8つの乗り物を乗り継いで、3000メートルを超える立山を超える山岳ルート、立山黒部アルペンルート。
ルート内の最高地点室堂を超え、後編ではルートのもう一つのハイライト黒部ダムへ向かいます。
立山・室堂駅
雪の断崖絶壁見物を終え、立山黒部アルペンルートの再開。
次の乗り物は、トロリーバス。トロリーバスというのは、モーターで走るバス。だったら電気自動車と言えよと思うかもしれないが、今どきのバッテリーで走る電気自動車とは少し仕組みが違う。電気はバッテリーから供給されるのではなく、電車のようにバスの頭上の架線から供給される。当然、路面電車のように天井からはトロリーポールが伸びていて電線の下しか走ることはできない。
1950年代ごろは東京を始めとする全国の主要都市でトロリーバスが走っていたのだが、その後市電に置き換えられ(その市電も、地下鉄に取って代わるわけだが)姿を消した。現在では、日本でトロリーバスが走っているのは、立山黒部アルペンルートの2ヶ所のみとのこと。
トンネル内は一車線分しか幅がないので、単線鉄道のように信号によって制御されて、行き違い運転を行う。ちなみに、法律上は完全に鉄道の扱いで、鉄道関連法規にしたがって安全運行されているらしい。
そんなトロリーバスが走るトンネルは、標高3015メートルの立山の真下。3.7キロのトンネルを抜けると眼下に黒部ダムを望む大観峰に到着する。
立山・大観峰駅
大観峰でロープウェイに乗り換える。
立山ロープウェイは大観峰から黒部平までの1.7キロを結ぶ路線なのだが、その間支柱が一本もない。
そのため、世の中にロープウェイは数あれど、このロープウェイの浮遊感は段違いで、窓から見える景色は文字通り”上空”からの景色になる。
立山黒部アルペンルートは、なんだかんだ言ってトンネルの中が多いので、景色を堪能できるという意味では、このロープウェイに勝るものはない。
大きな谷を超えて到着した場所は、標高1828メートルの黒部平。大観峰に比べて、黒部湖が大きく見えてくる。
立山・黒部平駅
お次は、本日2度めのケーブルカー。こいつは全線トンネルのケーブルカーで、景色は一切見えない。約5分であっという間に終点黒部湖に到着。
ところで、このケーブルカー、しきりに日本で唯一の全線トンネルのケーブルカーを名乗っているのだが、全線トンネルのケーブルカーといえば、以前このブログでもご紹介した青函トンネル竜飛斜坑線があるんだけどなぁ。
立山・黒部湖駅
ケーブルカーを降り、トンネルを抜けると、そこは黒部ダム。
ここで黒部ダムの遊覧船ガルベに乗るつもりだったのだが、遊覧船は6月から運行で、ゴールデンウィーク期間中は営業していないのだそうな。リサーチ不足だった...。
黒部湖駅から次のトロリーバスの乗り場黒部ダム駅までは、黒部第四ダムの堰堤の上を600メートルほど歩いて移動することになる。
どうでもいいのだが、この日、えらく体調が悪く高熱にうなされていたため、歩いて15分ほどが地獄の行進でしたわ。
立山・黒部ダム駅
さて、黒部ダムから先は、以前、関西電力黒部ルート 黒部峡谷地下の旅で紹介したルートなので、ざっと紹介。というか、もう体調が激悪でただ呆然と帰宅しただけで、写真も記憶もほとんど残ってないんだよね。
黒部ダムから扇沢までは、この度二度目の登場のトロリーバスで移動。このルートは、元々は黒部ダム建設のために開かれたトンネルで、ダムを保有している関西電力が現在でもトロリーバスを運営している。ちなみに、この辺りは関西電力ではなく北陸電力の管轄。なんだか複雑だ。
関電トンネルトロリーバスの終点扇沢からは、普通の路線バスに乗り換えて、大糸線の信濃大町駅へ移動する。
バスで山を下ること40分で信濃大町駅へ到着。
ここからは、あずさ、しなのとJRの特急を乗り継いで、名古屋に帰りました。
日本屈指というか唯一無二の山岳観光ルート立山ケーブルカーの旅も終了。
今回は、ルートの乗り物をざっと乗りつぶしただけの旅だったが、立山は自然の宝庫。美女平や室堂、そしてそこから高原バスで訪れる弥陀ヶ原(みだがはら)周辺には遊歩道が整備されていて、ハイキングには最適の場所。次は、トレッキング・シューズで訪れたいものです。
黒部ケーブルカーはたしかに日本では唯一の全線地下式ケーブルカーです。
返信削除紛らわしいのですが、細かく言うと青函トンネルの方のケーブルカーは上の駅が地上の建物の中にあります。全線が地下にあるように思えますが違います。
一方、黒部ケーブルカーは黒部平駅の乗り場ホームも地下にあるため全線地下式ケーブルカーと言えます。
なるほど。
返信削除確かに青函トンネルの乗り場は、1階でした。
情報ありがとうございました!