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2011/11/25

明石海峡大橋・主塔登頂 ブリッジワールド

 突然だが、日本一高い展望台はどこでしょう?
 来年春からは、もちろん東京スカイツリーで、第2展望台の高さは、東京タワーのてっぺんよりも100メートル以上高い450メートル。
 では、現時点では? というと、東京タワーの特別展望台(250メートル)かと思いきや、そうではなくて、横浜ランドマークタワーの最上階・69階の展望フロアで、その高さは273メートル。常時、一般客が入場できる施設としては、これが最高となる。
 が、しかし、ランドマークタワーよりさらに20数メートル高い場所に登れる施設が、実は、日本にあと1箇所ある。
 それは、海面下の高さ298メートルを誇る世界最長の吊橋・明石海峡大橋の主塔だ。
 明石海峡大橋では、ブリッジワールドと名付けた、主塔を登るツアーを開催しており、予約制ながら一般人でも主塔のほぼ頂上を見学することができるのだ。

 というわけで、青函トンネル海底駅(今は、北海道新幹線の建設のため見学を中止してるんだよね)、関西電力黒部ルートに続く、制限区域潜入シリーズの第3弾として、明石海峡大橋ブリッジワールドをレポート。(完全なる後付シリーズやね)

舞子公園内橋の科学館で集合
(左上・右上)説明を受けたあと、橋の科学館を見学
いよいよ、主塔へ出発
神戸・舞子公園

 ブリッジ・ワールドは、午前、午後の2回あって、おいらは午後の部に参加。
 午後1時半に明石海峡大橋の神戸側の玄関口舞子公園にある橋の科学館に集合。
 入り口で参加料を払うと、会議室に案内され、指示された席へ向かうと、そこに青いヘルメットと作業用のジャケットが用意されている。うん、こういうのがあると、何かテンションが上がりますな。
 ここで、まず注意事項の説明を受ける。カメラやケータイの持ち込みは可能だが、落下を防ぐためネックストラップへの接続が必須だそうな。ま、確かに、上空300メートルからケータイが降ってきたら、「気の毒だが、auケータイには大気圏を突破する性能はない」と言わざるを得ないぐらい、ヤバい状態になるわな...。
 説明が終わると橋の建築過程を記録した感動のドキュメントDVDを見せられる。いや、鑑賞させていただく。(内容はともかく、映像が古い。明石開通大橋が開通したのが1998年だから、10年ぐらい前の映像だと思うが、雰囲気的には、「高度成長期の『記録映画』」。)

神戸・橋の科学館

 その後、橋の科学館を解説付きで見学。
 明石海峡大橋の建築方法、使用された技術なんかを中心に橋の構造学をわかりやすく展示してある。
 この科学館自体は、結構面白いだけど、おいら、以前、国道28号線の旅の時に見学したんだよね...。

神戸・舞子海上プロムナード

 舞子公園には、明石海峡大橋のワイヤーを支える重石(アンカレイジ・神戸川側1Aで、淡路島側が4Aと名付けられている。ちなみに主塔は、神戸側が2Pで、淡路島側が3P)がある。
 その内部のエレベータを登った橋の下部は、”舞子海上プロムナード”と名付けられた海面下約50メートルの海上回廊として、一般公開されている。
 その途中から関係者専用通路に入り、いよいよ、主塔見学へ出発する。

道路の下の作業用の通路を徒歩で移動 1キロ歩いてようやく主塔へ到着
この場所で海面下67メートル。
神戸・明石海峡大橋道路下

 近そうに見えるのだが、海上にそびえ立つ主塔までの距離は約1キロ。しかも、微妙に登っている。
 その間は、道路の下にある作業用通路を歩いていく。作業用の通路と言っても、作業者が通行できるようになっているので、幅は2車線分以上ある。
 ただ、橋の重量を軽減し、また、風の抵抗を減らすため、足元はスカスカの鉄枠で、遥か遠くの海面を眺めながら歩くことになる。とはいえ、揺れは少なく、また、作業用通路がデカイせいもあり、あまり怖さは感じなかった。
 ちなみに、ツアーの参加者には、トランシーバーが貸与されていて、連絡はイヤホンを通して連絡される。いや、なんか『作業関係者』気分ですわ。

主塔頂上へはエレベータで一気に上昇 扉が開くと青空が、そして、その向こうには...
神戸・明石海峡大橋主塔「2P」

 のんびり20分ほどかけて、主塔の真下に到着。この地点で、海面より約67メートルだそうだ。
 ここから主塔の頂上へはエレベーターで昇っていく。頂上の定員の関係で、ツアー参加者は、3班に分かれて、順番に頂上へ向かう。
 おいらの順番は3番目で、それまで、しばらく待機となる。
 そして、待つこと15分ほどで、いよいよ、おいらの班の出番。
 主塔の脇に開いた小さな入り口から中に入り、エレベータへ向かう。狭さといい、段差のある通路と言い、どこかフェリーの船内の雰囲気。
 入り口から数メートル先にエレベーターが見える。エレベーターは、殺風景といえば殺風景だが、割と普通のビルのエレベーターといった風情。
 乗り込んでみても、やはり、どうってことのないエレベーターで、違いがあるとすれば、通常行き先のフロアを指示するボタンがある場所に、主塔の図が書き込まれていて、現在のエレベーターの大体の位置が示されることぐらい。
 主塔は、上層階に向かうほど細くなるため、エレベーターも真っ直ぐ上昇するわけではなく、そのせいで、途中で、1カ所大きく揺れる。ただ、それ以外は静かなもので、1分ほどであっけなく頂上に到達した。
 エレベーターから出た部屋は、それこそ船倉といった暗くて狭い空間。どこから、外に出るのだろうと思っていると、天井の一部がスライドして、出口が現れた。そこから見えるのは、晴れ渡った空。

