青春18きっぷを使って、西日本を周遊する旅。
九州に上陸した3日目は、まず由布院へ。
由布院のお目当ては、温泉ではなく”トロッコ列車”。
トロッコ列車というのは、窓や壁のない開放的な客車のこと。外の空気を感じながら走ることができるので、全国いろいろなところで、観光列車として走っている。
由布院から大分まで、そんなトロッコ列車に乗って移動しようという魂胆。
(鹿児島本線 35.7km)
久留米 11:08着 久留米 11:12発 普通 由布院行き
(久大本線 109.0km)
由布院 13:34着
福岡・博多駅
博多駅で、3つめのスタンプを押してもらう。今日は、いい位置に押してくれた。
まずは、快速列車で佐賀を掠めながら久留米へ向かう。
福岡・久留米駅
久留米で、久留米から大分に九州を東西に横断する久大線に乗り換える。
ここからは、ディーゼル2両編成。
JR九州は、こんなローカルワンマン列車のデザインもかっこいい。
大分・由布院駅
列車は定刻どおりに由布院に到着。
では、まず、温泉! と、行きたいところだが、実は乗り換え時間があまりない。
そんな、由布院まで来て温泉にも入れないおバカな客のため、かどうかは知らないが、由布院駅の1番ホームには、足湯がある。
不本意ながら、この足湯で、由布院の湯を満喫したものと見なすことにした。
が、しかし、ここは真夏の九州のホーム。外気はとっくに30度オーバー。で、そんな真夏日のホームで40度のお湯に足を突っ込むってのは、なんだ、その、あれだ、軽い拷問みたいなものだ...。(まぁ、最初の苦痛を我慢すると、そこそこ気持ちよくはなるけどね...)
ちなみに、この足湯(足湯のクセに)有料で、大人160円(タオルつき)。入浴料を払えば、切符がなくても足湯に浸かることができる。(涼しくなったら)みなさまも、ぜひ。
大分・由布院駅
昼飯を食べて、駅に戻ったら、ホームにトロッコ列車が到着していた。
緑のトロッコが白いディーゼルカーに挟まれて、おいら(と、それ以外の乗客)を待ち構えている。
「トロッコはカッコいいけど、前後の動力車がなんか、イマイチだな...」と思っていたら、どうも、今日は特別で、いつもは、トロッコと同じデザインのディーゼル車が牽引するのだそうな(って、今日ははずれの日かよ...)。
トロッコ列車の中やら外やら写真を撮りまくっているうちに、出発時間となる。
さっそくトロッコに座ってみると、外の風がどんどん入り込んできて、なかなか快適。
風を感じながら、すぐ近くを流れ行く緑の山々を眺めていると、なんとものんびりした気分になる。
何も、新幹線や飛行機の小さな窓から外を眺めるだけが旅ではない。
このトロッコ列車、1枚指定券があると、トロッコの座席と前後の普通車座席の2席が確保される。
暑いと思ったら、クーラーの効いた車両で涼み、クールダウンしたら、またトロッコと、何度でも移動できる。(まぁ、乗客はほとんどいなかったから、2席といわず、10席ぐらいは余裕で確保できるんだけどね...)
