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2009/11/10

関西電力黒部ルート 黒部峡谷地下の旅(後編)

 関西電力が黒部ダム建設のために作った黒部ルートの見学会の後編。
 黒部峡谷の地下にある知られざるトンネルや発電所、そして線路を見学してきました。

黒部第四発電所 タービンがすぐ目の前で回ってる!
富山・黒部第四発電所

 黒部第4ダムは発電用のダムであり、ダムに溜め込んだ水は発電用のタービンを回すために使用される。
 では、その発電所はどこにあるかというと、ダムの下流の地下にある。
 国立公園の環境を保護するため、また、冬季の雪崩対策や輸送ルート確保のために立山連峰地下の岩盤をくり貫いて建設されたのだそうな。

 インクラインに乗り込み、400メートルを下って、その地下発電所に辿りついたのだが、こいつはデカイ。
 巨大化した体育館といった空間に、4つの発電タービンの上部がポツンとおかれている。
 日本有数の発電所っていうんだからデカくて当然なのだが、あまりの大きさに、ここが山奥の地下だとういうことがどうも想像できない。(実際、地下なのかどうか確認のしようもないので、実はただの窓のない建物で、となりに吉田さんの家があったりするのかも知れんけどね...)

 発電所の巨大空間を堪能した後は、発電用のタービンをすぐ間近から見学。
 グルグル周る巨大な物体の発電する電力で、関西辺りのオッサンのシェーバーがウィーンと動いているかと思うと、なんともいえない感慨に浸れますな。

バッテリートロッコで欅平へ 仙人谷と仙人谷ダム 高熱隧道を走行中
富山・黒部第四発電所

 黒部第四発電所を見学した後は、バッテリートロッコなる乗り物で黒部川の下流へ移動する。
 1両あたり大人6人ギリギリ乗れる大きさの小さなトロッコは、元々、戦前に下流の黒部第三発電所建設のために作られたトロッコなのだそうな。その後、昭和38年に黒部第四発電所建設時、線路が延長されて今の形になったとのこと。
 それにしても、小さなトロッコに詰め込まれると、なんだか、本当にダム工事の現場に向かうような気分になる。

関西電力黒部専用鉄道・仙人谷

 トロッコは、途中仙人谷ダムがある仙人谷というところに止まる。
 そこは、またしても、見事な秘境。見渡す限りダム以外の人工物はいっさいないし、人影もない。
 ここまで、まるで人の気配が感じられないので、ダムが廃墟の遺跡のように思えてくる。
 よくまあ、こんな山奥にダムだの発電所だの作ったもんだよね。

関西電力黒部専用鉄道・高熱隧道

 仙石谷から先しばらくは、高熱隧道と呼ばれる区間をトロッコは進んでいく。
 この区間岩盤の温度が160度を超えるらしく、重機のない戦前の技術でこの区間にトンネルを掘るのは相当な苦労があったそうな。(そりゃそうだわなぁ...)
 この様子は、吉村昭の長編小説『高熱隧道』で詳しく描かれているのだそうなのだが、まぁ、吉村昭って、誰なんだろうね???
 高熱隧道の区間に入ると、確かにトロッコの内部の温度があがり、硫黄らしき匂いが漂ってくる。
 さらに、トンネルの外壁も、白とも黄色とも言えない不気味な色になる。
 なんにしろ、こんな所を掘る仕事には就きたくないですなぁ。

今度は、巨大エレベーター 最後はトロッコ電車に乗車
関西電力黒部専用鉄道・欅平上部

 トロッコの次は、巨大なエレベーターに乗って200メートルほど下降する。
 エレベーターの大きさは、トロッコがそのまま乗り込める大きさで、人間なら50人ぐらいは乗り込めそうな巨大さ。
 200メートルというのは、ビルで言えば50階分以上っていうんだから、戦前にこんなものを使ったなんてスゴすぎる。

関西電力黒部専用鉄道・欅平下部

 エレベーターを降りると、再びトロッコ電車が待ち構えていた。
 今度のトロッコ電車はさっきのバッテリートロッコよりちょっと大きい。
 観光鉄道・黒部峡谷鉄道の車両として使われている車両で、1両あたり数十人は乗り込める。  黒部峡谷鉄道は宇奈月温泉から欅平というところまで、黒部の山を登っていく観光鉄道なのだが、元々は黒部川上流のダムの建設資材運搬用の鉄道として作られた鉄道で、今でも、関西電力の作業員の運搬にも使われている。
 一般観光客は欅平が終点で、強制的に降ろされるのだが、巨大エレベーターまであと数百メートル続いていて、関西電力関係者だけが使うことができる。
 トロッコでその区間を移動して、欅平駅に到着したところで、見学会は終了。
 いや、なんだか、いいものを見せてもらったよ。

欅平も快晴 黒部峡谷鉄道で宇奈月温泉へ トロッコは13両の長大編成
富山・欅平

 欅平からは黒部峡谷鉄道と富山地方鉄道を乗り継いで、富山に向かうのだが、1時間ほど時間があるので、欅平を散策。
 黒部川の川岸に作られた足湯から奥鐘橋を見上げる場所がここの絶景ポイント。赤い橋が緑に映えますな。

富山・欅平駅

 14時58分発の黒部峡谷鉄道に乗って、宇奈月温泉へ出発。
 まだ15時前なのだが、名古屋に帰るためにはこれが終電。
 車両が小さいこともあり、13両の長大編成なのだが、今日は平日ということもあって、1両あたり数名しか乗車していない。
 小さいとはいえ、13両も車両あると、カーブを曲がる姿が結構”様”になりますな。

富山地方鉄道で富山へ 富山駅に到着
富山・宇奈月駅

 宇奈月駅で黒部峡谷鉄道から富山地方鉄道に乗り換える。
 線路は隣同士で、ホームもすぐ隣にあるのだが、なぜか駅舎が結構離れていて乗り換えにはそこそこの距離を歩かせられる。

富山・電鉄富山駅

 出発から1時間半が過ぎ、すっかり暗くなっってしまった夜6時にようやく電鉄富山駅に到着。
 のんびり富山名物でも食べたいところだが、明日は仕事なので、すぐさま高速バスに乗り込んで名古屋に帰宅。
 ということで、関電黒部ルートの旅は、これにて終了。
 地下施設ってものにも感心しきりだけど、乗り物的にもトロッコあり、インクラインあり、巨大エレベーターありとなかなか堪能できました。
 こういう見学会がどこかにあったら、また、ぜひ参加したいものです。

2 件のコメント:

  1. いやぁ、凄いいい物見せてもらいました。
    羨ましいな・・・。

    黒部峡谷鉄道にも乗れちゃってるし、ほんと羨ましいです。

    巨大エレベーターを体感したいです。

    ところどころのコメント「むふっ」って笑ってしまいます。
    会社で読んでるとちょい恥ずかしいw

    次回も楽しみにしています。
    お疲れ様でした。

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  2. そうそう、黒部ルートもいいんだけど、黒部峡谷鉄道ってののも、味があるいいトロッコ電車ですよね。
    これだけでも、乗る価値が十分あります。
    あと、関係ないけど、ここと同じくダムの資材を運ぶために建設された静岡の大井川鉄道井川線もいいトロッコ電車なんですよね。
    トロッコ最高ですわ。

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