本州・神戸方向 真下を見下ろす。車がちっちぇー! 淡路島方向
神戸・明石海峡大橋主塔頂上

 天井に繋がる階段を登ると、待ち受けているのは地上300メートルの世界。
 まず目に入ったのは、主塔の最上部。我々が見学できる場所は主塔のほぼ頂上なのだが、もうちょっとだけ高いケーブルを支える部分があって、ま、ちょっとだけがっかり。それでも、それを除けば、360度全て青空なので、自分がとてつもなく高い場所にいることはすぐに実感できる。
 頂上の広さは20畳ぐらいかな? 15人が一度に見学者するのだが、そんなに窮屈な印象はない。
 もちろん、周囲にはしっかりとした柵に覆われていて、柵に近付かない限りは海面は見えない。おそるおそる柵に近付き、そこを覗き込むと....。

 た、高い......。

 真下の道路を走る車は、豆粒以下。少し目線を上げて陸を見ると、神戸の街はもちろん、その背後の六甲山まで、見下ろしているような錯覚に陥る。 そして、振り返ると淡路島がすぐ近くに...。
 まぁ、景色は絶景ですごいんだけど、なにより驚いたのは、こんなデカイものを作っちゃったってことだよね。
 技術もすごいし、国家予算ってのもすごいですわ...。
 ちなみに、写真に橋を支えるケーブルが写っているけど、メンテナンスの時は、おっさんがこの上を歩くんだって....。俺は、どれだけ金を積まれても、絶対にムリ。ホント、ムリ...。

参加のおみやげは、DVDか吊り橋を支えるケーブルの切れ端 本州四国連絡高速道路株式会社の
マスコット『せとうちわたる』さん
神戸・橋の科学館

 15分の見学時間はあっという間に終わって、下山開始。
 来た時と同じくエレベータで管理用通路に降りて、陸までとぼとぼ歩いていく。
 最後は、集合場所の橋の科学館の会議室に戻って解散。
 その時、お土産として「明石海峡大橋特製DVD」(集合時に見たやつ)か「つり橋を支えるケーブルの切れ端」どちらかをもらえる。係の方に、どちらがいいか希望を聞かれるんだけど.....
 いや、ほら、どちらがいいかと聞かれましても....。 (ちなみに、この二つは、橋の科学館のお土産として通常販売されているので、神戸にお越しの際は、ご家族、同僚へのお土産にぜひ)
 心温まるお土産を手に、橋の科学館を出て行こうとしたら、巨大な本州四国連絡高速道路さんのマスコット「せとうちわたる」くんを発見。
 おいらは、数あるゆるキャラの中でも、わたるくんが結構気に入っていて、ストラップとかも持ってるんだよね。
 なにが、かわいいってさ、わたるくんのモチーフって、多分、橋の”断面”なんだよね。「断面」のキャラクターって、なかなか斬新で、他にはない気がしないかい?

 あれ?
 巨大わたるくんを見ていて、ふと、あることに気がついた....。
 わたるくんは頭に車が乗せていて、これは、橋の上を車が走っているイメージなんだと思うんだよね。
 でもさ、本州と四国を結ぶ大きな橋は、基本的につり橋(あるいは、斜張橋)なんだよね。つり橋の場合、主塔から道路を釣る形になるので、車が走る場所は、橋の真ん中あたり。わたるくんで言えば、土手っ腹ってことになる。
 橋の柱の上に道路があるのは、近所のどぶ川の上にかかっているような小さな橋(桁橋、アーチ橋やラーメン橋)のはず...。
 図にすると、こうなる。

 わたるんくんの頭にある車は、吊り橋で言えば、主塔の頂上に当たる(緑色の丸印)が、本来、車が走っている場所はわたるくんのお腹のあたり(紫色の丸印)である。
 橋の頭の上を車が走るのは、写真の下部分のような、どこにでもある小さなタイプの橋となる。

 う~む、するってーと、アレかい?
 わたるくんは、世界的規模の橋を多数所有する本州四国連絡高速道路の従順なマスコットの振りをしながらも、心の奥底では、
「橋ってのはさぁ。大きさとか高さじゃないんだよ。名もなき川にかかる無数の橋。人々の毎日の生活を陰で支える橋こそが、本当の橋なんだよ」
ってな、思いを抱いているって、ことなのかい?
 国土交通省の天下り団体たる本四道路への反骨なのか、秘めたる思いを胸にいだいた静かなるレジスタンス。わたる。見直したぜ!

 高いところの景色ってのは、どこでも素晴らしいんだけど、この明石海峡大橋のすごさは、風が吹き込む”外”ってことと、海の中に建っているので周りに何もないこと。
 海にそびえ立つ塔っていう価値は、高さに勝る東京スカイツリーが開業した後でも色あせない気がする。
 そんなに参加者の競争倍率は高くないみたいなので、興味がわいた方は、ぜひ一度ブリッジ・ワールドへ参加してみてくださいませ。

 さて、次回は、冬休みの旅行記ですかね。多分、久々の長距離国道の旅になるはずです。

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