IT Penguin

2014/10/04

スルッとKANSAI 3day 1192.5km 完全制覇(#5 南海編)

 関西の私鉄、地下鉄19社局が3日間乗り放題となるスルッとKANSAI 3day チケットを利用して、エリアの全鉄道路線(ケーブルカーを除く)を乗りつぶしてしまう旅、というか耐久レースの二日目。
 早朝、大阪から京都を往復して、南海高野線の名目上の起点・汐見橋駅に到着。時刻は、午前9時40分。今から、今日一日で南海全線を制覇する。

汐見橋駅の入り口改札上に、ボロボロの沿線案内図が掲げられている
みごとな時間あたり2本のダイヤ
大阪・汐見橋駅

 地下鉄千日前線の桜川駅から、若干道に迷いながら、なんとか汐見橋駅に到着した。まあ、迷うぐらいにひっそりとした小さな駅で、乗り換える人も皆無だったということ。
 汐見橋から岸里玉出駅間の通称・汐見橋線は、大都市大阪の中にある完全なローカル線。朝から晩まで30分間隔で2両編成のワンマン列車が細々と往復している。なぜ、こんなに閑散としてしまったのかはよくわからないが、周辺により便利な線路があることや、線路のすぐ西側に大きな川・木津川が流れていて、橋が無いために人の往来が無いことなどが原因だと思われる。(ちなみに、この木津川は、当ブログで4年前、大阪市営渡船八艘飛びで紹介した、大阪市営渡船がある川。向こう岸は大阪の孤島・大正区である。)
 まず、汐見橋の駅舎だが、難波や道頓堀の近くとは思えないなんとも寂れた建物である。最果ての地の終着駅といった趣だ。暗い入り口を潜ると、自動改札の上にはボロボロでよく読み取れない色あせた沿線案内図が目に入る。左下には、こんな記述が...
「この案内は昭和30年代のものです。現在の沿線案内については係員にお尋ねください」
 破けるがままに放置してあるところを見ると、別に保存する意図があるわけではなく、単に野ざらしになっているだけのようだ。
 ホームに入っても、昭和の雰囲気のする駅看板など、完全なる異世界。どうして、こんな線路が取り残されてしまったのか実に不思議だ。

 9時40分定刻に電車は出発し、住宅街の裏手といった場所を真っ直ぐに走りだす。で、わずか9分で終点岸里玉出駅に到着する。線路はほぼ全線複線なのだが、反対側の電車とすれ違うことはない。というか、そもそも1編成だけを往復させて運用している様子。
 なんとも、味のある路線である。

大阪・岸里玉出駅

 岸里玉出駅で南海本線の普通に乗り換え、さらに堺で区間急行に乗り換える。
 堺駅から乗った区間急行だが、通勤ラッシュ並みの満員電車。日曜日の朝、しかも下り方向でこの混雑はおかしいと調べてみたら、本日は岸和田のだんじり祭らしい。言われてみれば、大阪に戻ってきてからそれっぽい格好をした人たちに何度もすれ違っていた。
 まさか満員電車にかなりぐったりしながら、高師浜(たかしのはま)線の乗り換え駅、羽衣駅へ向かう。


高師浜の駅舎。窓にはステンドグラスがはめ込まれている
高石・羽衣駅

 南海本線にも、高師浜線、空港線、多奈川線、和歌山港線という支線があるので、それらも一つ、一つ潰しながら、本線の終点・和歌山港駅を目指す。
 まず最初の支線は、高師浜線。高架工事中の羽衣駅から伸びる2キロに満たない支線である。
 この手の支線は、支線の端まで行った電車が折り返す運用になっているので、大抵、終点では数分しか滞在できないのだが、高師浜線は折り返しまで9分の時間があった。のんびりホームをウロウロしていると、南海の運転手さんに高師浜駅の駅舎が鉄道ファンには有名らしいとの情報を教えてもらった。
 いかんせん、何故有名なのかを聞き忘れたのでよくわからないのだが、まあ確かに歴史のありそうな駅舎ではある。入り口の上部にはステンドグラスが埋め込まれていて、大正モダンな雰囲気はでているのだが、果たしていつできた駅舎なのだかよくわからないので、なんとも言えない...

