IT Penguin

2015/01/14

日韓共同きっぷで板門店訪問(#1 日韓共同きっぷ編)

 "日韓共同きっぷ"という切符がJR各社(東海、西日本、四国、九州)から発売されている。
 1枚の切符でJRとフェリーと韓国の新幹線KTXを乗り継いで、日本からソウルへ行くことのできるという切符である。
 JR各社によって多少内容が異なるのだが、名古屋からの場合は、新幹線で小倉まで向かい、そかから在来線で下関駅へ。下関港からはフェリーで釜山に渡った後、KTXでソウルに行くというルートとなっている。
 名古屋発ソウル行なんていう切符を手にすることも、船で海外へ行くこともめったにできないことなので、これを見逃す手はなく、当ブログ初の海外の旅へ出発してみた。


 ところで、"日韓共同きっぷ"だが、どこでも買えると言うわけではなく、JR各社指定の旅行代理店の窓口で購入することになる。
 名古屋の場合、購入できるのはJR東海ツアーズ名古屋支店の1ヶ所のみ。日韓共同きっぷを担当しているという方が言うには、「年に数枚も出ない」ぐらい、かなり売れていない切符らしい。
 それも当然で、JR各社はほとんど宣伝しておらず知名度はゼロに近いし、なによりも値段があまり安くない。もちろん、通常料金の新幹線+フェリー+KTXよりははるかに安いのだが、今時の格安航空券と比べたら、倍以上の値段で、しかも移動時間は何倍も必要である。
 買うのは、よほどの物好きしかいないと思われる。(ただし、年末年始の繁忙期なら、多少お得感があるかも)
 そんなわけで、切符を買うにも一苦労で、担当者がいないやら、書き損した(チケットは手書き)やらで、JR東海ツアーズに通うこと3回でやっとチケットを入手できた。
 "1枚の切符"と言ってきたが、厳密には4枚複写のチケットで、1枚目が控え、2枚目がJR、3枚目が関釜フェリー、4枚目がKorail(韓国鉄道公社)のチケットとなっていて、そのチケットを囲むように表紙と裏表紙が付けられている。
 切符の左上には、"名古屋→小倉→下関→釜山→ソウル"の文字が書かれていて、なんだかテンションが上がってくる!
 2014年12月28日、日韓共同きっぷを片手に、出発の地・名古屋駅に向かう。

名古屋 12:11発 ひかり467号 岡山行 → 新大阪 13:03着 新大阪 13:20発 さくら589号 鹿児島中央行 → 小倉 15:31着 小倉 16:10発 普通 下関行 → 下関 16:32着
名古屋・名古屋駅

 "日韓共同きっぷ"は、複写式の紙の切符なので、当然自動改札機は通過できない。名古屋駅の新幹線改札口から駅員に切符を見せて、通過しようとしたが、案の定
「これは何ですか?」
 という反応。対応したおっさんでは処理できず、裏に回っていろいろな人に確認を取った上、「どうぞ」と通してくれた。もしかしたら「これが噂の...」といった反応を得られるのではないかとも思っていたが、違ったようだ...。
 結果、帰省ラッシュの最中の忙しい時期なのに、改札口には長蛇の列が並ぶことになった。別に、おいらが悪いわけでないのだが、白い視線を感じつつ新幹線ホームへ向かう。
 日韓共同きっぷは、"のぞみ"は選択できなず、"ひかり"、"さくら"、"こだま"を乗り継いで小倉駅に向かうことになる。
 おいらは、新大阪まで"ひかり"、そこから"さくら"というルートになった。さくらの指定席は、2X2列シートで東海道新幹線よりもかなり広々としており快適。
 小倉までの2時間あまり伸び伸びと旅をすることができる。

北九州・小倉駅

 小倉駅からは、在来線に乗り換えて下関に向かう。
 新関門トンネルで九州に到着して、すぐさま今度は関門トンネルで本州に出戻り。九州の滞在時間は1時間足らず。
 なお、日韓共同きっぷは、下関ルート以外に、博多駅から博多港に向かって、高速船(ジェットフォイル)で釜山ルートもあるのだが、名古屋発着の切符ではこちらのルートは選択できない。

(上)下関港国際フェリーターミナル
(下)関釜フェリー 星希(SEONG HEE)
下関港 2014/12/28 19:45発 → 釜山港 2014/12/29 8:00着 (上)下関港
(下)2等客室
下関・下関駅

