2016-08-24

バースデイきっぷ 四国全鉄道 完全制覇 (#3 愛媛後編)

 3日間で四国の全鉄道事業者の全路線を制覇する旅。
 2日目の朝は、内子線、伊予鉄道郊外線などを制覇。
 続いて、伊予鉄道の市内線を制覇し、愛媛県内の残りのJR路線を制覇する。

17. 松山市駅前 10:50発 1系統 松山市駅前行 → 上一万 11:21着
(伊予鉄道 花園線・城南線・大手町線・城北線 2.4km)
すれ違った坊っちゃん列車 18. 上一万 11:25発 3系統 道後温泉行 → 道後温泉 11:31着
(伊予鉄道 城南線 1.2km)
松山・松山市駅前駅

 伊予鉄の路面電車・市内線は、松山市駅前から松山城を囲むように環状に線路が敷設され、時計回り(1系統)と左回り (2系統)に分かれて運行されている。さらに、道後温泉に伸びる支線と途中で環状線をショートカットする支線があり、それらを通る系統が他に3系統(3系統、5系統、6系統)ある。
 まずは、松山市駅からJRの松山駅方面に向かって出発する1系統に乗り込む。
 松山市駅前を出発し、何度か交差点を曲がると、昨日の夜、路面電車を見送った、大手町駅横の交差点に到着する。そして、電車に乗ったまま、踏切を通過。できれば、踏切待ちを体験したかったが、タイミングが合わなかった。
 で、路面電車は環状線なので、一度跨いだ線路は、もう一度跨ぐことになる。その場所が、古町駅で、ここでは直交というより、斜めに線路をまたいで、最終的には、高浜線と平行して停車するような形になる。
 ここで、伊予鉄道名物のSL風列車「坊っちゃん列車」とすれ違う。小さな機関車が客車を引く様はなかなかかわいらしい。

松山・上一万駅

 環状線を半分ちょっと過ぎた辺り、道後温泉に向かう支線との分岐駅、上一万駅で1系統を下車。
 反対側のホームにやってきた道後温泉行きの3系統を捕まえ、道後温泉へ向かう。上一万から道後温泉は5分あまり。あっという間に終点の道後温泉駅へ。

道後温泉駅 19. 道後温泉 11:33発 6系統 本町6丁目行 → 本町6丁目 12:00着
(伊予鉄道 城南線・本町線 5.0km)
(左)交差点の真ん中で終点を迎える本町線
(右)環状部分の北の方は単線で路地裏を走る 20. 本町6丁目 12:12発 2系統 松山市駅前行 → 松山駅前 12:20着
(伊予鉄道 城北線・大手町線 1.7km)
松山・道後温泉駅

 なかなか立派な駅舎の建つ道後温泉駅。もちろん、名湯・道後温泉の最寄り駅で、重要文化財・道後温泉本館まで、徒歩数分の位置にある。
 ひとっ風呂浴びたいのは山々だが、時間がないので、折り返しの6系統を捕まえる。
 6系統は、上一万から先、時計回りで松山市駅方面に向かうのだが、松山市駅には寄らず、環状線の真ん中をショートカットする本町線に向かう。
 途中、松山城へ登るロープウェイの最寄り駅、そして松山の繁華街・大街道駅、官庁街の県庁前、市役所前の各駅を通過し、30分かけて終点・本町6丁目に到着。

松山・本町6丁目駅

 交差点の真ん中、踏切の手前で唐突に本町線の線路はぶち切られる。文字通り、なんの留保もなく”終点”といった風情の本町6丁目駅にて、伊予鉄道の全線制覇が完了。
 目の前の踏切の線路は、1系統、2系統の走る線路で、少し離れた場所にある2系統の乗り場から電車を捕まえ、JRの松山駅へ戻ることにする。
 ところで、市内電車のこの区間は単線で、線路の敷地が物凄く狭い。線路のすぐ脇が民家のブロック塀になっている場所が多く、なんだか町の舞台裏を走っているような感じである。そんな、松山市のダークサイドで、電車を待ったが、フォースの暗黒面に落ちることなく、無事2系統に松山市駅行きに乗車する。

松山市駅の駅ビル屋上で、お一人様観覧車を堪能
松山・松山駅前駅

 10分弱で、無事松山駅に到着。JR予讃線の旅の再開、と、行きたいところだが、1時間ほど時間がある。
 ふと手にしていた「伊予鉄道 電子・バス1日フリー乗車券」を見てみると、「本券ご提示てお一人様1回限り無料で、いよてつ高島屋大観覧車『くるりん』をご利用いただけます」、と書いてある。
 うーむ。意識高い系のおいらとしては、ここは、「お一人様観覧車」という未体験ゾーンに足を踏み入れてみなければなるまいという使命感が湧き上がってきた。
 ということで、一旦、松山市駅前に戻り、駅ビルの屋上にある観覧車に乗ってみることにした。
 まあ、なかなかの眺めなんだけど、相変わらず、空が曇ってるんだよね...。
 ちなみに、この「くるりん」。現在、誕生月の人は無料で乗車できるキャンペーンをやっているらしい。っつーことは、別に1日乗車券がなくても、タダで乗れたらしい...。

