2008-08-22

青春18きっぷ使いきり 西日本周遊1910.3km (3日目)

 青春18きっぷを使って、西日本を周遊する旅。
 九州に上陸した3日目は、まず由布院へ。
 由布院のお目当ては、温泉ではなく”トロッコ列車”。
 トロッコ列車というのは、窓や壁のない開放的な客車のこと。外の空気を感じながら走ることができるので、全国いろいろなところで、観光列車として走っている。
 由布院から大分まで、そんなトロッコ列車に乗って移動しようという魂胆。

博多駅にて3日目のスタンプ 多 10:28発 快速 荒尾行き
(鹿児島本線 35.7km)
久留米 11:08着 久留米 11:12発 普通 由布院行き
(久大本線 109.0km)
由布院 13:34着
福岡・博多駅

 博多駅で、3つめのスタンプを押してもらう。今日は、いい位置に押してくれた。
 まずは、快速列車で佐賀を掠めながら久留米へ向かう。

福岡・久留米駅

 久留米で、久留米から大分に九州を東西に横断する久大線に乗り換える。
 ここからは、ディーゼル2両編成。
 JR九州は、こんなローカルワンマン列車のデザインもかっこいい。

由布院駅にはホームに足湯がある 由布院 15:11発 快速 トロッコ列車 大分行き
(久大本線 46.7km)
大分 16:49着 トロッコ車内 トロッコからの車窓
夏風が気持ちいい
大分・由布院駅

 列車は定刻どおりに由布院に到着。
 では、まず、温泉! と、行きたいところだが、実は乗り換え時間があまりない。
 そんな、由布院まで来て温泉にも入れないおバカな客のため、かどうかは知らないが、由布院駅の1番ホームには、足湯がある。
 不本意ながら、この足湯で、由布院の湯を満喫したものと見なすことにした。

 が、しかし、ここは真夏の九州のホーム。外気はとっくに30度オーバー。で、そんな真夏日のホームで40度のお湯に足を突っ込むってのは、なんだ、その、あれだ、軽い拷問みたいなものだ...。(まぁ、最初の苦痛を我慢すると、そこそこ気持ちよくはなるけどね...)
 ちなみに、この足湯(足湯のクセに)有料で、大人160円(タオルつき)。入浴料を払えば、切符がなくても足湯に浸かることができる。(涼しくなったら)みなさまも、ぜひ。

大分・由布院駅

 昼飯を食べて、駅に戻ったら、ホームにトロッコ列車が到着していた。
 緑のトロッコが白いディーゼルカーに挟まれて、おいら(と、それ以外の乗客)を待ち構えている。
 「トロッコはカッコいいけど、前後の動力車がなんか、イマイチだな...」と思っていたら、どうも、今日は特別で、いつもは、トロッコと同じデザインのディーゼル車が牽引するのだそうな(って、今日ははずれの日かよ...)。

 トロッコ列車の中やら外やら写真を撮りまくっているうちに、出発時間となる。
 さっそくトロッコに座ってみると、外の風がどんどん入り込んできて、なかなか快適。
 風を感じながら、すぐ近くを流れ行く緑の山々を眺めていると、なんとものんびりした気分になる。
 何も、新幹線や飛行機の小さな窓から外を眺めるだけが旅ではない。
 このトロッコ列車、1枚指定券があると、トロッコの座席と前後の普通車座席の2席が確保される。
 暑いと思ったら、クーラーの効いた車両で涼み、クールダウンしたら、またトロッコと、何度でも移動できる。(まぁ、乗客はほとんどいなかったから、2席といわず、10席ぐらいは余裕で確保できるんだけどね...)

大分 17:17発 普通 佐伯行き
(日豊本線 36.3km)
臼杵 18:00着 臼杵駅
大分・大分駅

 終点大分にて、トロッコ列車を下車。
 駅に着くと、妙なアクセントの”おおいた~”というアナウンスが流れる。(まったく抑揚のない平坦なアクセント、あるいは、これが大分弁なのかも)
 大分からは、四国・八幡浜へ向かうフェリーに乗船するため、日豊本線を南に臼杵に向かう。電車は2両編成で、席が全て埋まるほどの混雑率。
 九州と四国を結ぶフェリーは、別府と臼杵から出ている。本来なら、別府で一風呂浴びて、フェリーに乗りたいのだが、今日中に愛媛・宇和島に着きたいので、先に船がでる臼杵を選んだ。
 ちなみに、明日は、宇和島から出発するトロッコ列車・清流しまんと号に乗る予定。