 途中の門司駅10分ほど停車し、小倉から20分で広大な貨物ヤードが広がる下関駅に到着する。
 改札で日韓共同きっぷを見せるが、ここでは名古屋駅と違って「見慣れた切符」という風情で通過させてくれる。
 改札を出て下関国際フェリーターミナルに向かうのだが、ペデストリアンデッキを歩いて10分弱と意外と遠い。
 韓国に向かうフェリーなので、途中で韓国語を話す乗客と何人か出くわす。
 フェリーターミナルの窓口で、日韓共同きっぷと燃油サーチャージ、ターミナル使用料を支払ってボーディングパスを受け取る。
 日韓共同きっぷのフェリーの運賃は2等室の運賃で、大部屋なのだが部屋割りがされ、ボーディグパスに指定の部屋番号が記載される。

下関・下関港

 出航の45分前になると乗船手続きが始まる。国際航路なので、船に乗る前には出国手続きと通関手続きが必要となる。大きさこそ小さいものの空港のそれと変わらないイミグレーションがフェリーターミナル内に設置されている。
 無愛想な入国管理局のおっさんがパスポートにスタンプを押して、無事出国手続き完了。
 通関を通るとすぐに目の前に船の乗船口がある。制限区域にあるのは、他には小さな免税店のみである。
 乗船口の向こうに停泊している船は、韓国・釜関フェリーの星希(ソンヒ)。日本の関釜フェリーと共同運航を行っていて、基本的に隔日で双方の船が下関を出港する。本日は、星希の日ということで、乗った瞬間から韓国に一歩足を踏み入れた雰囲気となる。
 日本語の表記やアナウンスはあるものの基本的には韓国籍の船で、売店で売っているものは全て韓国国内で販売されている商品である。(ちなみに、決済は円でもウォンでも可能)

 とりあえず、おいらに割り当てられた部屋に向かい、居場所を確保する。部屋の大きさは、定員十数名、一人一枚、通常の7割程度の大きさの細長い布団セットとやたらと高くて硬い枕が割り当てられる。
 入口近くの場所に布団を敷いて、陣地を確保する。
 隣には、学生3人組がいたのだが、話を聞いてみたら彼らも"日韓共同きっぷ"で東京からやってきたのだという。一応、おいらのほかにも物好きはいるらしい。
 出航は19時45分。船内を見学し、デッキから下関の夜景を見送り、船内の大浴場でシャワーを浴びたら、もうすることがない。
 あまりに退屈で、22時には就寝。

(上)釜山港入港
(下)釜山港国際フェリーターミナル 釜山の地下鉄
中央駅 → 釜山駅 釜山駅 釜山 10:30発 KTX128号 幸信行 → ソウル 13:14着 KTX車内
釜山・釜山港

 下関と釜山の間は200キロぐらいしかない。時速30キロだとしても7時間で到着する。実は、午前3時ぐらいには、釜山の港の沖合いに到着していて、通関が開く早朝まで待機しているのだそうな。
 ウトウトしていたのでよく分からないが、確かに3時過ぎぐらいに目が覚めたときは、船は止まっていたような気もする。
 午前6時ごろ船が動き出し、釜山港に入港する。接岸後、しばらくたった午前8時にようやく下船することができる。
 入国手続きを終えて、いよいよ韓国に入国。
 とりあえず、「現金ないと怖いのねん」というボンビー様の教えを胸に、ATMでウォンを引き出そうとするのだが、ATMが突如フリーズ。クレジットカードが飲み込まれたまま出てこなくなった。かなり焦ったのだが、数分後、何事もなかったのかのようにエラー画面と共にカードが吐き出され、事なきを得た。
 気を取り直して、別の銀行のATMから現金を引き出して、釜山港のフェリーターミナルを後にする。

釜山・釜山駅

 次は、KTXに乗車するため釜山駅に向かう。釜山港と釜山駅の間にはシャトルバスが運行されているのだが、せっかくなので地下鉄に乗ってみようと地下鉄・中央駅に向かう。
 歩いて5分ぐらいで中央駅に到着。近くのスタバで朝食を食べた後、1駅先の釜山駅に移動する。
 ここでもまた、地下鉄の切符の自動販売機がフリーズし、現金が飲み込まれるトラブルが発生。なんだか、ツイてない。(ちなみに、おいらは前厄)
 釜山駅で地下鉄を降りて、地上に出ると巨大な釜山駅が目の前に現れる。
 KTXの乗り場を目指して、駅構内に向かうと、駅の入口で音楽に合わせて踊る3人の集団。なんか見覚えがあるぞとおもったら、なんと天理教の皆様。意外と手広くやってますな。

