2013-02-18

種子島 H-IIAロケット打ち上げ見物(#1 打ち上げ見物編)

 種子島に行って来ました。
 お目当ては、もちろんロケット打ち上げ見物!
 見に行ったのは、我が国が誇る人工衛星打ち上げロケットHⅡ-A22号機の打ち上げ。
 あと、種子島には、鹿児島から沖縄本島まで繋がる国道58号線もあるし、鹿児島から種子島への移動には、憧れの水中翼船・ジェットフォイルに乗ることができる。さらに、帰りは、これまた念願の九州新幹線にも乗車。
 なんだか、至れり尽くせりの旅行でした。

国道58号線鹿児島市内終点 かごしま水族館いおワールド レッドペッパー
鹿児島・鹿児島本港南埠頭

 種子島へは、名古屋から飛行機で鹿児島に向かい、そこからジェットフォイルに乗り換えて種子島に向かうという、結構な長旅。
 鹿児島空港から鹿児島市街地まではバスで1時間ほど。ジェットフォリの出港する鹿児島本港の南埠頭に着いたのだが、出発時間まで2時間ほど時間がある。
 で、まずは、すぐ近くのいおワールド かごしま水族館を見学。
 予想外に結構大きな水族館で、コストパフォーマンス良好なんだけど、これといった目玉がないんだよね。
 あえていうと、ジンベイザメが泳いでいるところが目玉かな。頭上を泳ぐ様は、圧巻です。
 そういえば、水族館のすぐ近くに、国道58号線の鹿児島市内区間の終点がある。この続きは、種子島の西之表港から始まり、さらにその後は、奄美大島を経て、沖縄本島に続く。(沖縄本島の国道58号線の旅は、こちら参照。)
 ちなみに、国道58号線の海上区間のうち、船で航路が結ばれているのは、これから出港する鹿児島本港と種子島の間のみで、あとは、全く繋がっていないんだよね。

鹿児島・レッドペッパー南埠頭店

 で、水族館の後は、昼食。
 フェリー埠頭の目の前のハンバーグ屋さんに入ったんだけど、これが、大当たり。
 鹿児島市内に2店舗あるRed Pepperというお店。
 生焼けのハンバーグを熱々の鉄板でジュウジュウ温めてから食べるというスタイルだが、肉の旨さが半端ない。
 本州のハンバーグ屋のキングは、静岡の炭焼さわやかだけど、九州部門は、Red Pepperさんと認定させて頂きます。

水中翼船ジェットフォイル
鹿児島・鹿児島本港南埠頭

 で、腹ごしらえを終えた所で、いよいよお待ちかねのジェットフォイルに乗船。
 ジェットフォイルというのは、ボーイング社が開発した水中翼船。水中翼船とはなにかと言えば、簡単にいえば”翼が生えている船”。
 翼が生えているといっても、翼は水の中にあるので、見かけは完全にただの船に見える。けれども、走りだすと水中に翼があるため翼に揚力が発生して、船体が持ち上がってくる。
 船体が浮いている分、水の抵抗が減るので、時速80キロという船とは思えない猛スピードで突進することができる。
 周りの漁船や貨物船を追い抜かす様子は、まるで新幹線と貨物列車のよう。

 で、乗り心地だが、確実に、船とは違う乗り物。驚くほど、揺れない。船ではないし、かと言って、飛行機でもない。まるで、タイヤで海の上を走っているような、驚きの感覚。
 船にめっぽう弱いおいらも、これなら絶対に酔わない。
 そして、かっこいいのが、曲がる時。翼を操作して旋回するので、飛行機のように胴体を傾けながら曲がっていく。なんだか、異次元のスゲー乗り物ですたい!

種子島宇宙センター 宇宙科学技術館 (上)竹崎展望台からの発射台を望む
(下)竹崎展望台は、山の斜面に沿って建物が建てられている それにしても、きれいな場所にありますな
種子島・種子島宇宙センター

 種子島に上陸したら、レンタカーを借りて、早速、種子島宇宙センターに向かう。
 ジェットフォイルの到着した西之表港は、島の北の方にあるのだが、宇宙センターはちょどその反対側島の南東の端っこにある。距離は、70キロほどで車で1時間少々かかる。

で、島を縦断して、種子島宇宙センターに到着。
 さっそく、見学施設・宇宙科学技術館を訪問。
 普段は、宇宙センターの中の道は、比較的自由に走行できて、ロケットの発射場を丘の上から見下ろすことができるのだが、今回は打ち上げ前の厳戒態勢ということで、一般客は宇宙科学技術館の周辺しか入ることはできなかった。
 さらに、明日になると宇宙センターはおろか、半径3キロ圏内が立入禁止となるので、このあたりを見学できるのも今の内ということになる。
 宇宙科学技術館でロケットのあれこれを学んだ後、近くの竹崎展望台に移動して、ロケット発射場を観察する。
 この竹崎展望台は、ロケットの打ち上げが行われる時にマスコミが撮影を行う場所で、普段、我々がニュースで見るロケット打ち上げの映像はここから望遠で撮影されたもの。
 今回も、打ち上げの瞬間を取材するため、各種マスコミが場所取りを行なっていた。
 打ち上げは、翌日の13時40分で、ロケットはまだ組立棟の中に格納されていて、姿を表していない。

