妙高高原を目指す。
えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン
(えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン 37.7km) (左) 直江津が近づくと米どころ感がでてくる
(右) 乗り換えることはあれど、なかなか下車しない直江津駅
妙高・妙高高原駅
45分で終点・妙高高原駅に到着。北しなの線を乗りとおしたことで、しなの鉄道の全線の制覇が完了。
同じホームの反対側に止まっている列車に乗り換えて、ここから先のえちごトキめき鉄道・妙高はねうまラインで終点・直江津駅を目指す。
ところで、北陸新幹線の開業で生まれた並行在来線の会社と路線名だが、富山県が「あいの風とやま鉄道」、石川県が「IRいしかわ鉄道」、福井県が「はぴラインふくい」とひらがなキラキラネームばかりである。なぜ、昨今の自治体はひらがなキラキラネームにこだわるのかを探りにアマゾンの奥地に行きたい気分である。
妙高はねうまラインの車両は、比較的新しいE127系の改造車両。シートもロングシートで、通勤型車両となっている。
全線単線でときどき反対側の列車を待ち合わせながら進んでいくのだが、途中、突然、車窓に並走する車両が現れた。あれ? こんなところに線路があったか? と思ったが、途中の二本木駅がスイッチバック駅となっており、反対側の車両と並走してホームに入線したのだ。いや、スイッチバックの同時入線は熱すぎる。
入線は同時だが、出発はこちらの列車の方が早く、スイッチバックで少し後退したあと、もう一度進路を変えて直江津方面に進みだした。
二本木駅のスイッチバック並走入線
二本木駅までは長野から続く山間部の景色だったのだが、徐々に高田平野が広がっていき、いつしか田園地帯に変化していった。
周りには住宅も増え、乗客も増えてくる。新幹線との乗換駅・上越妙高駅を過ぎると、終点・直江津はすぐそこである。
上越・直江津駅
一時間余りの乗車で直江津駅に到着。伊豆半島の下田から始まった今回の旅だが、いよいよ日本海に到達した。
これで妙高はねうまラインは制覇となるのだが、えちごトキめき鉄道にはもう一つ日本海ひすいライン(またキラキラネームだよ...)という旧北陸本線の路線がある。こちらはJR西日本の管轄エリアということか週末パスには含まれていないため、今回は乗車しない。
直江津駅はえちごトキめき鉄道(書いているうちにどんどんイライラしてくる名前やなぁ)の2線の他に、新潟に向かうJR東日本の信越本線が乗り入れている。さらに、2駅先の犀潟から北越急行のほくほく線が分岐しており、ほくほく線に直通する列車も乗り入れている。
続いては、その北越急行の制覇に取り掛かるとする。
北越急行
(JR東日本 信越本線/北越急行 ほくほく線 66.6km) (左上) 犀潟から北越急行ほくほく線
(左下) トンネル走行時車内で映像が上映される「ゆめぞら」 (右) トンネルとトンネルの間に駅がある
上越・直江津駅
直江津で20分ほど休憩し、北越急行・ほくほく線経由の越後湯沢行きに乗り込む。
かつて北陸新幹線開業前までは、上越新幹線の越後湯沢からほくほく線を経由する特急に乗り換え、北陸本線に向かうルートが東京と北陸を結ぶ主要ルートだった。この特急ルートを目的として建設されたほくほく線は、カーブの少ない高規格路線で、往時は最高速度160キロで運行されていた。
しかしながら北陸新幹線の金沢延伸以降は特急は廃止され、1時間に1往復程度普通列車が行きかうだけのローカル線になってしまった。
直江津から2駅先の犀潟までは信越本線を走行し、犀潟からほくほく線へと乗り入れる。
高規格路線であるほくほく線は、できる限り直線状に線路を建設したため、全線のほとんどがトンネルか高架。犀潟からすぐに高架路線となり、田んぼの真ん中を真っすぐに山に向かって走り始める。そして2駅目の大池いこいの森駅から先はほぼ最後までトンネル続き。トンネルの合間の谷間にときどき駅があるといった感じである。
今回乗った列車は、2両編成の列車の内、後ろの車両はトンネル区間に入ると、車内の天井に映像が投影される「ゆめぞら」号だった。毎週日曜日に2往復運行されている。特に内容がある映像ではないが、これがないと暗闇ばかりなのでうれしいサービスである。
トンネルの合間の駅ではやはりそれほど乗客の乗り降りは無く、少し大きな平野にある十日町駅で乗客の半数ほどが入れ替わった。
そして、十日町を出発すると再びトンネル。最後は10キロを超え、途中に駅もある赤倉トンネルである。このトンネルを抜ければいよいよ上越線に乗り入れる六日町駅はすぐそこである。
南魚沼・六日町駅
六日町で下車し、北越急行を制覇。松本電鉄から続いた信越地域の私鉄群の乗り潰しを終えた。
残りは東北地方の2路線。まずは山形鉄道を目指し、さらなる北上を続ける。
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