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2018/04/03

香港MTR全線1日制覇(#3 軽鉄編)

 香港の新界の西側、元朗から屯門一帯にかけて、細かく軽鉄(ライトレール)の線路が張り巡らされている。
 軽鉄とは路面電車のようなものだが、自動車と混在して道路の上を走行しているわけではなく、基本的には専用の軌道が確保されている。ただし、交差点では路面電車として、自動車の合間を縫って道路を横断することもある。言うならば、普通の鉄道と路面電車の中間のような存在である。
 この軽鉄も香港MTRの1路線であるので、今回の全線制覇の対象としている。
 軽鉄の東の端である元朗駅で西鉄線を降り、軽鉄に乗り換え、軽鉄制覇を開始する。

 軽鉄の制覇を開始するのはいいのだが、路線図を見てもどこをどう通ったら「全線制覇」としてよいのかが、よくわからない。路線ではなく、系統で線が引いてあるから難しいんだよね。
 全系統乗りたいのはやまやまだが、時間もないのでとりあえず、全路線乗車(すなわち全駅通過)で、全線制覇とみなすことにした。

軽鉄制覇へ出陣

軽鉄の車内 ちょっと広めの路面電車といった感じ
新界 元朗区・元朗駅

 元朗駅を出て、1階に降りると隣のビルの1階部分が軽鉄のホームになっている。
 たくさんのホームがあり、その間をうねうねと線路が敷設されている。なんだかプラレールのよう。
 地鉄の路線図を見ると、左側の屯門埠頭から1ゾーン、2ゾーンとゾーン分けされており、5、5Aまでの全部で6ゾーンある(このゾーン間で料金が決められている)。
 今いる元朗が路線図の右下の5Aゾーンなので、とりあえず、右から左に順に乗りつぶしていくことにする。

 最初に乗るのが、元朗から5ゾーンの天逸に向かう、761P系統。
 入り口から一番手前に761P系統のホームがあった。すでに2両編成の列車が止まっていたので、急いでホームを駆け上がる。
 料金は乗車用、降車用のそれぞれのリーダーにオクトパスをタッチすることで支払うことができるようになっているらしい。
 元朗駅を出発出発すると、道路の脇に設置された線路に入り、意外と早いスピードで進んでいく。
 繁華街を抜けると、学校などのある住宅街に入っていく。香港市街地からかなり離れた場所だが、人通りは多く、相変わらず大きなマンションも立っている。香港は大きく賑やかな都市である。

 駅ごとに乗客を入れ替えながらも、ライトレールは常にほぼ満員で走っていく。
 一つ気が付いたのだが、ライトレールの駅の停車時間は極端に短い。乗客の乗り降りが終わったか否かのタイミングで扉が閉められる。「降りるのは勝手だが、乗るのは俺が許さん」ぐらいの勢いである。数分単位で頻発運行をしているので、そうでもしないと車両が詰まってしまうのかな?

新界 元朗区・天逸駅

 30分弱時間がたった頃、車内にターミネイトだのなんだのとアナウンスされたので、「多分、次が終点・天逸だろう」と降りる用意をする。終点が近いせいか、いつの間にか乗客の数も10名弱に減っていた。
 そして天逸駅に到着。終点なので全員が降りるのであろうと思っていたら、数人降りたきりで、半分の乗客は車内に残っている...。
「あれ? 終点じゃないの? 『オールパッセンジャーは降りろ』みたいなアナウンスがあった気がするんだが???」
 と思っているうちに、扉が閉められてしまう。
 おかしいな? と思い慌てて路線図を確認するが、やはり、どうもさっきの駅が終点の天逸っぽい。いったい、この電車はどこに向かっているんだ?
 天逸を出発した電車は、ホームを出た直後、駅構内で大きくカーブしはじめた。窓の外を見てみると、電車はループ線に入り、駅の構内でUターンしているのだ。
 ここでわかったのだが、どうやら軽鉄は「折り返し運転」を行わないらしい。
 すべての終端駅にはループ線が併設されていて(あるいはルート自体が環状になっている)、車両はそこをくるっと回って、逆方向行の電車となるようだ。
 確かに、よく見てみたら車両の扉は左側にしかついていない。
 で、そのことを知っていた乗客たちは終点についても降りずに、ループ線を出た後の乗車用のホームから降りて行った。おそらく、その方が目的地に近いのであろう。
 おいらも、慣れた乗客のフリをして、しれっと乗車用ホームから降りることにする。ふふん。


天逸駅構内のループ線
道路を跨ぐ立体交差の上で、線路の平面交差
ちょっとしびれる配線!
新界 元朗区・天逸駅

 天逸駅は、天水囲と呼ばれるニュータウンの端に設置されている。ここを起点に、天水囲をぐるりと回る環状線が方向別に2系統(705系統、706系統)運行されている。また、それとは別に環状線の中央を横断した後、天水囲を抜けて、屯門方面に向かう751系統も天逸駅から出発している。
 環状線は片方乗ればいいとして、時計回りの706系統に乗ることにする。もう一度天逸に戻ってきた後、4ゾーン、3ゾーン、2ゾーンと南下する751系統に乗り換えることにしよう。
 ということで、706系統の乗り場に移動する。っていうか、よく見たら、06系統の乗り場は、おいらが降り損ねた761P系統のホームと同じだった。やむなく、ループ線を眺めながら、ホームを移動し、やってきた706系統に乗車する。