 さて、いよいよKTXに乗車。KTXは、フランスTGVをベースに開発された高速鉄道。20両編成(ただし、前後2両は動力車なので、客車は18両)の車両がソウル-釜山間を2時間強で結んでいる。
 車体の大きさとかは基本的にTGVと同一で、日本の在来線特急とほぼ同じ大きさ。2X2列シートで、座席が回転できないため、車両中央を中心にお見合い形式で座席が固定されている。つまり、座席指定でハズレを引くと、逆向きで終点まで連行されることになる。
 改札はないため直接ホームに向かい、車両横のLED掲示板で列車番号と号車番号を確認して、車両入口へ。
 ホームと車両の間は少し間が開いていて、高さも違うため階段を登る感じで列車に乗り込むことになる。
 日韓共同きっぷで指定された座席に座ってしばらくすると、あまり大きなアナウンスもなく静かに列車が発車する。モーターのない純粋な客車なので、実に静かな車内である。
 年末のせいなのか、いつも通りなのかはわからないが、車内は満席となっている。
 日本で発行された手書きの切符で本当に乗車できるのかやや不安だったが、検札に来た車掌に切符を見せたら、あっさり検札完了した。

(上)ソウル駅
(下)ソウル駅旧駅舎 ソウルの地下鉄
(左下)1回用の乗車券
(右下)ストラップ型のIC乗車券
ソウル・ソウル駅

 いくつかの駅に停車した後の2時間半後、KTXはソウルに到着する。実は、ソウルは終点ではなく、ソウル近郊の幸信まで直通するらしいのだが、大半の乗客はやはりソウルで下車するようである。
 ソウル駅でもやはり改札はないので、電車を降りてエスカレーターを上ると、そのままコンコースに到着する。
 名古屋を出発してから25時間、空港ターミナルのような巨大なコンコースが広がるソウル駅にようやく到着。
 飛行機ならば半日かからない道のりなのに、このまどろっこしさ。21世紀の今、旅の”風情”というものを楽しむのであれば、"日韓共同きっぷ"は、なかなか悪くない選択肢である。

景福宮
ソウル・景福宮

 さて、せっかくソウルに来たので、ホテルのチェックインを済ませ、市内観光に出かける。
 ソウルは地下鉄もが充実しており、鉄道全線制覇には一家言あるおいらから見ても、制覇するのに丸2日は必要な路線網を誇っている。なので、たいていの場所へは地下鉄で行くことができる。
 切符は完全IC化されており、1回きりの切符でもICカードが必要。自動販売機で切符を買うと立派なプラスチック製のICカードが発券される。料金にはデポジットが含まれているので、地下鉄を降りた後専用の機械にカードを突っ込むと、デポジットの500ウォンが返金される。
 もちろんチャージできるカードも発売されていて、ストラップ型の形状のカードも発売されている。

 向かったのは、ソウルの故宮・景福宮。李氏朝鮮時代の王宮だそうな。
 驚いたのは建物うんぬんよりも、その広大さ。さすが大陸、王宮もデカい。
 歴史的には、元々は14世紀末に建設された王宮で、その後16世紀に焼失し、19世紀に再建したものの日本統治時代に破壊されたのだそうな。現在、鋭意復元中で、現在でもだだっ広い敷地に数多の建物が建てられているのだが、これからまだまだ復元が進むとのこと。

(上)明洞にある日本統治時代の建物
(下)まずは焼肉
ソウル・明洞

 で、景福宮を見学したので、後は町並み見物ということで、繁華街・明洞(ミョンドン)や明洞に隣接する南大門市場(ナンデムンシジャン)を見物。
 南大門市場では、めんどくさいおっさんにつかまり見事にぼったくられる。まあ、止む無し。
 韓国に来たらまずは焼肉! ということで、晩御飯は焼肉を食べる。
 たまたま通りすがりに見つけたお店がウラガム。
 メニューを見ると、メニューには肉ばかり。この国の人たちは野菜は食べないのかと思ったら、どうやら野菜は勝手についてくるらしく、ナムルやらキムチやらとチシャ菜やらが付いてくる。しかも、野菜は食べ放題らしい。(多分)
 肉は店員が焼いてくれて、一口サイズに切ってくれる。やや焼きすぎじゃないの?というぐらい焼くのだが、不思議と肉が硬くならずやわらかいまま。
 お値段はそこそこだが、その分おいしい肉が食べられます。

 韓国滞在1日目が終了。
 明日は、今回の旅のメインイベント・板門店見学を行う予定。

0 件のコメント: