2025-08-27

青春18きっぷ 秋田三セク鉄道制覇 (#2 由利高原鉄道)

 青春18きっぷで、秋田にある二つの三セク鉄道、由利高原鉄道と秋田内陸縦貫鉄道に乗車する旅。
 初日は名古屋を出発し、松本、長野を経由し新潟へ。
 二日目は奥羽本線を北上し、由利高原鉄道に乗る。

白新線

早朝の新潟駅 #8 新潟 06:05発 新発田行 → 新発田06:42着
(白新線 27.3km) 白新線の車窓 やはり米どころ
新潟・新潟駅

 早朝、新潟駅に戻ってきた。
 新潟駅の万代口は現在工事中で、西側のバスターミナルから2階のコンコースに上がったのだが、バスターミナル周辺はほぼ完成しており、全面オープンが近そうな雰囲気だ。コンビニに行きたかったのだが、工事の影響か構内の通路がわかりにくく、右往左往して、ようやくNewDaysを見つけた。ドリンクと朝食をゲット。
 青春18きっぷのスタンプを押すという神聖な儀式が失われてしまったので、きっぷを自動改札に突っ込むだけで2日目のスタートとなる。
 2日目は秋田の第三セクター鉄道の一つ目・由利高原鉄道乗車し、秋田駅に向かう。
 新潟からは、まず白新線で新発田に移動。ところで「新発田」(しばた)だが、今日の今日まで「しんはった」だと思っていた。日本語の固有名詞難しすぎる。

 白新線の車内は、おそらくは部活の練習、あるいは試合に向かう学生が乗車であふれていた。「休日の朝」の車内である。
 さすがは米どころ新潟、車窓から広々とした水田が見えている。ところで、新潟といえば、私は新潟に本社がある亀田製菓の「サラダせんべい」が大好物で、家に常に2袋は常備してあるのだが、もしかしたらこの辺でとれた米を使っているのかもしれない。もう一つ新潟の製菓メーカーで忘れてはならないのがブルボン。アルフォートもまた、常備してあるので、私は新潟には足を向けて寝ることができない。

羽越本線

#9 新発田 06:46発 酒田行 → 酒田09:33着
(羽越本線 140.9km) 羽越本線の車窓から日本海が見えてきた 酒田駅でしばし休憩 #10 酒田 09:44発 秋田行 → 羽後本荘10:48着
(羽越本線 62.0km)
新発田・新発田駅

 30分あまりで新発田到着。覚えましたよ、「しばた」ね。
 新発田からは羽越本線に乗り換える。跨線橋を渡ってホームで待っていたのは、GV-E400系2両編成の列車。羽越本線は電化しているが、この区間は気動車であるGV-E400系が主力車両となっている。最終的にはモーターで動く電車らしいのだが、電力はディーゼルエンジンをぶん回すことで発電しているらしい。

新発田から酒田までは3時間弱、本日最長の長旅である。
途中の村上を過ぎたあたりで、羽越本線は海沿いを走るようになる。気のせいかもしれないが、山の中を走るよりも海沿いを走ったほうが乗車時間は短く感じる。昨日、飯山線ではやたら長く感じた3時間だったが、本日の羽越線は体感3割減、飯山線換算で体感2時間ほどで、終点・酒田駅に到着した。

酒田・酒田駅

 酒田駅の乗り換え時間は10分ほど、ちらっと駅の外に出てみる。本日も晴天、とても暑い。
 酒田から先の秋田までは、JR東日本交流区間の雄、701系電車に乗る。今度は正真正銘の電車である。
 右手に鳥海山と田園を眺めながら約1時間の乗車で、由利高原鉄道の始発駅・羽後本荘に向かう。

由利高原鉄道

#11 羽後本荘 10:55発 矢島行 → 矢島11:34着
(由利高原鉄道 鳥海山ろく線 23.0km) (左) 鳥海おもちゃ列車の車内
(右) 一日乗車券「楽々悠々乗車券」 鳥海山の雄姿 矢島駅 #12 矢島 11:55発 羽後本荘行 → 羽後本荘12:36着
(由利高原鉄道 鳥海山ろく線 23.0km)
由利本荘・羽後本荘駅

 羽後本荘駅に到着。階段を上り、橋上駅舎の通路を通って由利高原鉄道のホームへ移動する。
 由利高原鉄道の改札で、土日限定の一日乗車券「楽々悠々乗車券」を購入する。料金は1100円で、往復運賃より少しお得になる。
 再び階段を降りると、ホームで待っていたのは「鳥海おもちゃ列車・なかよしこよし」と名付けられた特別車両だった。鳥海おもちゃ列車は、その名の通り車内にキッズスペースが設けられていて、座席もパノラマ席やソファー席など様々な座席が用意されている。さらにこの時間の列車は、おぼこ姿のアテンダントが乗車し沿線の案内をしてくれるらしい。
 そのせいなのか車内は満員。乗り遅れた私は、カラフルなボックス席やパノラマ席には座れず、車両後方に申し訳程度に設けられたロングシートに着席する。

 列車が出発するとおぼこさんが沿線の名所を案内してくれるのだが、なんといっても目玉は鳥海山。路線名も「鳥海山ろく線」となっていて、進行方向右側には鳥海山の姿を拝むことができる。鳥海山は標高2,236m、東北で2番目に高い山であり、きれいな稜線から遠くからでもすぐに鳥海山とわかる。
 最初は前方に見えているのだが、途中で真横に見え、最後は後方に見えるようになる。