新界 元朗区・天逸駅

 天水囲をぐるっと一回りして、天逸駅へ凱旋。次は、751系統のホームへ移動する。
 天水囲は、例によって高層マンションが立ち並んでいるのだが、そこを抜けると少しの間郊外の直線道路沿いを走行することになる。
 さらに進んで西鉄線の兆康駅が近づいてきた辺りから、再び街中を走行しはじめる。
 兆康駅の辺りは、軽鉄の路線が入り組んでいるのだが、分岐点では基本的にどの方向にでも進行できるようになっているらしく、多数の線路が平面交差していてちょっとかっこいい。
 そして、さらに進んで、西鉄線の兆康の次の駅・屯門を超えると、終点・友愛駅が近づいてくる。

新界 屯門区・友愛駅

 ループ線の代わりに、大通りから1ブロック分細い路地を回り込んだ場所が終点・友愛駅である。一方通行のループ線のため、この辺りは単線で、道路との併用軌道、すなわち路面電車になっている。
 終点とはいえ一方向にしか進めない軽鉄は、時間になれば再び前進を始め、天逸に向かって戻っていくことになる。
 再出発した751系統に乗って、一駅分、わずか数百メートルほど先の安定駅で降り、505系統・三聖行きに乗り換える。
 すぐに終点・三聖に着くのだが、終点のアナウンスを無視し、ループ線を通って折り返しの兆康行きに居座ることにする。

軽鉄車庫らしき場所を通過 複雑に線路が張り巡らされた屯門埠頭駅構内
新界 屯門区・兆康駅

 兆康駅は、軽鉄の中心にある駅で、東西方向、南北方向に通過する列車と、北から入ってきて北へ折り返す列車がひっきりなしに入線してくる。構内は三角形にホームが配置されていて、各ホームとも列車待ちの乗客で賑わっている。
 路線図でいうと兆康駅より右側の4、5、5Aゾーンはすでに全線制覇していて、残りは左側の1、2、3ゾーン。その1、2、3ゾーンをぐるっと周回する614系統、615系統に乗れば、終わりが見えてくる。
 先にやってきたのが615系統・屯門埠頭行だったので、反時計回りに周回コースに入るとする。
 兆康を出発してしばらくすると、右手に山が迫ってくる。そうは言っても反対側はあいかわらず高層マンション郡。どこまで行っても香港らしい景色から逃れられない。

新界 屯門区・屯門埠頭駅

 途中軽鉄の車庫を左手に見たあと、ぐるっと左に大きくカーブし、海が右手に見えたところで、終点・屯門埠頭に到着した。
 ペデストリアンデッキか人工地盤の下部と思われる広大な場所が、軽鉄のターミナルになっている。線路は8の字状に敷設されていて、南北両方向から入ってきた電車がそれぞれループ線を通って折り返せるようになっているようだ。
 多数の軽鉄車両が6つほどのホームに並ぶ姿はなかなか壮観。しばらくここで電車を眺めていたい気分だが、ぼちぼち日が陰ってきている。先を急ごう。
 614P系統に乗り換えて、兆康駅に戻ることにする。

新界 屯門区・兆康駅

 通過したのも合わせると、本日3度目の兆康駅。この時点で、1ゾーンと2ゾーンの制覇も終わり、残りは3ゾーンの一部分、大興北、大興南、銀囲の3駅を繋ぐ短い区間のみとなっている。
 この路線を通る507系統に乗車するため始発駅の田景駅に向かう。兆康駅から田景駅までは615P系統に乗るのだが、兆康まで乗ってきた614P系統は、兆康駅から615P系統に変わる巡回路線。そのまま電車に立てこもり、田景駅へ。

新界 屯門区・田景駅

 田景駅へ到着。
 この駅を始発する507系統に乗りかえる。田景駅へ到着した507系統は、駅構内にループ線を通って降車用のホームから乗車用のホームへとやってくる。ループ線を走る軽鉄の姿はなんだか凛々しい。
 いよいよ、最後の軽鉄乗車となる507系統に乗り込む。目的地は、MTR西鉄線の終点・屯門駅である。


田景駅のループ線

西鉄線制覇再開

新界 屯門区・屯門駅

 日没後しばらくして屯門駅に到着。軽鉄全線制覇、無事完了。かなり急いだつもりだが、4時間もかかってしまった。
 日没を過ぎたということは、終電へのカウントダウンも始まったということである。MTRの普通電車制覇の旅を再開しなくてはならない。
 屯門駅の軽鉄の高架ホームのすぐ横に改札のある、西鉄線に乗り換える。
 屯門駅から4駅先の元朗駅を通過した時点で、西鉄線制覇。これで軽鉄を除くMTR全11路線のうち制覇したのは、将軍澳線、観塘線、馬鞍山線、東鉄線、西鉄線の5路線。
 うむ、半分も制覇していない。距離で考えても消化したのは44%、まだまだ道のりは長い。

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