組立棟から発射地点へ移動するH2Aロケット
種子島・種子島宇宙センター

 で、6時間後の深夜、再び、種子島宇宙センターに向かう。
 こんな夜中に、何をしに行くのかというと、打ち上げ予定時刻から13時間ほど前に、ロケットは組立棟から500メートルほど離れた発射台に移動するので、その様子の見物に向かうのだ。
 普段の打ち上げだと、このロケット移動は打ち上げ前の一大イベントで、予定時刻もそれなりに大々的に公表されるのだが、今回は打ち上げる衛星が軍事衛星ということで、時刻は非公開。
 そんなわけで、いつ始まるとも知れない、ロケットの移動を寒空の下待ち続けた。

 そして、日付が変わる直前、宇宙センター内にロケット移動開始の放送が流れ、HⅡ-Aロケットがその威容を現した。
 ロケットの全長は53メートルなので、ビルで言えば20階近い高さ。その巨大な物体が移動するのだから、遠くから見ても迫力がある。
 500メートルを30分というと遅いように思えるが、実際見てみると、その巨大さのせいか結構あっという間に移動する。
 ロケットは、発射台に乗せられた状態で組立棟で、組み立てられて、発射台にのったまま、発射場に移動して打ち上げられるのだそうだ。発射台は、ドーリーと呼ばれる特殊車両に乗って移動するらしいのだが、ドーリーの姿は今ひとつ、確認できませんでした。
 ちなみに、見学した場所は、竹崎展望台の近くの固定ロケット発射場に向かう道路の脇。結構よく見える穴場です。

打ち上げ見学会場から発射場を見下ろす

打ち上げカウントダウン!

ロケット雲
種子島・長谷展望公園

 で、いよいよ打ち上げ当日。
 打ち上げ当日は、発射地点から3キロ以内が立入禁止となるので、3キロ以上離れた見学場所から、打ち上げを見守ることになる。
 おいらが陣取った長谷展望公園は、ロケットが打ち上げられる大崎射場から4キロほど離れた高台にあり、ロケットを見下ろす形で見学することができる場所。
 天気は、あいにくの曇り空で、さらに、風が強くて寒いことこの上なし。まあ、そんな見学者の都合など関係ないロケットさんは、淡々と打ち上げ準備を進めているらしく、会場に設置されたスピーカーから「X-(マイナス)40分」などといった、カウントダウンが聞こえてくる。
 軍事衛星の打ち上げで、華々しく宣伝されなかったせいなのか、寒さのせいなのか、見学者は500人ぐらい(?)で、結構悠々と場所を確保することができた。

 カウントダウンが1桁になると、自然と会場全体に大合唱が起こり、ゼロの掛け声とともに、ロケットの巨大な胴体が持ち上がった。ただ、そこから先は、雲が低かったせいで、あっという間に、ロケットの姿が雲の中に消えていってしまった。
 時々、雲の隙間から白煙が見えると、その度に大歓声が上がる。が、それも、3回ほどで、どこまでも伸びる白煙を残してロケットは、すぐに見えなくなってしまった。
 意外と、あっさりと打ち上げは終わってしまったのだが、4キロも離れているのに、エンジンの音はしっかりと大迫力で響いてきて、宇宙空間まで上昇するロケットの力強さを感じることはできました。
 「もう少し雲が無かったらよかったのになぁ」と思いつつも、ロケットの打ち上げの成功を祈りながら会場を後にした。
(もちろん、ロケットの打ち上げは成功して、無事衛星軌道に情報収集衛星を投入できたそうです)

別の打ち上げ会場”宇宙ヶ丘公園”
種子島・宇宙ヶ丘公園

 ところで、JAXAが公認するロケット打ち上げ見学場所は、長谷展望公園以外に2ヶ所ある。
 そのうち、一つの宇宙ヶ丘公園を通りかかった。
 こちらの方が、実は長谷展望公園よりも眺めが良さそう。特に、長谷では打ち上げ台の半分ほどがロケット組立棟に隠れてしまっているのだが、ここからは、視界を遮られることなくバッチリ見える。(ちなみに、HⅡ-Bを打ち上げる第2射場は、長谷からでもよく見えたので、HⅡ-Bの時は問題なしんほはず)
 ただし、宇宙ヶ丘公園の方が、見学できる場所も駐車場も狭いので、良い見学場所を確保できなかった場合のリスクが高いかも。(長谷のほうが圧倒的に広い)
 で、ロケット打ち上げの興奮冷めやらぬおいらだが、種子島に来たからには、もう一つやらねばならぬことがある。そう、国道58号線・種子島区間制覇のため、国道58号線種子島区間の終点、島の南西にある島間港に向かった。

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