 終点の矢島駅までは約40分。途中の前郷駅で列車交換を行うのだが、由利高原鉄道はタブレットが現役。駅員が両方向の列車のタブレットを交換して、出発する。
 ところで、由利高原鉄道は途中に10駅ほどあるのだが、多分、誰も乗ってきていないし、誰も降りていない。おそらくは乗客全員が私と同じく、由利高原鉄道を乗り通すためだけの乗客っぽい。観光客が利用するのはいいことだとは思うが、地域住民が誰も乗っていないというのは、経営的に大丈夫かと、不安になる。

由利本荘・矢島駅

 終点・矢島駅に到着。山がとても近くに見える。平野から谷間に線路が伸び、山にぶち当たると線路が終わるというのは、ローカル線あるあるである。
 降りるとき、おぼこさんから記念のしおりをいただいた。私の旅のお供は読書なので、とてもありがたい。(最近はもっぱらKindle Paperwhiteなんだけどね...)
 何か観光できるところはないかと駅前のマップを調べてみると、大井家という国の有形文化財、大正期の数寄屋造りの住宅があるらしい。だが、行ってみると非公開。外観をチラ見して矢島駅に戻ってくる。
 戻ってきたら、羽後本荘行の列車の発車直前。次の列車は2時間後、ちょっと2時間ここで過ごすのは厳しそうなので、列車に乗り込んだ。
 帰りの列車はノーマルの単行気動車。行きの列車で見かけた乗客がちらほらいる。
 帰りに車窓から眺めて改めて思ったが、鳥海山、美しい山ですな。

秋田

#13 羽後本荘 12:42発 秋田行 → 秋田13:32着
(羽越本線 42.8km) 秋田駅でなまはげがお出迎え 後ろの銅像とのコラボレーションが素敵
秋田・秋田駅

 羽後本荘から再び羽越本線に乗車。50分で秋田に到着。まだお天道様が頭上にある時間だが、本日の行程はここまでである。
 ということで、本日はまだまだ時間があるので、秋田観光に出かけることにする。

千秋公園の表門 男鹿線に乗る 男鹿駅 ホームの横のみ電化されていて、蓄電車両に充電中 無限堂さんの比内地鶏入り稲庭うどん
秋田・千秋公園

 まず訪れたのは、駅から徒歩10分ほど、街の中心部にある千秋公園である。
 千秋公園は、かつてこの地にあった久保田城の城跡であるが、明治期に都市公園として整備された公園でもある。
 敷地のつくりとしては、二の丸と本丸に分かれていて城郭そのものであるのだが、都市公園として整備されてきた長い歴史もあり、城跡の地形を生かした公園といった雰囲気である。
 堀を超えて公園に入り、坂を上ると二の丸跡がある。二の丸跡は様々な花や木が植えられた庭園となっている。
 二の丸から階段を上がると表門があり、その中が本丸跡である。本丸には天守閣は無いのだが、北西角に隅櫓が復元されている。
 城跡が公園となっていることは珍しくないのだが、千秋公園は「城跡」よりも「公園」要素が強く、あたかも公園の中に城跡の要素が散りばめらているかのように見える。ただ保存されているだけでなく、時代の流れを吸収して成長した千秋公園は、とても建設的な城跡の在り方のように思えた。

秋田・秋田駅

 せっかく秋田まで来たので、男鹿線にも乗っておこうと、秋田駅に戻る。
 男鹿線は、奥羽本線の追分から男鹿半島に伸びる26.4キロの路線で、全ての列車が秋田まで乗り入れている。非電化路線なのだが、気動車ではなく蓄電池を積んだ電車ACCUMが運行されている。
 秋田から出発すると4両編成がほぼ満席。混んでいるのは奥羽本線の区間だけかと思いきやそうでもなく、男鹿線に入っても混雑は続く。どうもなんらかのイベントの客っぽいのだが、何のイベントだかはわからなかった。
 そして、いつの間にか乗客がいなくなり、男鹿半島の田んぼの中を走る列車となった。半島の路線ということで勝手に海が見えるイメージでいたのだが、海に近づくのは最後の終点・男鹿駅のみ。あとは田んぼか森である。

男鹿・男鹿駅

 約1時間で男鹿駅に到着。線路は駅でぶつりと切れて、その向こうに2018年完成のまだ新しい駅舎が建てられている。1番ホームの線路のみが電化されていて、列車は次の出発まで充電することになる。
 小さな駅舎から外にでると広い空間がある。かつては貨物線が港まで伸びておりその名残らしい。
 道を挟んだ向こうに道の駅があったので除きに行こうと思ったのだが、ちょうど閉店の時間。すごすごと駅に戻り、充電中の車両に乗り込むことにする。

秋田・秋田駅

 1時間かけて秋田に戻ってきた。帰りの列車は「がら空き」だったのだが、秋田の手前数駅から急に乗客が増え、最後は満員で秋田に帰還した。
さて、夕飯時になったので何かないかと探していたら、比内地鶏を使った稲庭うどんのつけ麺というのを発見した。無限堂さんという有名店らしい。
 稲庭うどんはもちろん、地鶏のだしの効いたつけ麺、そして地鶏そのものが、とてもおいしかった。

#3 秋田内陸縦貫鉄道 に続く (coming soon....)

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