大分・臼杵駅

 大分から1時間余り。いくつかの山を抜けた後、前方下の方に見える小さな港が見えると、そこご臼杵の港だ。
 石仏で有名な町なのだそうだが、そんなものには目もくれず、フェリー乗り場に向かう。
 駅からフェリー乗り場まで、歩ける距離なのだが、フェリー出発まで30分しかないので、タクシーに乗車する。

 だが、数分後に辿り着いた、フェリー乗り場には、この旅最大のトラブルが待ち構えていた。

無情なる”欠航”のお知らせ 臼杵港 20:40発 フェリー おおいた
八幡港 23:00着
大分・臼杵港フェリーターミナル

 フェリーターミナルの敷地に入ったとたん、タクシーの運転手が「あれ? 欠航かなぁ?」と、不吉なことを呟く。
 いわれてみれば、出発20分前だというのに、妙な静けさ。
 急いでタクシーから降り、窓口に向かうと、無情にも「欠航」の張り紙。
 船の故障のため、便数が半分に減っているのだそうだ。
 次の出発時刻は20時40分。2時間以上のロス。

 この旅のプランを練っていたときから、ある程度運休や電車の遅れを想定していたのだが、唯一リカバリーが効かないと思っていたのが、特急で予定の列車に追いついたり、別線路で迂回することができない、このフェリー航路。
 次の便で四国に渡っても、時間的に普通列車では目的地・宇和島にたどり着けない。
 慌てて、時刻表を捲ると、取れる策は、二つしかないことがわかった。

  • 案A:20時40分のフェリーに乗り、八幡浜で1泊。明日早朝から電車に乗れば、宇和島発のトロッコに間にあう
  • 案B:同じく20時40分のフェリーに乗り、八幡浜から特急に乗り、深夜に宇和島に辿りつく

 とはいえ、案Bには、問題がある。今回の旅で使用している”青春18きっぷ”は、普通列車専用の切符で、特急や新幹線に乗ることはできない。仮に、特急に乗るとすると、18きっぷは乗車券としても無効で、該当区間の乗車券と特急券を買わないといけない。
 これは、耐えがたき屈辱。

 ここは、迷うことなく案Aと言いたい所だが、案Aにも問題があった。
 おいらは、すでに、宇和島のホテルを予約しており、A案を取ると宇和島のホテル代が無駄になるのだ。
 つまり、こういうことだ。
 案Aを取れば、”青春18きっぷの旅”というプライドは保てるが出費が痛い。案Bは、お財布にはやさしいが、屈辱。

 まぁ、どちらにしろ20時40分のフェリーに乗ることには間違いないので、八幡浜に着くまで悩むことにした。

大分・臼杵港フェリーターミナル

 2時間以上の暇が予期せず発生してしまったが、ここは臼杵。周りには、本格的に何もない。観光名所はおろか、コンビニや喫茶店もない。Nothing at all...
 仕方なくフェリーターミナルにいたのだが、このターミナル、クーラーが全く効いていない。換気も悪く、外よりも暑いぐらいの極悪環境。
 その上、従業員のいる窓口の向こうはなにやらクーラーがガンガンに聞いているらしく、女性従業員が寒そうにカーディガンを羽織っている。悲しき格差社会の縮図の中、おいらは負け犬として2時間を耐えることとなる。

大分・臼杵港

 負け犬の2時間を耐え抜いた後、フェリーは無事臼杵港を出航した。

八幡浜 23:27発 特急 宇和海25号 宇和島行き
(予讃線 34.8km)
宇和島 23:56着 屈辱の特急券と乗車券 宇和島駅構内にて4日目に突入
愛媛・八幡浜港

 定刻より10分程早く八幡浜港に到着。
 いよいよ、今後の取るべき道に結論を下す時が来た。

 ま、名より実、世の中金ということで、特急に乗ることにしました。

愛媛・八幡浜駅

 タクシーにて八幡浜駅に移動。
 本来であれば、ここから21:55分発の普通列車・宇和島行き乗車する予定だったが、フェリー欠航のおかげで、普通列車はすでに終了。
 切符販売機にて、屈辱の乗車券、特急券を購入。
「この悲しみを怒りに変え、立てよ国民!」と、呟きながらホームに向かう。

 よく見たらこの切符、今どき珍しい磁気券では無い裏が白い普通の紙の切符。なんか、ちょっと得した気分。
 しばらくしてホームに現れた特急・宇和海25号は、アンパン男デザインの特別列車。
 なんとなく、屈辱が2割ぐらい増した気がしつつ、乗車。
 ここからは、当然JR四国の路線。

愛媛・宇和島駅

 さすが特急、普通列車なら1時間かかるところを30分で到着。
 しかしながら、宇和島の駅を出た時には、日付はすでに8月13日。
 波乱の3日目は、4日目に少し食い込みつつ終了。

3日目乗車距離 262.5km 合計 1,214.2km

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