高石・羽衣駅

 羽衣駅に戻ってきて、今度は関西空港を目指す。空を見上げるとすこぶるいい天気で、駅の隣にあるパチンコ屋の看板まで爽やかに輝いて見えた。
 で、しばらく待っていてやってきた電車は、地獄の満員電車。だが、しかし、岸和田からは全席指定の特急・ラピートに乗車する予定! 満員電車は10分の辛抱で開放される。

岸和田・岸和田駅

 おいらのスルッとKANSAI全線制覇の日に、何故ぶつけてきたのか分からない、だんじり祭の乗客が大量に岸和田で下車。おいらもここから関空特急・ラピートに乗り換える。こちらも満員ではあるが、全席指定なので余裕の着席。
 真っ青なインパクトのあるデザインで、鉄人28号として親しまれているラピートは、JRのはるかと並ぶ関空への足となっている列車だ。広めにとられたリクライニングシートはとても快適なのだが、惜しむらくは乗車時間がたった15分しかないこと。発車後しばらくして、人工島である空港へ橋で渡り、ターミナルビルのすぐ脇のホームへ到着する。神戸空港に続いて、2度目の空港駅に到着。ちょっと時間があったので、改札を出て空港を覗いてみたが、特にすることもないのですぐにホームに戻る。
 スタートからここらで30時間。時間的にも電車の本数的もこの当たりが中間地点なのだが、今のところ全くゴールは見えません。

田尻・関西空港駅

 空港線を制覇したので、南海本線の南下を再開する。次に制覇する支線は、紀ノ川から分岐する加太(かだ)線。
 関西空港から泉佐野に戻り、普通に乗り換えて30分で紀ノ川に到着し、そこから反対方向に向かって加太線に入る加太行普通電車に乗り換える。
 あとから気が付いたのだが、この乗り換えスケジュールは失敗で、先行する11時45分発の特急サザンで和歌山市駅まで向かい、そこから折り返して加太行き普通列車に乗るのが正解。結局、同じ加太行きの普通電車に乗るのだが、このスケジュールの方が和歌山市駅でゆっくり乗り換え(11分乗り換え)ができる。まあ、紀ノ川で無事、乗り換えできたのだがから、何ら問題と言えば、問題ないけどね。

和歌山・加太駅

 海水浴場が近い加太駅。浮き輪でも売っていそうな売店と海水浴に行くぞという雰囲気のある観光客が電車から何人か降りていった。が、今の季節は9月の中旬。はたして海水浴なんかできるのであろうか???
 加太駅の停車時間も長めの7分間、改札を出て周囲をうろうろし、来た電車と同じ電車に乗り込んでいく。
 ただし、加太線の列車は全て南海本線の和歌山駅まで直通するので、帰りの目的地は紀ノ川ではなく、終点の和歌山市駅となる。


四国へ向かう南海フェリーに乗り継ぐことができる
和歌山・和歌山市駅

 南海本線の終着駅・和歌山市駅に到着。和歌山市駅はJRも乗り入れる和歌山市の中心駅の一つ。だが、線路はここで終わりではなく、先に続いている。
 和歌山市駅から3キロほど先の和歌山港駅までは和歌山港線という路線で、終点の和歌山港から先は南海が徳島までフェリーを運航している。
 基本的に電車が動いているのはフェリーが出向する前後のみで、土日の本数は1日7本のみ。(なぜか、逆方向は8本走っている)
 スルッとKANSAI全路線の中でも乗ることが最も難しい線路と言える。
 本日の全日程は、どれだけスムーズに和歌山港線に乗れるかにかかっていると言っても過言でもなく、数少ない選択肢の中から、最もスムーズに南海本線を往復できるこの時間が選ばれた。

 その和歌山線だが、乗ってしまえばごく普通の末端路線で、とりたて目立った特徴はない。
 終点の和歌山港で四国へ向かう南海フェリーの姿を確認し、和歌山市駅に戻る。なお、この和歌山港駅がスルッとKANSAIエリアの最南端の駅になる。東西南北の端っこの内、西と南を制覇したことになる。