21. 松山 13:24発 特急 宇和海15号 宇和島行 → 宇和島 14:46着
(JR四国 予讃線 103.2km)
(左)山の上に建つ宇和島城天守閣
(右)山門から天守閣を目指したが、石垣しかみることができず
松山・松山駅

 改めて松山駅。早朝に乗った宇和海に再び乗車する。朝と同じホームの同じ位置に止まっている列車に乗車。
 この時、朝の疑問が解決した。なぜ宇和海はホームの端っこにこじんまりと停車しているのかというと、松山駅は駅舎から繋がる1番ホームを左右に分割して、宇和島方面と岡山・高松方面の特急の両方を停車させている。だから宇和海は宇和島よりに遠慮がちに停車していたのだ。
 出発してから伊予大洲までは朝、一度乗車しているのだが、雨が上がって快晴になってきたので、随分景色が違う。

宇和島・宇和島駅

 1時間ほどで、宇和島駅に到着。JR四国最長の予讃線も無事、制覇。
 さて、次の列車までは50分ほど待ちがある。長いといえば長いが、何かしようと思うとあまり時間がない。
 宇和島には、江戸時代の天守閣が残されている現存12天守の一つ、宇和島城がある。城を見に行くまでの時間はないが、近くまで行ってみようと、城の方に歩き出した。
 しかし、暑い。真夏の日差しが降り注ぐ炎天下、ちょっと歩いただけで汗が吹き出てくる。近くに行くだけだと思っていたのだが、思いのほか近かったので、城の建つ山の麓の門をくぐってみることにする。
 だが、それが大きな間違い。宇和島城の天守閣まで登る山道は、ものすごい急坂。半分ほど登ったところで、息が上がり、足が前に進まなくなってしまった。
 それに、時間もないので駅に戻らないと行けない。せっかく来たにも関わらず、石垣を眺めただけで宇和島城を後にするという、骨折り損なだけの時間つぶしになってしまった。
 まあ、ここには、いずれ再訪することにしよう。

22. 宇和島 15:35発 窪川行 → 窪川 17:50着
(JR四国 予讃線・予土線 / 土佐くろしお鉄道 中村線 82.2km)
(左)前方に新幹線0系の座席が設置してある
(右上)車内には鉄道模型が飾られている
(右下)車内から前方を見るとハリボテ感満載... 江川崎駅で5分停車 高知県に再突入
宇和島・宇和島駅

 次に乗る列車は、予土線直通の普通・窪川行き。字面だけ見たらなんってことのない列車だが、車両はかなり変わり者だ。
 その名も「ホビートレイン」という、元祖新幹線の0系を模した外観の列車である。鉄道模型が展示されていたり、新幹線0系のシートが一部設置されたり、いろいろと内装にも工夫を凝らしている。
 そんな観光列車ではあるのだが、予土線の列車本数が少ないこともあり、大半は沿線の住民が「普通に」乗車していらっしゃるので、車内の雰囲気は実に穏やか。

 宇和島駅を出発してから15分ほど経過した頃、列車がゆっくりと停車した。行き違いの為の信号所かと思いきや、どうもそんな雰囲気ではない。
 そして、ワンマンカーの運転手から「オーバーヒートのため停車しております」のアナウンス。いや、至って冷静にアナウンスをしたのだが、これって一大事ではないのだろうか???
 ざわつく乗客とは対照的に、運転手は落ち着き払っている。というか、特に何をしているわけでもない。
 数分後、何事もなかったかのように、エンジン音が鳴り始め、列車が動き出した。どうやら、少しクールダウンをして、そのまま発進させただけらしい。
 よくわからないのだが、そんな簡単な話なんだろうか? オーバーヒートなんて、日常茶飯事なんだろうか????

 オーバーヒート騒動が落ち着いて、数十分が過ぎた頃、今度は車内でジイさん二人が、なにやら揉めはじめた。車内に設置された新幹線0系の椅子を取り合って、何やらオーバーヒートしている模様。
 さらには、整理券の発券機も故障、なんだかいろいろな意味で満身創痍のホビートレインだが、無事終点まで辿り付けるのだろうか...。

四万十・江川崎駅

 愛媛と高知の県境を超えて2駅目の江川崎駅で、5分の停車。トイレの付いていない車両なので、トイレ休憩も兼ねているようだ。
 県境を超えたので、愛媛の全鉄道路線を制覇。
 高知に入ると予土線は四万十川に沿って走るようになる。土讃線の吉野川と比べると、随分流れは穏やかに見える。静の四万十川も動の吉野川も車窓としては申し分なく素晴らしい。
 四万十川には、増水時に水没する”沈下橋”と呼ばれる欄干のない橋がいくつも架設されているのだが、列車からも何本か確認することができた。これも、いつの日か間近で見てみたいものである。

四万十・窪川駅

 2時間強の乗車時間を終え、終点の窪川駅に到着。一駅手前の若井駅が予土線の終点だったので、予土線も制覇完了。残りのJR四国の路線は、土讃線と本四備讃線のみ。
 JR以外では、土佐くろしお鉄道の中村線、とさでん交通、琴平電鉄、八栗ケーブルが残っている。
 いよいよ、終わりが見え始めてきたぞ、と。

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