大分・大分駅
終点大分にて、トロッコ列車を下車。
駅に着くと、妙なアクセントの”おおいた~”というアナウンスが流れる。(まったく抑揚のない平坦なアクセント、あるいは、これが大分弁なのかも)
大分からは、四国・八幡浜へ向かうフェリーに乗船するため、日豊本線を南に臼杵に向かう。電車は2両編成で、席が全て埋まるほどの混雑率。
九州と四国を結ぶフェリーは、別府と臼杵から出ている。本来なら、別府で一風呂浴びて、フェリーに乗りたいのだが、今日中に愛媛・宇和島に着きたいので、先に船がでる臼杵を選んだ。
ちなみに、明日は、宇和島から出発するトロッコ列車・清流しまんと号に乗る予定。
大分・臼杵駅
大分から1時間余り。いくつかの山を抜けた後、前方下の方に見える小さな港が見えると、そこご臼杵の港だ。
石仏で有名な町なのだそうだが、そんなものには目もくれず、フェリー乗り場に向かう。
駅からフェリー乗り場まで、歩ける距離なのだが、フェリー出発まで30分しかないので、タクシーに乗車する。
だが、数分後に辿り着いた、フェリー乗り場には、この旅最大のトラブルが待ち構えていた。
大分・臼杵港フェリーターミナル
フェリーターミナルの敷地に入ったとたん、タクシーの運転手が「あれ? 欠航かなぁ?」と、不吉なことを呟く。
いわれてみれば、出発20分前だというのに、妙な静けさ。
急いでタクシーから降り、窓口に向かうと、無情にも「欠航」の張り紙。
船の故障のため、便数が半分に減っているのだそうだ。
次の出発時刻は20時40分。2時間以上のロス。
この旅のプランを練っていたときから、ある程度運休や電車の遅れを想定していたのだが、唯一リカバリーが効かないと思っていたのが、特急で予定の列車に追いついたり、別線路で迂回することができない、このフェリー航路。
次の便で四国に渡っても、時間的に普通列車では目的地・宇和島にたどり着けない。
慌てて、時刻表を捲ると、取れる策は、二つしかないことがわかった。
- 案A:20時40分のフェリーに乗り、八幡浜で1泊。明日早朝から電車に乗れば、宇和島発のトロッコに間にあう
- 案B:同じく20時40分のフェリーに乗り、八幡浜から特急に乗り、深夜に宇和島に辿りつく
とはいえ、案Bには、問題がある。今回の旅で使用している”青春18きっぷ”は、普通列車専用の切符で、特急や新幹線に乗ることはできない。仮に、特急に乗るとすると、18きっぷは乗車券としても無効で、該当区間の乗車券と特急券を買わないといけない。
これは、耐えがたき屈辱。
ここは、迷うことなく案Aと言いたい所だが、案Aにも問題があった。
おいらは、すでに、宇和島のホテルを予約しており、A案を取ると宇和島のホテル代が無駄になるのだ。
つまり、こういうことだ。
案Aを取れば、”青春18きっぷの旅”というプライドは保てるが出費が痛い。案Bは、お財布にはやさしいが、屈辱。
まぁ、どちらにしろ20時40分のフェリーに乗ることには間違いないので、八幡浜に着くまで悩むことにした。
大分・臼杵港フェリーターミナル
2時間以上の暇が予期せず発生してしまったが、ここは臼杵。周りには、本格的に何もない。観光名所はおろか、コンビニや喫茶店もない。Nothing at all...
仕方なくフェリーターミナルにいたのだが、このターミナル、クーラーが全く効いていない。換気も悪く、外よりも暑いぐらいの極悪環境。
その上、従業員のいる窓口の向こうはなにやらクーラーがガンガンに聞いているらしく、女性従業員が寒そうにカーディガンを羽織っている。悲しき格差社会の縮図の中、おいらは負け犬として2時間を耐えることとなる。
大分・臼杵港
負け犬の2時間を耐え抜いた後、フェリーは無事臼杵港を出航した。
愛媛・八幡浜港
定刻より10分程早く八幡浜港に到着。
いよいよ、今後の取るべき道に結論を下す時が来た。
ま、名より実、世の中金ということで、特急に乗ることにしました。
愛媛・八幡浜駅
タクシーにて八幡浜駅に移動。
本来であれば、ここから21:55分発の普通列車・宇和島行き乗車する予定だったが、フェリー欠航のおかげで、普通列車はすでに終了。
切符販売機にて、屈辱の乗車券、特急券を購入。
「この悲しみを怒りに変え、立てよ国民!」と、呟きながらホームに向かう。
よく見たらこの切符、今どき珍しい磁気券では無い裏が白い普通の紙の切符。なんか、ちょっと得した気分。
しばらくしてホームに現れた特急・宇和海25号は、アンパン男デザインの特別列車。
なんとなく、屈辱が2割ぐらい増した気がしつつ、乗車。
ここからは、当然JR四国の路線。
愛媛・宇和島駅
さすが特急、普通列車なら1時間かかるところを30分で到着。
しかしながら、宇和島の駅を出た時には、日付はすでに8月13日。
波乱の3日目は、4日目に少し食い込みつつ終了。
3日目乗車距離 262.5km 合計 1,214.2km
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