岬・みさき公園駅

 南海本線の帰り道、みさき公園で最後の支線、多奈川線に乗車する。駅間のやたら短い路線で、終点の多奈川駅から一駅手前の深日町(ふけちょう)駅の姿が見えている。もちろん、すぐに折り返してみさき公園へ。16分も乗り換え時間があるので、改札の外に出てコンビニにて昼飯を調達。次の電車は、特急で指定席を確保してあり、なおかつ乗車時間も40分と長め、よい昼食タイムとお昼寝タイムになりそう。
 ところで、みさき公園というのは南海の運営する遊園地と動物園。動物園がなかなか楽しいと聞いたことがあるのだが、行ったことがない。国道26号線の旅の時にでも、一度寄ってみたい。

大阪・天下茶屋駅

 天下茶屋というインパクト抜群の駅名の駅まで、特急サザンでやってきた。リクライニングシートで、疲れも少し取れた気もする。
 南海は大きく分けて、本線と高野線に二股に分かれていて、この天下茶屋が分水嶺となっている。(厳密には、朝、汐見橋線から乗りかえた岸里玉出駅が分岐駅なのだが、乗り換えのしやすさや停車列車の多さの関係で、天下茶屋が事実上の分岐駅である)
 当然、高野線も倒すべき相手であるので、天下茶屋で乗り換えて終点・極楽橋駅を目指さねばならない。
 天下茶屋で時間があったのでトイレ休憩をした。どうでもいい話だが、南海の大阪近辺の駅の男子の小便器は”無水トイレ”という見慣れぬ文字が記されている。通常あるはずの水栓がなく、し終わった後に水が流れないのだ。各トイレには、必ず
「このトイレは無水トイレですが清潔は保たれています」
 と、注意書きが貼られている。もちろん、不衛生な感じはないが、どうも理屈がわからんので、釈然としない...。

極楽橋の裏手、高野山の中腹 89. 極楽橋 17:06発 こうや14号 難波行 → 堺東 18:12着
(南海 高野線 53.5km)
大阪・天下茶屋駅

 本線と高野線でホームが分かれている天下茶屋駅の高野線側に移動。
 高野線は、大阪から真言宗の総本山である高野山を繋ぐ路線である。終点の極楽橋からケーブルカーに接続しており、そこからさらにバスで弘法大師の眠る金剛峯寺を訪ねることができる。そのケーブルカーも南海の運営で、スルッとKANSAI 3dayきっぷで乗ることができるのだが、今回は対象外。極楽橋までが制覇対象である。

橋本・橋本駅

 南海高野線は高野山への足となる観光路線ではあるが、大阪付近では完全な都市交通として機能しており、この日も満員の乗客とともに電車に揺られることになった。
 だが、乗客は徐々に少なくなり、急行の終点・橋本駅では、座席に空席が目立つようになる。
 橋本駅からは4両編成の普通電車に乗り換え、極楽橋へ向かう。橋本から先は山岳鉄道となり、駅名看板にも一駅ごとに標高が高くなる様子が描かれている。
 時折車輪を軋ませながら、急なカーブを曲がり、電車は高野山を登っていく。

高野・極楽橋駅

 標高538メートル。高野山の中腹・極楽橋駅に到着。
 ここまで来たほとんどの乗客は、そのまま同じ駅の構内にあるケーブルカーに乗り換える。が、おいらは、そんな乗客の流れを無視して、小さな改札口に向かい、改札の外に出た。そこはすっかり山の中で、熊だか猪だかが晩御飯の調達に出歩いていてもなんら不思議ではない景色。
 なんて言っている暇はなく、6分後に出発する特急こうやに乗って大阪へ戻らなくてはならない。
 "こうや"は高野線の全席指定の特急。高野山の見物客が帰る時間にもあたり、見事に全席完売。うっかり間違っておいらの席に座っていた親子を押しのけ、座席に座る。この列車は3日間の全日程の中で最長の1時間6分の乗車。終電までまだまだ先は長いので、ここでしっかり休憩をとっておかねばならない。
 しばし、お休みなさい...。

0 件のコメント: