2019-04-02

フィンランド ラップランドでオーロラを見る (#5 完結編)

 ラップランドのリゾートホテル・カクシラウッタネンのガラスイグルーでのオーロラを観測に成功。
 ついにフィンランド滞在も残り1泊。
 再びサーリセルカに戻り、最後の夜を迎える。

サーリセルカへ帰還

クーケリインのリビング (左)ラップランド名物サーモンスープ
(右)リゾット
サーリセルカ・Kuukkeli Inn

 トナカイサファリを終え、カクシラウッタネンからサーリセルカに戻ってきたら、当然の真っ暗。昼過ぎたらすぐに夜という生活にもぼちぼち慣れてきた。
 サーリセルカ最後の日の宿泊場所は、クーケリインというシェアハウスタイプのホテル。
 クーケリスーパーのレストランでカギと地図を渡され、裏手に回ると近くに建物が立っている。
 わかりにくい入り口を探して扉を開けると、おしゃれな玄関、リビング、キッチンがあり、その奥に個室がある。
 ベッドルームは各自の部屋があるのだが、トイレとシャワールームは共同。どちらかというと長期滞在者向けのコンドミニアム的な位置づけの宿泊室なのだと思われる。
 部屋は何部屋かあるのだが、隣の西洋人カップル以外は人の気配がない。出かけているのか、本当に宿泊客がいないのか...??

サーリセルカ・Teerenpesässä

 この日の晩御飯は、ずっと食べ損ねていたラップランド名物らしいサーモンスープを食べるため、レストランTeerenpesässäに行くことにした。
 Teerenpesässäには、日本語のメニューが置かれており日本人にも人気がある。
 入ってみるとPubとレストランに別れていて、右側がレストランのスペースのようである。壁際には暖炉が設置されており、火がたかれていた。考えてみると暖炉というものを初めて見たかもしれない。
 メニューを眺め、お目当てのサーモンスープとリゾットを注文した。
 サーモンスープはサワークリームが効いていて美味しい。サーモンとの相性も抜群でクセになる味である。
 翌日は早朝からバスに乗って空港に向かうため、これがサーリセルカ最後の食事となる。
 トナカイ肉も食べたし、サーモンスープも飲んだし、食事的には思い残すことはないね。

サーリセルカ

 サーリセルカ最終日ということで、この日がオーロラを見る最後のチャンス。おそらく、人生で最後のチャンスだろう。
 今は雪が降っているが、予報ではちょうど日付が変わる前ぐらいに止むらしい。一方、オーロラが見える時間帯も予報では日付が変わる前ぐらいまでとなっている。
 予報通りなら、オーロラが消える最後の瞬間にぎりぎり見えるか見えないかというタイミング。
 オーロラバスツアーに参加して雲の切れ目を探すという手もあったのだが、この日はサーリセルカに滞在して、オーロラを待つことにした。

サーリセルカ

 午後11時、ぼちぼち晴れてくれないとオーロラが見えないのだが相変わらず雲が厚い。
 とは言え部屋で待機していても仕方ないので、奇跡を信じて街の中の観測ポイントを目指すことにする。
 サーリセルカの街中にはいくつかオーロラの観測ポイントがある。街の明かりがなく北側の空が開けている場所がオーロラ観測に最適で、スキー場の入り口、国立公園の入り口、ホリデイインホテルの裏あたりがその条件に合致する。
 その中で滞在場所から一番近いホリデイ・インの裏に向かい、暗闇の中から空を見上げてみたが、この日は全く星が見えない。
 予報では雲が去る時間なのだがその気配はなく、ついには雪がちらついてきてしまった。
 オーロラ観測は最早これまでと諦めて、ホテルに帰ることにした。
 ラップランドまでやってきても、そう簡単にはオーロラを見ることはできないということですな。

サーリセルカからヘルシンキへ

空港行きのバス イヴァロ空港
サーリセルカ・ホリデイ・イン前バス停

 翌日は2018年の大晦日。長居をしたフィンランドからいよいよ帰国する。
 行きは電車とバスでサーリセルカに訪れたが、帰りは飛行機でヘルシンキに一飛びする。
 早朝、寒い中バス停で空港行きのバスを待つ。
 ほぼ定刻通り現れたバスに20名ほどの乗客がバスに乗り込み、満員御礼で出発する。

イヴァロ・イヴァロ空港

 サーリセルカからイヴァロ空港までは30分ほど。オーロラ観測バスツアーで訪れたイナリ湖の近くに空港がある。
 イヴァロ空港は、一日数便しか飛行機の飛ばない小さな空港で、入り口から搭乗口まで徒歩数分の規模。
 建物は最近できたばかりなのか、かなりきれいである。
 真っ暗闇のエプロンに駐機された飛行機に乗り込み、ラップランドを後にする。

1週間ぶりのヘルシンキ

ヘルシンキ中央駅の東正面 ヘルシンキ近郊一日乗車券
空港から乗るときは車内のリーダーでアクティベートが必要 フィンランド最大手DNAのプリペイドSIM
ヘルシンキ・ヴァンター空港

 イヴァロからヘルシンキのヴァンター空港までは1時間ほど。そこで飛行機を乗り換えて日本に向かうのだが、トランジットの時間が6時間ほどあるので、一度ヘルシンキ市街地に向かい、昼ご飯を食べてから空港に戻ってくることにした。
 ということで、1週間前と同じように電車でヘルシンキ中央駅へ向かう。
 駅のホームで14ユーロのヘルシンキと空港を含む周辺地域の一日乗車券を購入する。空港と中央駅の片道料金が5ユーロなので往復+トラム2回で元がとれる計算となる。

 ついでにフィンランド旅行のTipsを一つ書いておくと、フィンランドは通信費用がムチャクチャ安い。
 今回使用したのは、dnaのプリペイドsim。わずか5ユーロ。これで1週間使い放題。もちろんサーリセリカでも問題なく使えた。
 ローミングとかWi-Fiルーターなんか使うのは、ちょっともったいない。

クリスマス休暇が終わり、街に活気が戻ってきた テンペリアウキオ教会
ヘルシンキ・ヘルシンキ中央駅

 空港から30分。ヘルシンキ中央駅に到着した。1週間ぶりだが、前に来たのは、ずいぶん昔のことのように思える。
 駅を出て驚いたのが人の多さ。クリスマス休暇が終わったため、街に人通りが戻ってきたようだ。
 ヘルシンキ都会じゃん。

ヘルシンキ・テンペリアウキオ教会

 あまり時間もないので、一か所だけ観光へ行くことにする。
 向かったのはテンペリアウキオ教会。石をくり抜いてできた教会として有名な建物である。
 ヘルシンキ中央駅からトラムで数駅。そこから坂を上ったところに教会がある。
 石の教会というだけあって、外観はまさに岩山。本来は屋根部分の岩山に登れるらしいのだが、石が完全に凍り付いていて危なくて登れない。それでも無理して登っている奴もいたが、見事に転倒していた。
 岩山をくりぬいたトンネルのような場所に入り口があり、入場料を払って中に入る。
 洞窟、あるいは鍾乳洞の中の大きな空間といった雰囲気。正面には岩肌を這うようにパイプオルガンのパイプが伸びている。
 厳かな雰囲気を堪能した。

いよいよ帰国

なんのことはない ただのバーガーキングのWhopper jr. 空港に向かうP線
ヘルシンキよ、さらば
ヘルシンキ・カンピセンター

 教会からとぼとぼ歩いて、ヘルシンキ中央駅へ帰ることにした。
 その途中、地下鉄カンピ駅の上にあるショッピングモールで昼食を食べ、買い物をする。
 フィンランド最後のご飯を何にしようかと思ったのだが、なんのことはなくバーガーキングでハンバーガーを食べることにした。ラップランドで一週間を過ごし、無性にファーストフードが食べたくなっていたのだ。
 フィンランドで目立つハンバーガーショップは、滞在2日目に食べたヘスバーガーなのだが。次に目立つのはマックよりもバーガーキング。
 なぜマックよりもバーガーキングなのかはよくわからないが、郷に行けば郷に従えということで、バーガーキングでワッパーを食べる。
 まあ普通にバーガーキングだけど、なんか久々に都会に戻った感じがしておいしかったね。
 さて空港に戻って、出国手続きをしますかね。

 さて長いことフィンランドの北の果てを旅してきたが、無事帰国の途についた。
 オーロラを見るという旅の目標も無事クリアした。
 ラップランドのオーロラを見に行ったという旅行記をいくつも読んだが、オーロラを見れてなかった人がかなり多く、かなりラッキーだったようだ。
 しかしながら、テレビで見るような空を覆うようなダイナミックなオーロラを見れたわけではなく、不完全燃焼といえばその通りだが、まあ上を見ていてはきりがないよね。
 森と湖の国フィンランドの冬は、大満足でした。
 長いこと書いてきたこのブログも、ようやくヨーロッパに進出できた。次は北米大陸にでも出かけたいですな。

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